深夜25時の勝利でチャンピオン争いを一歩リードしたニューガーデン。ライバルたちはその勢いを止められるか?

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2019年07月27日 10:02  AUTOSPORT web

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勝利のドーナツターンで観客の声援に応えるジョセフ・ニューガーデン
アイオワでのインディカー・シリーズのレースは、ほぼ毎年どこかのタイミングで雨が降る。デトロイトもテキサスも雨は悩まされることが少なくない。今年のアイオワはそれが最悪のタイミングとなった。

 スタート前30分を切ったところで雨。7/8マイルオーバルに集まったお客さんたちには本当に気の毒な事態となった。

雨だけでなく、雷も発生したことで“グランドスタンドから出てください”とまずはアナウンスされ、しばらくしてから“それぞれのクルマに避難してください”と警告がレベルアップ。

 グランドスタンド下での雨宿りですら、もはや危険ということだ。

 雨の降る中、遠くの駐車場に停めたクルマに戻ったら、もうそれだけでずぶ濡れになっったはずだ。濡れた髪や服で、更にレースを待つモチベーションを保つのは、さらに大変だったことだろう。

 それでも熱心なファンはスタンドに帰って来た。日が暮れていく18時過ぎのスタートのはずが、もう23時になろうかって頃のスタート。レース中に、さらに小雨で30分の中断もあって、ゴールは、日付が変わった25時。本当にお疲れ様でした。



 優勝はポイントリーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。エド・カーペンター・レーシング時代の2016年にも勝っているから、アイオワは2勝目だ。

 先輩チームメイトふたりは、ウィル・パワーは過去に2回ポールを獲得し、シモン・パジェノーも今回ポールポジションを獲得しているが、まだアイオワでの勝利はない。

 ニューガーデンの勝利によって、ふたりより先にニューガーデンが2度目のタイトル獲得という可能性が一気に大きくなったようにも思える。

 開幕戦セント・ピーターズバーグ、第7戦デトロイト、第9戦テキサスと合わせて、今回ですでに4勝。これだけ勝てばチャンピオンの資格は十分だ。

 2017年のニューガーデン初タイトル獲得時も4勝だった。まだ5戦を残してそこに到達しているので、残りのレースであと1、2勝するかもしれない。

 3メーカー激突が始まった2003年からのチャンピオンの優勝回数は以下の通り。

2003年 スコット・ディクソン/3勝
2004年 トニー・カナーン/3勝
2005年 ダン・ウェルドン/6勝
2006年 サム・ホーニッシュJr./4勝
2007年 ダリオ・フランキッティ/4勝(カナーンの5勝を挙げ最多勝となるがランキングは3位)
2008年 スコット・ディクソン/6勝
2009年 ダリオ フランキッティ/5勝
2010年 ダリオ・フランキッティ/3勝(最多勝はパワーの5勝)
2011年 ダリオ・フランキッティ/4勝(最多勝はパワーの6勝)
2012年 ライアン・ハンター-レイ/4勝
2013年 スコット・ディクソン/4勝
2014年 ウィル・パワー/3勝
2015年 スコット・ディクソン/3勝
2016年 シモン・パジェノー/5勝
2017年 ジョセフ・ニューガーデン/4勝
2018年 スコット・ディクソン/3勝

 4勝を挙げているニューガーデンだが、ポイントリードは決して大きくない。

 ランキング2位にずっとつけているアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は苦しみながらもアイオワで6位フィニッシュと粘って、ニューガーデンと29点差につけている。

 昨年ランキング2位に終わって初タイトルに並々ならぬ意気込みを持つロッシ。残りレースで複数勝利の可能性アリだ。


 ランキング3位のパジェノーはニューガーデンと58点差。トロントに続いてポール・トゥ・フィニッシュを決めていたら流れを大きく引き寄せることになっていただろうが、今回は終盤の失速もあって4位で表彰台も逃した。

 インディ500ウイナーだが、ランキング上位ふたりに比べると、タイトルに向けては決め手に欠ける印象だ。


 パジェノーよりもランキング4番手につけるスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)に対しての方が、ふたりは警戒心を大きく持っているのではないだろうか。

 なんといっても歴代2位の5回ものタイトル獲得経験を持つ強者。今年はまだ1勝だが、どのコースでも安定した速さを見せている。

 今回のアイオワでの2位も衝撃的だった。序盤にハンドリングで苦しみ1周遅れに陥り、2周遅れとなる可能性もあったが、ピットストップでハンドリングを向上させ、更には燃費セーブ作戦でレース終盤にライバル勢より新しいタイヤで走る状況を作り出した。

 ぐんぐんと順位を挽回していき、最終的にはニューガーデンを脅かすまでとなっての2位。ニューガーデンも、ノーマークだったディクソンが終盤になって突然、2秒後方まで迫って来たのにはおおいに驚いていた。


 残るレースはミド・オハイオ、ポコノ、ゲートウェイ、ポートランド、そしてラグナ・セカ。常設ロードコースが3戦、ショートオーバルとスーパースピードウェイが1戦ずつだ。

 ミド・オハイオは昨年のウイナーがロッシで、一昨年はニューガーデン。その前の年がパジェノーだが、ディクソンは5勝の実績を持つ。

 ポコノも昨年のウイナーがロッシ。ディクソンは2013年に1勝している。

 ゲートウェイはカレンダー復帰3年目で、ニューガーデンは一昨年に勝利し、他の3人は優勝経験なし。ディクソンは昨年が3位で一昨年は2位と上位に。ロッシは昨年2位だ。

 ポートランドはカレンダー復帰2年目で、ニューガーデン、ロッシ、ディクソン、全員表彰台にも上っていない。

 そして最終戦は今年カレンダー復帰のラグナ・セカ。しかも、ダブルポイント。リードするニューガーデンが優位だとはいえ、まだまだ逆転は十分起こり得る。

 このままニューガーデンがリードしていくのか? それともライバルたちが再び詰め寄るのか? まずは3連戦最後となる今週末のミド・オハイオ戦に注目だ。

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