吉本興業問題で強固になった「松本人志」の支配とテレビ局のタブー

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2019年07月31日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

「女性セブン」8月8日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 びっくりした。丸山穂高議員の「NHKから国民を守る党」入り。そして丸山議員の人相がさらに悪くなっていたこと。しかもTwitterで「丸山、動きます」なんてパクリも。こんな政治家が跋扈するニッポンって――。

第469回(7/25〜7/30発売号より)
1位「松本人志 元マネ幹部『支配』に加藤浩次が突きつけた覚悟の『反旗』!」(「女性セブン」8月8日号)
2位「SMAP 9月結集へ!『新しい地図』地上波復活で『和解への道』」(「女性自身」8月13日号)
「『SMAP共演を実現させて!』ジャニーさんお別れ会急転延期とコンサート会場で!の祈り」(「女性セブン」8月1日号)
3位「『沖縄』を知らない安倍首相へ」(「週刊女性」8月13日号)

 いまだ連日のようにワイドショーで取り上げられている吉本興業問題。しかし、“加藤の乱”も、なんだか尻つぼみの様相で、岡本昭彦社長ら上層部の責任もうやむやに!? そんな雰囲気の中、しかし一部メディアでクローズアップされてきたのが松本人志の“吉本支配”だ。

 たとえば「週刊文春」(8月1日号・文藝春秋)では「松本人志が牛耳る吉本興業の闇」と題して松本が吉本で絶大な権力を持っていることを報じているが、「女性セブン」も同様に松本の絶大な影響力について報じている。

「騒動渦中に颯爽と現れ、吉本興業の最高幹部と話をつけ、会見まで開かせた“救世主”松本人志。人気トップクラスの大物芸人であることは間違いないが、会社中枢にまで絶大な影響力を持つ存在だったとは知らなかったという人も多いだろう」

 さらに大崎洋会長、岡本社長、藤原寛副社長といった経営中枢が、歴代の松本、ダウンタウンのマネジャーだったことも指摘、「ダウンタウンは東京で当代一の人気者になった。彼らを成功させた大崎さんは社内で絶大な存在になり、その“右腕”の岡本さんも社長まで上り詰める」(芸能関係者のコメント)と記している。

 そう、今回の最大の問題である大崎会長の独裁的社内支配の背後には、松本の存在があることを“ほめ殺し”ながらも指摘したのだ。さらにこんな記述も。

「岡本社長は松本さんの前では礼儀正しい印象ですが、ほかの人の前では……」(同)

 ダウンタウンの人気を背景に吉本興業でのし上がった大崎会長とその右腕として出世してきた岡本社長。そうした経営陣の中、松本は吉本興業で絶大な影響力を持つようになった。「セブン」ではそうした構造、問題の本質を指摘したといえる。先週、この問題に関し、「女性自身」と「週刊女性」があまりに本質とかけ離れた記事を掲載、今週も “松本支配”には踏み込んでいないことに比べても、まっとうだ。

 そしてこの記事を読んで思い出した。3年ほど前にも、「セブン」が掲載した“松本マッチョ”記事に松本が激怒しトラブったという一件があったことを。まあ、今回の報道とは関係ないと思うが、いずれにせよ、一部だが紙媒体では“松本支配”が指摘されるようになった。しかし、これがテレビ・ワイドショーで取り上げられることはない。たとえば『直撃LIVEグッデイ!』(フジテレビ系)で島田紳助が「週刊文春」や「週刊新潮」(新潮社)の取材に応じたことが紹介されたが、しかし「文春」の「松本人志が牛耳る吉本興業の闇」といった誌面、タイトルは不自然なくらいにスルーされていた。現在では吉本興業と岡本社長批判はオッケーでも、“黒幕”松本批判はタブー。それどころか事態の収束ができる“唯一の救世主”とさえ持ち上げられている。この騒動でテレビ局の“松本タブー”は今まで以上に強固になったかも。

 そしてテレビ局のもうひとつのタブー、ジャニーズ事務所に関しても大きな動きがあった。7月17日、NHKが緊急速報として<元SMAP3人のTV出演に圧力の疑い ジャニーズ事務所を注意 公正取引委>と伝えたことだ。

 公正取引委員会がジャニーズ事務所の圧力について“注意”した。このジャニーズ圧力について、「女性自身」と「女性セブン」がジャニー喜多川氏の“お別れ会”にかこつけて取り上げている。

 「自身」ではお別れの会に「新しい地図」の3人も出席し、時間差でも同じ場所に元SMAP5人が結集する可能性を示唆、その上で、公取の動きが追い風になるとしてこんな指摘をしている。

「この一報で、テレビ局は“身の潔白”を証明するためにも、今後、香取さん、草なぎさん、稲垣さんを番組に起用していくことになるでしょう」 (テレビ局関係者のコメント)

 さらに、「セブン」も同様に「新しい地図」の3人がお別れの会に出席することを、ファンは希望していると伝えるのだが、ジャニーズ圧力、そしてテレビ局についてこう踏み込んでいる。

「実際、公取委の本丸はジャニーズ事務所よりもテレビ局の独禁法違反だとか。今後、テレビ局側に厳しいチェックが入るとされています。テレビ局はあえて潔白を証明するため『新しい地図』の3人を積極的に出席させることが予想されます」(全国紙社会部記者のコメント)

 たとえ圧力があってもそれを無視、跳ねのければいいのに、しかし積極的に排除に加担してきたのがテレビ局だ。圧力の被害者などではなく共犯者、実行者だといっていい。実際、「新しい地図」3人は地上波から消えているし、公取“注意”も、ほとんどのテレビ局はほんの短く報じただけ、あるいはスルーしている。そして自らに火の粉が降りかかりそうになると、一転、自己保身に走る。

 ジャニーズ事務所の圧力問題は、共犯関係・癒着関係にあるテレビ局自身の問題――。いみじくもそれがクローズアップされた「自身」と「セブン」の“ジャニーさんお別れ会”記事だった。

 すごい。2011年の福島原発事故以降、社会派記事が目に見えて増えた女性週刊誌だが、今週の「週刊女性」が沖縄問題を大きく取り上げている。トータル10頁! 辺野古の地盤問題に基地の町で暮らす人々、そして貧困と沖縄差別――。さらにタイトルもイカしてる。「『沖縄』を知らない安倍首相へ」。素敵です。

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