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大学別「人気企業への就職者数」調査! ソニーなど電機復活の陰で銀行人気が凋落のワケ

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2019年08月01日 08:00  AERA dot.

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写真主要50大学の人気企業への就職者数(AERA2019年8月5日号掲載)
主要50大学の人気企業への就職者数(AERA2019年8月5日号掲載)
 好景気と言われても、日々の生活から、景気の良さは感じられない。だが、就活は違う。1人3〜5社の内定は珍しくないほど、景気がいい。そんな売り手市場の中でも、人気企業は学生を絞り込んでいる。選ばれる大学とはどこなのか採用者数から読み取る。

【ランキング表】人気企業の採用者数が一番多い大学はここだ!(全6枚)

*  *  *
 空前の「売り手市場」が続く就職戦線。学生優位の様相が、さらに強まっている。

 人材情報会社「マイナビ」によれば、6月末時点で、2020年卒業生の74.4%が内々定を決めている。文系学生が約7割、理系学生は8割を超えた。就活市場の景気の良さを示している。

 一方で、企業を選ぶ理由を調査した「大学生就職意識調査」(マイナビ)によれば、トップは「安定している会社」だった。01年卒対象の調査以来、不動だった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」に3.9ポイントの差をつけて、1位に浮上したのだ。

 マイナビのリサーチ&マーケティング部の栗田卓也部長が、

「注目すべきは、同時に選択した項目です。以前は業界上位であることや福利厚生を選ぶ学生が多かったのですが、近年は企業の成長度に注目する学生が増えています。人生100年時代と言われるなか、自分自身もスキルを身につけたいという思いが強まっているようです」

 と話すように、志望企業として上位の常連だった銀行や証券は、業務の効率化、新卒採用数の大幅削減の影響もあり、順位を落としている。

 たとえば、5年前の15年卒対象の文系人気ランキングと比較すると、7位だった三菱UFJ銀行(旧・三菱東京UFJ銀行)が16位に、みずほフィナンシャルグループは18位から47位にランクダウン。翻って好調なのは、電子・電気機器メーカーだ。同ランキングの理系でソニーは11位から1位に躍進し、さらに、富士通は62位から5位と、一躍、人気企業となった。

 では、学生が企業を選べる時代といわれる就活の実態はどうなっているのか。企業は特定の大学にターゲットを絞っていないのか──。「AERA」8月5日号ではその実態を明らかにするために、大学通信の協力を得て、人気企業100社が今春、どの大学から何人の学生を採用したのかを表にしてまとめた。その一部を掲載する。

 慶應大からソニーへ49人、早稲田大から三菱UFJ銀行へ83人、同志社大からJR西日本へ23人、明治大からNECへ28人といった表内の赤色で塗られた箇所は、その企業のなかで最も採用数が多かった大学を示す。また、採用数で5番目までの大学を青色、10人以上の採用数がある大学を黄色で示し、企業がどの大学や大学群に関心があるのかをわかりやすくした。なお、就職者数は学生の申告を受けて大学がまとめているため、実際の入社人数と異なる場合がある。また、大学ごとの卒業者数は大きく異なるため、比較の際は注意してほしい。

 表からは、いくら「売り手市場」とはいえど、基幹産業ともいえる企業が大学を絞り込んでいるのがわかる。つまり、学生優位の状況でも「選ばれる大学」はあるのだ。

 前述した電気機器メーカーを見てほしい。東京大、京都大、北海道大などの旧帝大を始めとして、早慶上智や明治大、青山学院大などのMARCH、西にとんで関関同立が、多くの企業で2桁をキープする。なかでも早慶は頭一つ抜けている。

 調査を実施した大学通信の安田賢治常務はこう指摘する。

「理工系の学部を設置している大学はメーカーに強く、他とは一桁変わってくる。同じMARCHの中でも、立教は理学部しかないため数に出にくい。一方、一橋は理工系学部がゼロなのに、これだけ採用されています。メーカーに強いと言ってもいいでしょう」

 今後は、ビッグデータの解析に欠かせないデータサイエンスを学べる大学や学部にも注目が集まりそうだ。

 ほかにも、トヨタ自動車や日産自動車は早慶以外にも旧帝大を、全日本空輸や日本航空はMARCHをターゲットにしているのがわかる。ヤフーやディー・エヌ・エーの狙いは、ずばり東大。卒業生が特段多いわけではない東大で、この2社は採用数が最も多い「赤色」。学生側も、いかにこれらの企業に関心が強いのかがうかがえる。また、サイバーエージェントや楽天など、採用人数の多さからもネット企業の勢いが感じられる。

 一方、学生からの人気は高いものの、採用枠が少なく数に表れにくいのが食品業界だ。上位校といえど、2桁超は数えるほど。前出のマイナビ・栗田部長が言う。

「食品は人気はあるが、門戸は広くない。理工系の採用枠が多く、文系は競争倍率が高くなる」

 人気の背景には、テレビCMの多さも関係する。入社すれば、CMに出てくるような新しいお菓子ばかりを企画できると期待を高める学生も。

「CMを見て広報志望で受ける学生も多い。ただ、文系は営業として採ることがほとんど。採用側も頭を抱えているようです」(前出・安田常務)

 採用者数を見ると首都圏の大学に目を奪われがちだが、地方も負けていない。福岡県にある西南学院大もその一つだ。JTBグループや全日空に2桁の学生を送り出し、以前と比較して採用者数も増加傾向にある。アエラでは11年、リーマン・ショック後に就活を始めた学生が主な対象となった11年春の就職者数の調査を行っていた。当時と比較して採用数が大きく増えた大学を表にした。全日空やソニーが大幅に増やしていることがわかる。

 また、数こそ多くないものの、全学生が留学必須の国際教養大(秋田県)や、留学生と日本人学生の比率が半々の立命館アジア太平洋大(大分県)にも注目だと安田常務は言う。

「国際教養は文系なのに、なぜか例年銀行が少ない。一方、メーカーに進む学生が多い。1年間の留学が必須のため、世界に認められている企業に関心を持つのが理由だと見ています。立命館アジアは日本語、英語、さらに自国の言葉を話せる留学生に注目が集まっています。ニトリやファーストリテイリングのように海外進出している企業の採用も目立つ」

上智大では外国人留学生の就活支援にも力を入れている。今年も英語オンリーの説明会を実施し、日本語能力を求めない企業が14社集まった。同大キャリアセンター長が「まだ日本語ベースの就活が大半ですが、上智としては力を入れていきたい」というように、大学の取り組みも幅が広がっている。(編集部・福井しほ)

※AERA 2019年8月5日号より抜粋

<人気100社が選んだ大学一覧の完全版は、「AERA」8月5日号に掲載>

※人気企業100社は、マイナビが2019年4月に発表した文系・理系別の「2020年卒大学生就職企業人気ランキング」をもとに、アエラが抽出した。各企業への就職者数(19年春入社)は、各大学の就職課などが学生の自己申告をもとに集計したものを大学通信が19年7月までに調査した。一部、企業が公表したデータを含む。グループ企業を含む人数の場合もある。慶應義塾大は3人以上のみ公表。東京大は「東京大学新聞」、京都大は「京都大学新聞」が公表したデータをもとに、編集部で集計した。★は大学院修了者を含む。最も多く採用された大学を赤色、採用数で5番目までの大学を青色(いずれも10人未満を除く)、10人以上採用された大学を黄色に色分けした。協力/大学通信

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