スーパーやコンビニなどで購入する食品に、「栄養成分表示」があるのを知っていますか? どのような栄養素が含まれているか、ひと目でわかるように記載されたものです。
原則として、消費者向けにあらかじめ包装されている加工食品および添加物には、エネルギー・タンパク質・脂質・炭水化物・食塩相当量の表示が義務づけられています(※業務用は表示が任意であったり、表示の義務がないものもあります)。
管理栄養士の筆者が、ダイエットや健康管理に役立つ「栄養成分表示」の活用の仕方をご紹介します。
■弁当・惣菜を買うときに役立つ!「栄養成分表示」活用法
栄養成分表示を活用すれば、目的にあわせて弁当や惣菜を選ぶことができます。
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まずは、以下の例に挙げたA弁当とB弁当の栄養成分表示を見てみましょう。
例
A弁当
エネルギー:820kcal たんぱく質:25.6g 脂質:30.5g 炭水化物:113.3g 食塩相当量:2.7g
B弁当
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エネルギー:650kcal たんぱく質:20.5g 脂質:19.0g 炭水化物:90.1g 食塩相当量:2.2g
(1)血圧が気になる・むくみを気にしている・減塩したい方なら
塩分を少しでも減らしたいところです。
どちらか迷った際は、食塩相当量が少ない方である「B弁当」を選びましょう。
(2)筋肉トレーニング中・筋肉量を増やしたい方なら
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筋肉を増やす場合、たんぱく質が必要になりますよね。
たんぱく質量が多い「A弁当」がおすすめです。
(3)ダイエット中・エネルギー制限をしたい方なら
全体のエネルギー量を減らしたい人は「B弁当」が良いですね。
糖質を減らしたい人も、炭水化物量が少ないB弁当が良いでしょう。炭水化物は全体のエネルギーの大半を占めるので、エネルギー量と炭水化物量はだいたい比例します。
■外食時に役立つ!自分に必要な栄養素は、1食につきどのくらい?
自宅以外で食事をとる場合、自分に必要な量を知っておくと、後の食事量の調節がしやすいので便利です。
(1)1食に必要なエネルギー量
年齢と性別により、1日に必要なエネルギー量の目安が決まっています。
30〜49歳女性
・座って過ごすことが多い人:1日に1,750kcal→1食あたり約580kcal
・座って過ごすことが多いが、通勤や接客、家事などをする人:1日に2,000kcal→1食あたり約670kcal
・移動や立ち仕事が多い、休日は積極的にスポーツをする人:1日に2,300kcal→1食あたり約770kcal
50〜69歳女性
上記のそれぞれ1日に必要なエネルギー量から、100kcalずつ少ない量となっています。
(2)1食に必要なたんぱく質量
たんぱく質量は、エネルギー量に対して13〜20%といわれています。たんぱく質1gあたりのエネルギー産生量は、4kcalです。
したがって、1食あたりのたんぱく質量を計算すると、下記のようになります。
・座って過ごすことが多い人:約19〜30g
・座って過ごすことが多いが、通勤や接客、家事などをする人:約21〜33g
・移動や立ち仕事が多い、休日は積極的にスポーツをする人:約25〜38g
(3)1食に必要な脂質量
脂質量は、エネルギー量に対して20〜30%といわれています。脂質1gあたりのエネルギー産生量は、9kcalです。
したがって、1食あたりの脂質量を計算すると、下記のようになります。
・座って過ごすことが多い人:約13〜19g
・座って過ごすことが多いが、通勤や接客、家事などをする人:15〜22g
・移動や立ち仕事が多い、休日は積極的にスポーツをする人:17〜26g
いかがでしたか? ダイエットのためだとしても、極端な栄養制限は健康を損ないます。1食あたりの自分に当てはまる量を把握し、栄養表示成分を活用して、弁当や惣菜を選び、ダイエットや健康維持に役立ててみましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)