THE ALFEE、宇宙戦艦に降臨 「3人なら無限」45年のパワー見せつける<夏のライブレポ>

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2019年08月09日 14:52  Techinsight Japan

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可動式ミニステージで客席後方へ移動するTHE ALFEE(C)上飯坂一
THE ALFEE(桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦)が3日と4日に千葉県・幕張メッセで恒例となる夏のライブを開催した。今年デビュー45年という記念の年に約3年半ぶりのオリジナルアルバム『Battle Starship Alfee』(6月26日リリース)を引っ提げてのライブとなり、両日で22,000人のファンがTHE ALFEEの世界に熱狂した。テックインサイトでは4日を取材した。

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期待に胸を躍らせる満員の観客の拍手に応えるかのように、夏のイベント『THE ALFEE 45th Anniversary Summer Best Hit Alfee 2019 夏の乱 Battle Starship Alfee』が幕を開けた。タイトルにちなみ宇宙戦艦(Battle Starship)をモチーフにした巨大セットからTHE ALFEEが登場、その一部のような可動式ミニステージに3人が乗り、客席後方に移動しながら『宇宙戦艦ヤマト』を披露、一気に彼らの世界に引き込んでいく。

坂崎が「こんばんはー! 2日目が始まりました! 昨日はこの周辺で花火大会がございました。今夜の幕張はアルフィーだけでドッカンドッカンいきたいと思います!」と挨拶すると、大きな声援と拍手で観客が応える。


これまで東京ドーム、パシフィコ横浜、東京国際フォーラムのこけら落としをはじめ、全国各地のホールや野外特設会場でライブを行ってきた彼らにとって、この幕張メッセは意外にも初めてとなる会場だ。坂崎は「デビュー45周年の夏なので3人とも力が入っています。ここはスタンドがないんですね。全体的にフラットなんで毎年やっていた往年の野外ライブに屋根をつけたようですが…」と印象を語ると、桜井も「なんだか野外を彷彿とさせる臨場感があっていいね」と実感を込めた。

ファンにとって夏のイベントの楽しみのひとつが、なかなか聴けないレア曲の演奏だ。「僕らの節目の曲です」とキャニオンレコードに移籍しての再デビュー曲『ラブレター』(1979年)を高見沢もアコースティックギターで演奏した後は、坂崎が「当時から一回も生演奏でやったことがない曲をやろうと。僕らはドキドキしてますが、みんなは多分ポカンとしていると思います。夏にふさわしいこの曲を…」と紹介し、『真夏の夢』(1975年)を初披露した。この日のライブで通算2748本目となるTHE ALFEE。国内バンドの最多記録を更新中だが、まだ演奏していない曲があったのかと驚かせられる。


高見沢が「一番嬉しいのはアルバム『Battle Starship Alfee』が完成してリリースしたこと。アルフィーは間違いなく進化している。歌もギターも。45年バンドが経つとこうなる」と語ったが、本編後半では久しぶりのオリジナルアルバム『Battle Starship Alfee』からも数曲を披露。イントロから壮大な世界観を持つタイトルチューン『Battle Starship Neo』、彼らならではの胸を打つプログレッシブロック『進化論B』、力強く伸びやかな桜井の歌声が心地良く、彼らの出会った頃を振り返ったような『はじまりの詩』、桜井の艶やかなヴォーカルが魅力的な『Rock憂』で会場を魅了した。


このライブでは代表曲『星空のディスタンス』『メリーアン』の他に、THE ALFEEの特色であるさまざまなジャンルの曲で観客を沸かせた。アコースティックやポップス、ロックはもちろん、ハードロックの『受胎悲劇』、演歌の『さすらい酒』、プログレの『DNA Odyssey』や、坂崎がハンドマイクで歌う『CRASH!』、高見沢がヘッドマイクで振り付きで歌い、客席もダンスで盛り上がる『D.D.D!』などそのバラエティさは類を見ない。そこに不動のコーラスが加わり、THE ALFEEサウンドが仕上がる。

楽しい演出も健在で、THE ALFEEならではの息の合ったトークはもちろんのこと、3人が着物姿で「昭和兄弟」となりTHE ALFEEのお祝いに駆け付けて昭和歌謡を披露したり、高見沢が手で頬をゆすりながらカエルの鳴き声を真似すると会場は大爆笑だ。


アンコールの『SWEAT&TEARS』では、当日観客に渡されたLEDオクタブレスレットがピンク色に光り、ピンク色の灯とともにこぶしが一斉に振られた。高見沢は「僕の持論なんですけどね、1人だと限界があるけど3人だと無限な気がします」と語り、「10代で3人で出会って、還暦過ぎても一緒に音楽をやっていける喜びを今夜感じることができました。本当にどうもありがとう!」と感謝を伝えると会場に割れんばかりの拍手が起こった。

最後に「これからの一年一年、ライブの一本一本が大切です。THE ALFEEをよろしく!」と高見沢は呼びかけて今後のライブへ変わらぬ意気込みを見せた。THE ALFEEは毎年恒例の秋の全国ツアー『THE ALFEE 45th Anniversary Best Hit Alfee 2019 秋の乱 Battle Starship Alfee II』を10月3日、府中の森芸術劇場どりーむホールからスタートする。これからますます円熟味を増す3人から目が離せない。

写真撮影:上飯坂一 8月3日に撮影
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)
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