16歳で宝くじに高額当選した女性 「人生が狂ってしまった。購入年齢を18歳以上に」と訴え(英)

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2019年08月11日 05:51  Techinsight Japan

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16歳で宝くじ高額当選を果たした女性(画像は『Mirror 2019年8月1日付「UK’s youngest Lotto winner says she’s proof kids should be banned from playing」(Image: PA)』のスクリーンショット)
イギリスではタバコやアルコール類の購入は18歳、運転は17歳なのに、なぜ宝くじは16歳で購入が可能なのか。2003年、16歳3か月というイギリス史上最年少で宝くじに当選した女性が、英メディア『Mirror』『The Sun』などで自分の人生を語り、「若くして大金を手に入れ、私の人生は狂ってしまった。宝くじの対象年齢を18歳に引き上げるべきだ」と訴えた。

今から16年前の2003年6月、英カンブリア州に住んでいたカリー・ロジャーズさん(現32歳)が16歳で約180万ポンド(現在の為替相場で約2億3,000万円)の国営宝くじに当選した。実の母親との喧嘩が絶えなかったカリーさんは当時、スーパーマーケット「Co-op(コープ)」で時給3.6ポンド(約460円)で働きながら里親のもとで暮らしていたが、当選を機に生活が一変した。

最近実の父親をガンで亡くしたというカリーさんは、その当時をこのように振り返っている。

「里親の家での暮らしは、人生で初めて味わった幸せだったの。当選金は大金過ぎて正直、欲しくはなかった。子供だった私が一日で大人の仲間入りをしてしまったのよ。そしてあの日以来、私の人生が上向くことはなかったわ。お金の管理についてのアドバイスも受けたけど、聞く耳を持たなかったの。」

カリーさんは当選した1週間後には現金で3,000ポンド(約38万円)を手にし、里親のもとを離れて仕事を辞めた。家(バンガロー)を買って、複数のボーイフレンドと付き合った後、当選から数週間後に会った無職のニッキー・ローソンさんと暮らすようになった。食事はテイクアウト、友達がやってきては朝までパーティをして昼まで寝るという生活が続き、人生の目標を失った。

「パブに行ってもお金のために人が集まってきた。好かれようと思ってみんなのためにお金を使った。誰を信用していいのかわからなかった」―カリーさんの生活は荒れ、派手な生活でお金は飛ぶように消えていった。そのお金の使い道は概ね以下の通りである。

・バンガロー(自宅) 18万ポンド(約2,300万円)
・3回の豊胸手術 1万8千ポンド(約230万円)
・服・メイク・タトゥー 30万ポンド(約3,800万円)
・ホリデー(メキシコ、ユーロディズニーなど) 25万ポンド(約3,200万円)
・スポーツカー 8万5千ポンド(約1,100万円)
・友人や家族へのギフト(家を含む) 50万ポンド(約6,300万円)

カリーさんはニッキーさんとの間に2人の子供(現在14歳と12歳)をもうけたが上手くいかなくなり、2009年にうつ病で2度の自殺未遂を起こしたことがきっかけで子供の親権を失った。それでも2010年、消防隊員のポール・ペニーさんと出会い恋に落ちた。その後2人の間には双子が生まれたが1人は死産で、兄弟のブレイク君(7歳)は脳性麻痺で生まれてきた。カリーさんの浪費は続き、2012年にはポールさんと住むための家の頭金に3万ポンド(約380万円)を支払うと、当選金のほとんどを使い果たした。当選から10年経った2013年、カリーさんの預金口座に残っていたのは2千ポンド(約25万円)だけだった。その後カリーさんは再び妊娠し、ジョージアちゃん(3歳)が誕生した。

カリーさんは度々メディアに取り上げられ、コカインに25万ポンド(約3,200万円)を使ってパーティ三昧の生活をしているという噂も流れたが、「それは全くの嘘よ。ドラッグには手を出していないわ。当時、嘘の話をメディアに売って儲けようとする人がいたの。今でも友人や家族に貸した20万ポンド(約2,550万円)は戻ってきていないし、人を心から信用することができないの」と胸のうちを明かした。またカリーさんは昨年、ポールさんと別れ新たに付き合い始めた男性の家で、2人の女性から激しい暴行を受けており、鼻の形成手術もしている。女性2人は有罪判決を受けているが、暴行に至った理由はカリーさんへの嫉妬だそうだ。

現在のカリーさんはシングルマザーとして2人の子供を育てながら、1か月500ポンド(約64,000円)の賃貸アパートで暮らしている。介護スタッフとして働く収入は年に12,000ポンド(約153万円)にしかならないが、それでも今までの人生の中で一番幸せなのだという。パーティなどで散財したお金は戻ってこないが、カリーさんが祖母に購入した家は現在14万ポンド(約1,800万円)の価値があり、別れたポールさんは7年前に購入した8万ポンド(約1,000万円)の家に今も住んでいる。さらにカリーさんは母親にも76,000ポンド(約970万円)で家を購入しており、全ての財産が無くなってしまったというわけではないようだ。

昨年は『The Sun』に「介助が必要なブレイクのためにお金を残しておくべきだった。もしお金があったらブレイクが大好きな‟センサリールーム(感覚を刺激する空間を人工的に創り出した部屋)”を作ってあげたいわ」と語っていたカリーさんだが、現在はコツコツと仕事をしてお金を貯め、欲しいものは誕生日やクリスマスに購入するという切り詰めた生活をしているようだ。

ちなみに、アメリカの数字選択式宝くじ「メガ・ミリオンズ」は18歳未満は購入ができないが、英国営宝くじは16歳から購入が可能だ。カリーさんは自分の経験をもとに、宝くじの購入年齢を18歳に引き上げるよう訴え続けており、英政府は今年7月に、スクラッチ形式やオンラインゲームくじに関しては購入年齢が18歳に引き上げられる可能性を示唆した。しかし高額当選の「ユーロミリオンズ」は16歳でも購入可能という方針を継続する可能性が高く、物議を醸している。

画像は『Mirror 2019年8月1日付「UK’s youngest Lotto winner says she’s proof kids should be banned from playing」(Image: PA)』『Maternity Week 2018年9月20日付「This Woman Won A Fortune Aged Just 16, But Now She Has Confessed Her Greatest Regret」(Image: Instagram/callierogers86)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • 仮に2年後に当選しても何も変わらんだろ。
    • イイネ!366
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