BTS、ドキュメンタリー映画第二弾で見せる“ありのまま”の姿 ファン以外も入り込める内容に

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2019年08月12日 08:01  リアルサウンド

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『BRING THE SOUL: THE MOVIE』(C)2019 BIG HIT ENTERTAINMENT Co.Ltd

 2019年8月7日から18日までの期間限定でBTSのドキュメンタリー映画第二弾『BRING THE SOUL: THE MOVIE』が公開中だ。昨年11月に公開された『Burn the Stage : the Movie』は2017年に行われた『2017 BTS LIVE TRILOGY EPISODE III THE WINGS TOUR』のドキュメンタリーだったが、今回は2018年に開催された『BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF’』に密着したドキュメンタリー。本コンサートツアーは8月25・26日のソウルオリンピックスタジアム公演から始まり、ハミルトンでのカナダ公演を含むアメリカツアー(ロサンゼルス・オークランド・フォートワース・ニューアーク・シカゴ・ニューヨーク)、続くイギリス・ロンドン、オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリン、フランス・パリでヨーロッパツアーが行われた。実際はこの後に日本でのドームツアー9公演を含む台湾・香港・シンガポール・タイでのアジアツアーが続けて行われたが、このドキュメンタリーで取り上げられているのはアメリカ・ヨーロッパツアーのみである。


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 前作の『Burn The Stage』はもともとYouTubeプレミアムで放送されたドキュメンタリードラマシリーズだったということもあり、ナレーションモノローグなどでよりドラマチックな演出が施されており、コンサートドキュメンタリーというよりも、コンサートを通して「BTSとはどのようなグループなのか」、あるいは個々のメンバーの内面に迫るような構成になっていた。一方、今回の『BRING THE SOUL』はモノローグやナレーション等の演出は一切なく、ひたすらコンサートの裏側や合間のメンバーたちの日常を映した、より純粋な「コンサートドキュメンタリー」という印象だ。


 映画のファーストシーンはヨーロッパツアーの最終公演だったパリでのコンサート後の打ち上げ会場から。初のスタジアム野外公演でありながら、天候の事情でリハーサルがほとんどできなかったというソウル公演を回想するような場面で始まる。映画はそこからアメリカ・ヨーロッパと飛行機での移動からリハーサル、ホテルでの姿や仕事の合間に気分転換に外出する姿などがありのまま撮影されている。また、アメリカ公演の間にレコーディングアカデミーでトークライブを行った様子も収録されていた。特にモノローグや特別な演出が加えられていないこともあるかもしれないが、前回のツアードキュメンタリーと比べてメンバー達の姿はかなりリラックスしているように感じる。今でもライブ前は緊張するとJINが語る場面はあるが、『BBMA(Billboard Music Awards)』に初めて呼ばれた時の力みやナーバスに見えた緊張感とはまた少し違って、「長期間のコンサートツアーをいかに均等に、怪我や体調不良なく乗り切るか」ということに気を配るプロらしい姿も見られた。大規模な会場での欧米圏を含めた「ワールドツアー」というものがある意味彼らの生活サイクルに適合してきたのだろうか。


 しかし同時に韓国からは10時間以上ものフライトで、さらに国内でも繰り返し細かい飛行機での移動が必要な欧米圏でのツアーで避けることが難しい体力的・メンタル的な問題も描かれていた。今やプライベートジェットでの移動は当たり前であり、ツアーの合間にも体力づくりのためジムに通っているようだが、やはり「フライトが一番きつい」と漏らす姿も見られた。時差や気圧差が肉体に及ぼす影響や感染リスクの高まりは一般的にも知られているが、実際ツアーの中で誰かしらが風邪をひいていたり、声が出なくなるなどトラブルもあったようだ。当時ツアー中にSNS上のファンの間でメンバーが怪我でパフォーマンス出来ない公演があったり、「○○が声が出なかったようだ」というようなレポートも見かけていたため、この映画を見ることである種の答え合わせもできるかもしれない。


 ライブの合間に挟まれる各国のファン達の反応は、日本や韓国のファンと何ら変わることはない。ライブ中に彼らを見る目線も「自分たちの“アイドル”を見つめるファン」そのものだ。レコーディングアカデミーでのトークライブの観客も、ほとんどが彼らのファンのようだった。こうしてみると、日本を含むアジア圏ではすでに10年以上も前から「他人種・他文化のアイドルを自国のアイドルと変わらずに愛し、ファン活動をする」というカルチャーは定着しているが、この楽しみを欧米圏の人々も、今ようやくある程度のメジャーカルチャーとして享受し始めていて、その大きなきっかけとなったのがBTSなのかもしれない。「アイドル」というものがパフォーマンスや楽曲だけではなく全人格的に愛されて支持され、消費される存在であるとするならば、ある意味で現代の音楽やエンターテインメントの分野において、最も文化や言語の壁を越えやすい「ジャンル」こそまさにアイドルなのかもしれないと感じた。


 今回は『Burn the Stage』よりも演出が少なく、より純粋なドキュメンタリーのような仕上がりになっている、と記載した通り、彼らのファン以外にとっても入り込みやすい内容になっている。BTSの海外での活動や人気に少しでも興味があったり、コンサートドキュメンタリーそのものに興味があるという人にもおすすめしやすい内容と言えるのではないだろうか。また、『Burn the Stage』は先にYouTubeプレミアムでドキュメンタリーシリーズが先に公開された後、再編集された映画版が公開されたが、今作は先に映画版が公開された後、メンバー個人のインタビューなどさらにファン向けの内容を加えたドキュメンタリーシリーズとして、Weverse(BigHitが運営する所属アーティストのファンのみが集まる専用SNSアプリ)にて独占公開されるとのことだ。(DJ泡沫)


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  • ドキュメンタリー映画には、原爆Tシャツ騒動も出て来るんですか?
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