飲み物などで内蔵が冷えると、消化管をあたためるためにエネルギーが必要になります。消化と吸収をするだけでもエネルギーを消費しますが、冷たいものばかりを飲食していると、余計にエネルギーが必要となるのです。
そのため、冷たいものばかり摂っていると、だるさや疲れの原因につながってしまいます。
内蔵の冷えにより、免疫力が低下することもわかっています。腸は、食べ物と一緒に体内に入ってきた異物をとり除く働きがあります。冷えて、その働きが低下すると、免疫が低下してしまいます。
腸は「第二の脳」ともいわれており、腸にやさしい生活をすることが健康の秘訣です。管理栄養士の筆者が、夏に冷たいものを食べる時のコツをご紹介します。
■夏に冷たいものを食べる時のコツ3つ
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(1)あたたかいものを一緒に飲食する
先にスープなどのあたたかいものを摂ってから、冷たいものを摂るようにしましょう。
冷たいものを摂ると、口にした時点で脳に「冷たい」という信号が伝わります。したがって、まずはあたたかいものや常温のものから食べ始めることがおすすめです。
(2)冷たいものだけをとらない
ジュースなどだけではなく、アルコール類も要注意です。特に、夏場は冷たい飲み物が欲しくなりますよね。
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一緒に食べる副菜や、おつまみを温かいものにすると良いでしょう。基本的に「火が通ったもの」を選ぶようにしておけば、OKです。
(3)「身体を温める食材」を積極的にとる
食材は、その性質により、身体を「温めるもの」「中間のもの」「冷やすもの」の3つに分類できます。
温める食材
・もち米・ライ麦・黒砂糖・栗・くるみ・そら豆・納豆・ぶり・うなぎ・あじ・さば・いわし・羊肉(ラム肉など)・チーズ・玉ねぎ・にんじん・れんこん・かぼちゃ・みょうが・しし唐辛子・ねぎ・にんにく・わさび
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中間の食材
・米・とうもろこし・いも類・ごま・ピーナッツ・大豆・えんどう豆・ひらめ・たちうお・牡蠣・いか
冷やす食材
・そば・小麦・白砂糖・豆腐・牛乳・バター・海藻類・バナナ・パイナップル・マンゴー・メロン・梨・すいか
いかがでしょうか。身体を温める食材には、野菜類が多いですね。身体を温かくする食べ物を摂ると、血液循環が良くなると報告されています。そして、一度身体が冷えても体温が回復しやすいという報告もあります。
夏は身体を冷やしがちです。ちょっとした工夫で、冷えから身体を守りましょう!
(フリーランス管理栄養士 今井尚美「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)