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F1 Topic:なぜレッドブルはアルボンを選択したのか。『ガスリー降格人事』に見えるチームの思惑

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2019年08月15日 17:01  AUTOSPORT web

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写真2019年F1第8戦フランスGP アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1第8戦フランスGP アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
 8月12日(月)にレッドブルが発表した『ピエール・ガスリーの降格』人事。開幕前からクラッシュし、シーズンには入ってからもチームメイトのマックス・フェルスタッペンから大きく遅れを取っていたガスリーに対するこの決定は、大方が予想していたことだった。

 その一方で、ガスリーに代わってレッドブルのステアリングを握るドライバーがアレクサンダー・アルボンになったことは、必ずしもみんなが予想していたことではない。なぜ、レッドブルはアルボンを選択したのか。

 まずガスリーに代わって、レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになる可能性があるドライバーはアルボンのほかに誰がいたのか。ひとりはトロロッソでアルボンのチームメイトを務めていたダニール・クビアトだ。アルボンが5回の入賞で合計16点を獲得しているのに対して、クビアトは6回入賞し、獲得ポイントも27点とアルボンを回数、点数で上回る成績を夏休み前までに残している。第11戦ドイツGPではトロロッソ史上2度目となる表彰台を獲得した。

 このとき、筆者はフランツ・トスト代表に「もし、ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がクビアトを再びレッドブルに引き抜こうしたら、あなたは同意しますか?」と質問し、トスト代表も「もちろん、彼にはその能力が備わっている。彼はいろんな経験を積み、もう一段階高いレベルのドライバーになった。レッドブルはトロロッソと違い、チャンピオンシップを争うトップチームだからだ。常に勝利を目指してレースする別次元のスキルと、トロロッソとは比較にならないほど、多くのプレッシャーに打ち勝たなければならない。いまのダニールにはその能力が備わっていると思っている」と答えていた。

 だが、今回レッドブルはクビアトに白羽の矢を立てなかった。それをレッドブルに詳しいある関係者は次のように語る。

「クビアトは一度、レッドブルをクビにされた経験がある。もし今回昇格させたものの、再びパフォーンスが奮わなかったら、それこそレッドブルにとっては目も当てられない事態となる。それだけは避けたかったのではないだろうか」

 クビアト以外に、レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになる可能性があるのは、レッドブル系チーム以外の他チームにいるドライバーたちだ。ただし、レッドブルは伝統的にレッドブルの育成システム以外から起用しないことを考えると、噂に上がっているフェルナンド・アロンソ、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)らは現実的ではない。しかし、ブレンドン・ハートレーやクビアトのようにかつて育成システムにいたドライバーを再雇用する可能性はある。その候補として考えられるのはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)やダニエル・リカルド(ルノー)だ。しかし、この3人をシーズン途中で引き抜くことは事実上、不可能だ。

 つまり、アルボンという選択肢は、現状考えられる最良のカードだった。そのことは、レッドブルが8月12日に出したリリースを読むと理解できる。このリリースでレッドブルはガスリーとアルボンをトレードのような形で入れ替えることを発表したうえで、こうも述べていた。

「この決定については、2020年以降のフェルスタッペンのチームメイトとして誰を起用するのがいいのかを決定するために、アルボンのパフォーマンスを評価することが目的となっている」

 このことからも、今回のレッドブルの決定は、「フェルスタッペンのチームメイトとしてアルボンが誰よりも相応しい」というものではないことがわかる。現在、レッドブルは2020年にフェルスタッペンのチームメイトになるべきドライバーには誰が相応しいのかを調査しており、アルボンはそのひとりで、残り9戦でそれを評価するというわけだ。クビアトに関しては、すでに評価が済んでいるというのがレッドブル側のスタンスで、それは過去にレッドブルで一緒に仕事したことがあるベッテルとリカルドについても同様だろう。

 つまり、レッドブルは2019年の残り9戦を2020年へ向けた準備に使用することを意味する。それはすなわち、フェルスタッペンは2020年もレッドブル・ホンダのステアリングを握るということにほかならない。

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