Netflix、『ゲーム・オブ・スローンズ』のクリエーターと200億円超の大型契約

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2019年08月17日 07:21  リアルサウンド

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 米国のTV局HBOの人気テレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の製作を手掛けたデイヴィッド・ベニオフ氏とダニエル・ブレット・ワイス氏が、Netflixと大型契約を結んだことが分かった。


(参考:Netflix『13の理由』自殺シーン削除の理由 制作サイドのコメントも


・新作リリースは数年後、壮大なストーリー
 『TechCrunch』によると、この契約は複数年で、契約金額は2億米ドル(約210億円)だという(参考:https://techcrunch.com/2019/08/08/netflix-signs-multi-year-deal-with-game-of-thrones-showrunners/)。


 これは、ライアン・マーフィーの3億米ドル(約315億円)やションダ・ライムズの1億米ドル(約105億円)に匹敵する大型契約だ。実際の作品が完成するには、数年を要すると思われる。


 Netflixコンテンツオフィサーのテッド・サランドス氏は「物語作家の巨匠であるデイヴィッド・ベニオフ氏とダニエル・ワイス氏をNetflixに迎えることができて嬉しく思います。創造力があり、壮大なストーリーテリングで世界中の視聴者を魅了しています。彼らの想像力がメンバーに与える影響が楽しみです」と述べている(参考:https://www.hollywoodreporter.com/live-feed/game-thrones-creators-close-200m-netflix-deal-1230119)。


 今回の契約について、デイヴィッド・ベニオフ氏とダニエル・ブレット・ワイス氏は、下記のような共同声明を発表した。


「10年以上にわたりHBOで走り続けてきたなかで、いつも家族のように接してくれた全ての人々に感謝します。数か月間、じっくりと時間をかけて話し合ってきました。Netflixがつくりあげたものは、驚異的で前例のないものであり、私たちをチームに迎えてくれたことを光栄に思います」


・各社争奪レース、最終局面で大どんでん返し
 ベニオフ氏とワイス氏は、これまでにディズニーやAmazonとも話し合いを行ったというが、争奪戦になり、HBOは予算的な折り合いがつかずに早々に離脱し、最終的にはNetflixと契約するに至った。


 先述の記事によると、7月上旬にNetflixがオファー金額を上乗せするまでは、Amazon Studiosが最有力だったという。つまり過去数週間のうちに、舞台裏では大逆転劇があったことになる。


 ベニオフ氏とワイス氏は、ディズニーが所有するルーカスフィルムの新たな『スター・ウォーズ』三部作をて手がけるべく、2022年の公開に向けて始動しており、ディズニーとの関係はこれからも深いままだろう。


 『Hypebeast.com』は「この画期的な契約により、NetflixはHBO / WarnerMedia、Disney、Comcast、Amazon、Appleなど他の主要メディアネットワークを打ち負かした」と報じた(参考:https://hypebeast.com/2019/8/netflix-signs-game-of-thrones-creators-to-overall-film-tv-deal)。


・作品の全貌は予測不可能、今後の発表に期待
 デイヴィッド・ベニオフ氏は48歳で、妻は女優のアマンダ・ピート。映画『25時』の原作・脚色、『トロイ』の脚本を手掛けた経歴がある。共同で仕事を行うダニエル・ブレット・ワイス氏とは学生時代からの仲で、二人は多くのプライムタイム・エミー賞を受賞している。


 『ゲーム・オブ・スローンズ』(原題:Game of Thrones)は、ジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作とした73話からなる群像劇で、2011年4月から2019年5月まで放送された。


 中世ヨーロッパの様な舞台に、コンピューターグラフィックが施され、人々と共に、架空の動物等も登場する世界観が『ゲーム・オブ・スローンズ』の特徴だ。『トロイ』(原題:Troy)は、古代ギリシアを舞台にした歴史戦争映画。そして『25時』(原題:25th Hour)は、現代のニューヨークを舞台にした、麻薬密売人の物語で、どれも趣を異にしている。


 今回の移籍劇を経て、ベニオフ氏とワイス氏のコンビが、Netflixでどのような物語を紡ぎ出すのか。新たな表現の場を活かした、彼らならではの作品が世に出ることを期待したい。


(Nagata Tombo)


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