N国・立花孝志のマツコ攻撃を放置するメディアの危険! N国を猛プッシュするAbemaTV、百田尚樹ら安倍応援団とも接近

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2019年08月17日 17:10  リテラ

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リテラ

「NHKを国民から守る党」ホームページより

 NHKから国民を守る党による「マツコ攻撃」が大きな話題を集めている。『5時に夢中!』(MXテレビ)7月29日放送でマツコ・デラックスが「気持ち悪い」「ふざけて(票を)入れている人も相当数いるんだろうな」と発言したことに対して、N国・立花孝志代表が激怒。12日には同番組の生放送中にMX前に登場し、「コソコソせずに出てきたらいい」「マツコ・デラックスをぶっ壊〜す!」などと抗議をおこなった件だ。



 さらに立花代表は13日に「崎陽軒のシュウマイは買いません。マツコ・デラックスが謝罪するまでは…」という動画を配信し、崎陽軒が『5時に夢中!』の番組スポンサーの1社であることから不買運動を宣言。これに対し、ネット上では崎陽軒のシウマイを買って投稿する人や崎陽軒愛を語る人などが相次ぎ、ついには崎陽軒がトレンドワードに。カンニング竹山が〈崎陽軒のシウマイ弁当を意識的に買う〉と投稿したり、大リーグ・シカゴカブスのダルビッシュ有投手までもが〈崎陽軒に罪はない気がする笑 てか良く新幹線乗るとき買ってたなー。また食べたい〉と投稿するといった騒動になっている。



 多くの人が立花代表の不買運動に反発したのもよくわかるが、これだけ大きな話題になって、ついには崎陽軒のシウマイがネタ化していること自体、立花代表に踊らされてしまっている状態なのではないか。



 そして、すっ飛ばしてはならないのは、そもそもの立花代表の言動だ。タレントのコメントに対して、政治家がテレビ局まで押しかけて一個人を攻撃する抗議活動をおこなうというのは、自由な言論を権力によって弾圧する行為にほかならない。



 だいたい、立花代表が問題視するマツコの発言は、正当な批評の範疇のものだ。以下に、マツコのコメントを書き起こそう。



 番組では東京スポーツの記事を抜粋し、N国が政見放送で繰り広げた「NHKをぶっ壊す」のフレーズが小学生のあいだで流行っているという話題を取り上げた。こうしたN国の印象について、マツコはこう語った。



「ま、あのー、うーん……これからじゃないですか? この人たちが本当にこれだけの目的のために国政に出られたら、それで税金払われたら、受信料もそうだけど、そっちのほうが迷惑だし、一体これから何をしてくれるか、判断しないと。いまのままじゃ、ね、ただ気持ち悪い人たちだから」

「(「票数が伸びた要因は何だと思うか」と尋ねられ)……さあ(苦笑)。なんだろ、冷やかしじゃない? もちろん、だから受信料を払うことに対して疑問を持っている、真剣にそう思っている人もいるだろうけど、なんか、ふざけて入れている人も相当数いるんだろうなあとは思う」

「(「国民の懐疑点に訴えかけるならあの政見放送はないよね?」という意見に対して)そうそう。だから逆に言うと、じゃあ真面目にNHKの受信料問題について語ったとして、そしたらここまで話題になったかってなると、難しいから、あの気持ち悪い政見放送で、それで効果が出たっていう意味もあるよね」

「(政見放送での「NHKをぶっ壊す」と言うときの立花代表の表情の話題になり)あの、ちょっと宗教的な感じもあるんだと思うんだよね。その、『NHKぶっ壊す』教、みたいな。(物真似しながら)『NHKをぶっ壊す!』っていう、あのちょっと気持ち悪い、この人も気持ち悪いんだけど、女性が何人かすごい人がいたよね(笑)。あ、だからこうやって結局、楽しんで観ちゃっている側面はあるわけじゃないですか。だから、こうやってなんか、騒いじゃってる時点でもう、ある意味、彼らの思うツボなのではないかなと」



●N国・立花孝志の言論弾圧をまともに批判せず面白がるメディア



 極めて常識的なコメントだろう。あの悪ノリを煮詰めただけの政見放送に対して「気持ち悪い」と論評することはごく当然のものであって、あれを「政党として真っ当」などと受け止めることは政治の劣化を正当化する行為だ。何より、立花代表は国会議員という公人であり、N国は政党助成金も受け取る公党なのだから、この程度の批判にさらされるのは、民主主義国家なら当たり前の話だ。



 さらに、立花代表はマツコのコメントを「有権者をバカにする発言」だと批判するが、それを言うなら、政見放送で、NHKの体制批判とは関係ない恋愛スキャンダルを連呼することのほうがよっぽど有権者をバカにしている。しかもマツコはN国に対して「これから何をしてくれるか判断しないと」と留保しており、批評として手ぬるいくらいだ。



 N国はMXが政治的公平を定めた放送法4条に違反している可能性があるなどと主張しているが、この程度の批評コメントで放送法を盾にして政治家がテレビ局やタレントに圧力をかけるべくテレビ局に押しかけるなど、言語道断と言っていいだろう。



 いや、それどころか、立花代表はマツコを攻撃する動画のなかで「国会議員がいち民間人をいじめていいのかって言ったら、いいに決まってるでしょ!」「国会議員としてではなく、いちジャーナリストとして言っています」などと道理の通らない主張をし、その上、マツコについて「ブクブク肥えとる」「男か女か正直わかりません。この人ね」などと発言。あろうことか国会議員が、人の容姿や性的指向でもって誹謗中傷するとは、到底看過できないことだ。



 このように、政見放送からも露見していたことだが、立花代表には国会議員が持ち合わせるべき最低限の品格・知性など微塵もないことは誰の目にもあきらかだが、問題は、こうしたN国の姿勢を面白がるメディアの存在だ。



 実際、N国が参院選で議席を獲得すると、『とくダネ!』(フジテレビ)が立花代表を生出演させたほか、他のワイドショーやニュース番組も嬉々としてN国を取り上げた。そんななかでもN国を猛プッシュしているのが、AbemaTVだ。



●N国・立花を猛プッシュするAbemaTV、百田・上念ら安倍応援団も急接近



 AbemaTVが放送する『AbemaPrime』では、統一地方選後からいち早く立花代表を出演させていた。さらに、参院選投開票日の選挙特番にも当確前からスタジオ生出演させ、参院選から2日後にも生出演。その後も8月1日放送回に登場し、ひろゆき氏らとネット炎上問題について語り合うなど“おなじみの顔”になりつつある。ようするに、“キャラ立ちした政治家”として面白がっているのだ。



 だが、立花代表やN国は“珍キャラ”“おもしろ政党”などと扱うことは非常に危険だ。本サイトで以前、指摘したように、N国はネトウヨ、ヘイトの巣窟で、実際、統一地方選で当選した議員のなかには在特会らと行動をともにし民族差別を煽動した中曽ちづ子・川西市議など、極右レイシストが複数いる。また、立花代表自身も、森友問題で部落差別デマを吹聴したり、元NGT48・山口真帆の動画を名誉毀損丸出しの手法で拡散させるなど、数々のデマを喧伝してきた人物だ(過去記事参照https://lite-ra.com/2019/07/post-4871.html)。



 それだけではない。立花代表は「安倍晋三首相がやろうとしている憲法改正の発議に賛成するという条件というか、協力することを武器に、スクランブル放送を実現したい」と発言しているとおり、安倍政権の補完勢力として改憲に協力する姿勢を見せている。しかも12日には、百田尚樹氏のネット番組にも出演し、百田氏や有本香氏、上念司氏といった極右安倍応援団とも急接近。百田・有本・上念の3氏は、例の安倍親衛隊による報道圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」の役員も務めている。



 この調子だと、スクランブル放送が実現せずとも改憲勢力に加わり、安倍応援団に仲間入りして報道の自由に圧力をかける尖兵になる、そんな可能性も十分にあるだろう。



 今回のマツコ攻撃については、地上波のニュース番組やワイドショーも、立花代表の攻撃ターゲットにされたくないからか、騒動を無視しN国に対しまともな批判をしていない状態にある。しかし、メディアや社会が立花代表とN国を無批判に“おもしろキャラ”としてネタ消費していると、政治はさらに劣化し、報道圧力がまかり通る国を加速させる危険性さえある。マツコ攻撃騒動をおもしろがっていては危ないと、あらためて警鐘を鳴らしておきたい。



(編集部)


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  • おかしくない?ラテラ駄文を全部読む気にはならんが、冒頭を見る限り喧嘩売ったのはマツコの方じゃね?
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