ホーム > mixiニュース > IT・インターネット > インターネット > 懐かしきパソコン通信の時代

【わが青春のインターネット】ねえねえ、おじいちゃん、おばあちゃん。パソコン通信で出会ったってほんと?

454

2019年08月19日 18:03  ねとらぼ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ねとらぼ

写真当時出版されていたパソコン通信関連書籍(コグレさん提供)
当時出版されていたパソコン通信関連書籍(コグレさん提供)

 今では“ネット”といえば、ほとんどの人がインターネットを思い浮かべるでしょう。しかし、まだインターネットが一般的でなかったころ、“ネット”といえば「パソコン通信」が主流でした。



【画像:今も稼働するパソコン通信ホストの1つ「はんぞーBBS」】



 「パソコン通信」とは、主に1980年代半ば〜1990年代ごろに流行していた、いわばインターネットの前身のようなサービス。今と比べると回線速度も遅く、あくまで文字によるやりとりが中心でしたが、それでもネットを通じて別の世界・別のユーザーと「つながる」体験は新鮮で、多くのユーザーがその虜になりました。



 果たして“インターネット前夜”のネットとはどのような場所だったのか。パソコン通信を通じて「プログラミングの師匠」と出会ったという人、チャットがきっかけで遠距離恋愛に発展して結婚し、今では孫がいるという人――。当時リアルタイムで熱中していたユーザーに取材しつつ、懐かしきパソコン通信の時代を振り返りました。



●パソコン通信って、インターネットとは違うの?



 真っ黒な画面に、文字だけで構成されたメニュー画面。BBS(掲示板)を見たい時は「B」、チャットを使いたい時は「C」など、各機能にアクセスするにはキーボードでコマンドを打ち込みます。当時は時間に応じて接続料金が発生する仕組みだったため、一通り巡回したらすぐに回線を切断。あらゆるサイトが1つの網(Web)でつながっているインターネットと違い、パソコン通信の時代には個々のホストはまだ独立していて、新しいホストにアクセスする場合には、毎回回線を切ってつなぎ直す必要がありました。



 代表的なホストといえば、特に利用者が多かったのが「NIFTY-Serve」「PC-VAN」といった企業運営のもの(NIFTY-Serveは現在のニフティ、PC-VANはBIGLOBEのそれぞれ前身)。また、個人が運営する「草の根BBS」も無数にあり、全国の草の根BBSをまとめた『BBS電話帳』などを見ながら、自宅と距離が近く(接続するには電話代がかかるため)自分と趣味が合ったホストを探すのも楽しみの1つでした。



 今のインターネットに比べると回線速度も遅く、画面構成は驚くほどシンプル。インタフェースも決して使いやすいとはいえません。県外にあるホストについ長時間アクセスしてしまい、高額な電話代を請求された――といったことも。しかし、「パソコンと電話回線を使って誰かと通信する」という概念がまだなかった時代、「画面の向こうの誰かとつながっている」という感覚は新鮮でした。



●チャットがきっかけで遠距離恋愛、そして結婚へ



 今回、パソコン通信についての思い出を読者から募集したところ、多かったのが「パソコン通信がきっかけで結婚した」というもの。Twitterユーザーのまなさんもその1人で、今では孫も生まれているといいます。



 まなさんがパソコン通信を始めたのは1996年。久美沙織さんの『ありがちのラブ・ソング』という小説がきっかけで興味を持ち、趣味のパッチワークや「ポケットモンスター」の情報を集めるために利用を始めたそうです。



 最初に出会ったのは1996年の2月。きっかけはNiftyのチャット(CBシミュレーターと呼ばれていた)で、たまたま二人とも椎名誠のファンで懸賞好きだったことから話が弾み、やがて毎日何時間もチャットで会話をする仲に。はじめてリアルで対面したのは9カ月後でしたが、それまでほぼ毎日のようにチャットしていたため、お互い「はじめまして」なのにまったく違和感はなかったといいます。



 そこからは普通に遠距離恋愛がスタートし、約1年後の1997年12月に2人はゴールイン。普段はチャットや電話でやりとりしながらデートを重ね、10回目のデートで入籍したそうです。



 チャットで異性とやりとりすることについて、当時はどういう感覚だったのでしょうか。



「もともと女性の趣味友達と文通したりしていて、それがスピードアップしただけなのでだけで特に違和感はありませんでした。私はかなりタイピングが早い方なのですが、夫も負けないくらい早くて、チャットでも会話のキャッチボールがちゃんと成立してたのが大きかったですね。また、夫はとにかく聞き上手だったので、おしゃべりが過ぎる私とは相性が良かったのかもしれません」



 一方、旦那さんの方は両親にかなり反対されたそうで、2カ月ほど「親と一切口を利かない」期間を経て、「絶対に結婚する、家は出ていく」と宣言し、ようやくそれで両親の方が折れてくれたとのことでした。ちなみにまなさんの方は、全部決まってから両親に報告したものの、両親に旦那さんを紹介したところ、ひと目で気に入ったようで、あとはトントン拍子だったそうです。



 それにしても、チャットがあったとはいえ、やはり現実に会って話したくはならなかった?



「会いたくない訳がないですよ(笑)。でも、なかなか会えないからこそ結婚までが早かったのかもしれませんね」



●パソコン通信で「プログラミングの師匠」と出会った



 TwitterユーザーのGILさんの場合、はじめてパソコン通信に触れたのは1985年、GILさんが小学校高学年のころでした。当時アスキーが出版していた雑誌「パソコン通信」をきっかけに興味を持ち、両親にモデムを買ってもらい、同じくアスキーが運営していた「アスキーネット」に登録。見知らぬ人たちと、ネットワークを通じてやりとりできることに「未来が来た!」と感動したそうです。



「ネットワークを通じて情報を得られる仕組みがあるというのは知っていたのですが、あくまでそれは専用端末の話です。個人のパソコンでそれができる日がこんなに早く来るとは思っていませんでした」



 アスキーネットでは日夜、掲示板巡りやチャットに興じていましたが、翌年(1986年)、オンラインゲームの「ローグ」(「不思議のダンジョン」系ゲームの始祖。アスキーネット上で遊ぶことができた)にうっかりハマってしまい、月の電話代が10万円を突破。両親に激怒され、アスキーネットは退会させられてしまいます。しかし、その後もNIFTY-Serveや草の根BBSへと活動拠点を移し、パソコン通信自体は継続。好きだったアーケードゲームの情報収集などに活用する傍ら、後に「プログラミングの師匠」と呼ぶようになる人と出会います。



「95年に僕は社会人になり、ゲームプログラマーとして働くようになりました。当時、まだキャラクターを床に立たせることすらできず、途方に暮れていた自分に、その人は教科書には載っていない『プロが使う方法』を教えてくれました。その後も描画を高速に行う方法、メモリを効率よく管理する方法など、その人からは本当に多くのことを教わりました。一度『なぜ名前も顔も知らない自分に貴重なノウハウを教えてくれるのか』と聞いたことがありましたが、師匠の回答は『別にあなたを特別扱いしているわけではない。知りたい人には誰にでも教えるし、世の中のゲームの水準が上がるならいくらでも教える』というものでした」



 GILさんには他にも数人、パソコン通信を通じて出会った「今の自分があるのはこの人のおかげ」といえる人たちがいたといいます。しかし、当時やりとりしていた草の根BBSはある日(97〜98年ごろ)前触れもなく消滅。それまでに会っていた何人かを除いては、そのまま音信不通になってしまいました。今でも「自分が作ったゲームを1つでも遊んでくれただろうか……?」と時折思い返しつつ、GILさん自身もまた、誰かに質問された時には、惜しみなく何でも答えるようにしているそうです。



●今も残る草の根BBS



 90年代後半になり、インターネットが広く使われるようになっても、よりディープな情報収集やコミュニケーションの場として、パソコン通信はしばらくは使われ続けていました。しかし2000年が迫るころには、それまで無数にあった草の根BBSも次々と消滅していき、最大手だったNIFTY-Serveも2006年にとうとうサービスを終了。こうしてパソコン通信の時代は幕を閉じました。



 しかし、そんなパソコン通信の記憶を現代に残そうと、今も草の根ホストを運営している人がわずかに残っています。「はんぞーBBS」を運営するはんぞーさんもその1人。一度はホストを閉鎖したものの、2013年になって運営を再開。たまたまインターネットでパソコン通信についての記事を見かけ、「懐かしいな」と思ったのが復活のきっかけでした。



「私のように、パソコン通信を懐かしく思う人たちが集まったら面白いなと思って復活させました。訪れてくれた人の中には『生まれた時には既にインターネットしかなかった』という人もいて、いろんな方に興味を持ってもらえたのがうれしかったです」



 こうした草の根BBSは、はんぞーさんを含め、今でも数人が運営を続けています。はんぞーさんに、今のインターネットと比べて、パソコン通信の良かったところを聞いたところ、こんな答えが返ってきました。



「動画や絵などをふんだんに使用できるインターネットと違い、パソコン通信は原則、テキストのみのやりとりになります。自分の思いをどうやって文字のみで相手に伝えるかを考えるのが楽しいんです」



【連載「わが青春のインターネット」】



この記事は、ねとらぼとYahoo!ニュースの共同企画による連載記事です。平成時代とともにに生まれ、育ってきたインターネット。これまで約30年、さまざまなWebサービスや出来事、有名人が生まれては消えていきました。かつて一世を風靡した「あのサービス」を振り返り、同時に今のネットの問題点を考えることでWebの栄枯盛衰や怖さを伝えつつ、失われることのないネットの楽しさの本質に迫っていきます。そして、令和時代のインターネットの将来について考えていきます。


このニュースに関するつぶやき

  • 後藤久美子が高一の時に放映されたTBSの、日立三時間スペシャルドラマ「空と海をこえて」のコミュニティーはミクシィにありますよ����ʴ򤷤�����「空と海をこえて」で検索。こえて は平仮名で。
    • イイネ!1
    • コメント 1件
  • 私が加入してたパソコン通信会社の社長は愉快な人で、毎晩チャットに登場してはアホ話やエロ話を炸裂し、そして自らサーバーエラーで落ちていくという、お茶目極まりない人だった(笑)
    • イイネ!64
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(254件)

あなたにおすすめ

ランキングIT・インターネット

前日のランキングへ

ニュース設定