インハイでの敗北、メンバー落ちの悔しさを胸に…前橋育英が「COPA SEIRITZ」3連覇を達成!

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2019年08月19日 19:12  サッカーキング

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前橋育英が「COPA SEIRITZ」3連覇を飾った [写真]=松尾祐希
インターハイやクラブユース選手権が終わり、夏休みも残りわずか。年末年始に開催される高校サッカー選手権の地区予選も開幕し、各チームは最後の戦いに向けて新たなスタートを切っている。各高校は全国各地のフェスティバルに参加し、新たな選手の発掘や育成に余念が無い。

 静岡県の時之栖スポーツセンターで8月15日から17日まで行われた『COPA SEIRITZ』も、その一つだ。

「この大会を立ち上げた理由はトップチームの強化。ただ、下のチームにいる選手たちにも良いピッチで良い相手とゲームをさせて、強化ができれば良いなと思っていました。加えて、普段は高体連とクラブが別れて戦うことも多い。その中でお互いが切磋琢磨しながら強化できれば良い」

 主催する成立学園の森岡幸太コーチが話した通り、今大会の狙いは選手の育成。出場をBチームだけに絞っているのもそうした側面が大きい。実際に2015年大会では、当時2年生だった青森山田の三國スティビアエブス(現・順天堂大)が出場。時之栖での経験をその後の活躍に生かした選手も少なくない。



 今回は16チームが参戦。総当たり方式の4チーム×4組のグループリーグで予選を実施し、2日目の午後からは順位ごとにリーグ戦を行った。

 15回目を迎えた大会において、清水エスパルスユース、前橋育英、青森山田、成立学園が1位リーグに勝ち進んだ。そして、2戦目を終えた時点で優勝の可能性を残したのは2連勝の前橋育英と1勝1分の清水。そのため、最終戦に用意された両者の対戦は事実上の決勝戦となった。

 30分ハーフで実施された試合は、序盤から互いに攻撃を仕掛ける展開となる。前橋育英はテンポの良いパスワークとサイドアタックで好機を創出。とりわけ、今夏のインターハイに出場した久林隆祐が本職のFWではないボランチで効果的にボールを散らし、左サイドハーフの白石郁哉は得意のドリブルで相手の守備陣を慌てさせた。一方の清水は、小塩拳生が最前線で奮闘。複数人のマークをものともしないボールキープで起点となり、隙あらば単騎でゴールを狙った。







 互いに一歩も譲らず、0−0で迎えた後半。前橋育英が均衡を破る。44分、ショートカウンターで一気に攻め込むと、左サイドでボール受けた白石がゴールを陥れて先制点に成功。これで勢い付いた前橋育英は55分にPKを獲得すると、再び白石が決めて勝負に蹴りを付けた。チームの指揮を執った前橋育英の櫻井勉コーチも、「初戦で青森山田に敗れたインターハイを現場で経験した選手もいて、トップチームから落ちた悔しさを感じていたと思う。そこに下のチームから這い上がろうとしている選手がうまく融合してくれた」と充実の表情。彼らの奮戦に目を細め、今後の成長に期待を込めた。





 大会史上初となる前橋育英の3連覇で幕を閉じた「COPA SEIRITZ」。夏の経験が冬の飛躍につながるか注目したい。

取材・文=松尾祐希

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