20代の捨てられない思い出、過去の恋愛、三日坊主のアイテム、蓄積された趣味のコレクション、不安の数だけ溜まるストック商品……。収納ライター・ito makiが、30代・女性のひとり暮らしにありがちな、モノと煩悩に支配された“汚部屋”を一掃。ゴミという名の過去を捨て、心ごと汚れを洗い流し、願いが叶う“悟り部屋”に変えていきます!
【煩悩004-Finish】(Kさん・37歳)
5日間(1日6時間)をかけて、中野区に住むKさん宅(37歳)すべてを片付けました。最終章のまとめは、寝室のビフォーアフター写真と動画の比較です。第三者が見ても、必要なモノが見渡せる部屋に劇的チェンジ! スッキリした新生活をご覧ください。
[Before]
[After]
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置きっぱなしのモノが多いほど、部屋は散らかります。部屋がずっと片付かないと悩む方ほど、モノの「移動」を繰り返しています。
この寝室にも、散らかる仕組み(突っ張り式のポールラック※)がありました。片付けようと思ったら、まず「押入れ」のスペースを空けること。何年も見直していない「押入れ」には、死蔵品がたっぷりと詰まっています。使っていないモノを「処分」すれば、散らかる仕組み※を手放せます。
スッキリのポイントは、「押入れ」があるなら「収納家具」を持たないことです。
Kさんの押入れからも、「昭和の化石」がたくさん出てきました。ネガフィルムや20年分の手帳、旅の記録、夢中になったアイドルグッズ、思い出の洋服などです。まるで昔の思い出が、過去に戻れと引きずり込むようです。手に取った瞬間、記憶が黄泉がえるモノを処分するのは、覚悟がいります。でも、何年も見返さないモノは部屋の気を奪う、「死蔵品」なのです。
スッキリしたいと挑んだKさんですから、アルバム以外のモノを全処分できました。思いとどまる方は、文字や雑貨は写真DATAに変えて保管する。増えすぎた写真は、類似カットを減らしてスリムにまとめましょう。
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小さくてかさばらないモノこそ空間を奪う
さらに懐かしい、フロッピーディスクと100円札も発見。このような小さくてかさばらないモノこそ、捨てずに保管しがちです。やがて、その場しのぎの「癖」が膨らみ、空間を奪う山の一部と化します。これぞ、モノが多い人の特徴です。とくに、使いきれなかった「未使用品」は、「いつか使うかも」と残しがちです。目的のない「コレクション」も「とりあえず」と先延ばしになります。
小さなモノの「チリツモ現象」は、捨てられない病に直結します。大きな家ならまだしも、家賃が発生する空間では大敵です。文房具、コスメ、薬など「かさばらない小さなモノ」まで見直すことが、深い意識を変えてくれます。
[Before]モノを「溜め込んだ」だけの頃
[Before]モノを「大切に保管」できる今
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寝室の劇的チェンジは、小さな死蔵品まで徹底的に「断捨離」して、必要なモノだけを「収納庫の中」に収めたからです。モノが多い人ほど「収納テクニック」や「収納グッズ」を必要としますが、お金で解決するのは本末転倒です。
解決のポイントは、「押入れ」に収まる量までモノを減らすことです。しかも、捨てるだけなのでほぼ「無料」で実現できます。
とはいえ、収納庫がない部屋もあります。そのほとんどは部屋の広さを優先したため築年数が古い物件ばかり。だから永遠に、片付けが追いつきません。でもモノを減らすことができれば、快適な設備の部屋にグレードアップも可能です。加えて、お金と時間からも自由になれます。
——— 部屋が変わるとどんな気持ちになるか?
Kさんの寝室のビフォーアフター動画で体感してみましょう。
[Before]
[After]
Kさんの「お金をかけずにスッキリしたい」という目標が、このように変わりました。メルカリやジモティーを使って、不用品をお金に変えることもできました。モノを「捨てられない」彼女にとって、キツイ作業の日もありましたが、たった30時間(5日間)で37年間の重みを減らすことができたのです。
今回の応募はKさんにとって、人生の転換期でした。人生で辛い状況に対面したとき、お金を使うことで憂さ晴らしをしても一瞬の気休めです。孟子の「居は気を移す」という言葉があります。住む場所や環境によって人の気性は変わるという意味です。メールではなく声でお礼を伝えたいと電話をくれた彼女に、幸運の気が降り注ぎますように。
<プロフィール>
伊藤まき(ito maki)
収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。
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