『監察医 朝顔』5年間の月日を感じさせる巧みな生活描写 第2章は杉本哲太が波乱を巻き起こす?

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2019年08月20日 06:01  リアルサウンド

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(c)フジテレビ

 上野樹里が主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)が、8月19日放送の第6話にて第2章の幕を開けた。


 5年の月日が流れ、朝顔(上野樹里)は母となり、一人前の法医となっていた。恒例の朝の風景は、朝顔と桑原(風間俊介)、そして娘のつぐみ(加藤柚凪)とで川の字になって眠る風景からスタート。桑原が一人早く起床し、朝食を作り、朝顔とつぐみ、後から平(時任三郎)が起きてくる。朝顔と平、2人の朝と比べると随分賑やかに様変わりした。平は「じいじ」と呼ばれ、すっかりつぐみに気に入られている。保育園に行くのも平と一緒のおじいちゃん子だ。表札も「万木」「桑原」と2つが掲げられている。


 朝顔が勤める法医学教室にも、アルバイトで法医助手を務める医学部生・熊田祥太(田川隼嗣)が仲間入りに。新人だった光子(志田未来)がすっかり先輩風を吹かせ、祥太に厳しくしているのは相変わらずだ。平と桑原の野毛山署には、新しく検視官・丸屋大作(杉本哲太)が着任した。とても優秀ではあるが、話し方に棘のある人物。頑固な性格は初対面の朝顔に言い放った「触るな!」の一言で説明がつく。自由奔放な茶子(山口智子)とは、相性が悪いのか、軽くいなされる姿が面白い。


 丸屋の存在は、事件を解決に導く強固な土台となっていく。「丸屋さんの言ったとおり、窒息死を殺人と決め付けてはいけませんでした」。朝顔はそう丸屋に告げると、茶子の新しく開発したというスープも決め付けずに挑戦していく。先頭を切った朝顔に釣られ、法医学教室の面々も美味しいと茶子のスープを召し上がる。しかし、その材料は、親子のカエ……とオタ……となかなかのゲテモノ料理の匂いがするスープ。本当に決め付けてはいけないのかはさておき、丸屋の登場が法医学教室にも波乱を巻き起こす予感がしてくる。


 物語の後半では、桑原が強行犯係から県警の捜査一課に異動となることが伝えられる。すでに平からも大丈夫とお墨付きをもらっている状態だ。そして、朝顔に一通の着信が。それは、震災復興課から委託されている仙ノ浦災害復興センターから、「2年B組万木朝顔」と書かれた手袋とその中に入った白い骨かもしれないものが見つかったという連絡だった。そのことが意味するのものは、母・里子(石田ひかり)の手がかり、生きた証が見つかったかもしれないということだ。


 東北で被災した里子を捜し続ける平にとって、その知らせは自身の後悔からやっと前を向き歩き出せるチャンスでもある。「いいかげん受け入れろ」と平を諭していた里子の父・浩之(柄本明)は、「諦めてた。でも、やっぱり会いたい里子に」と思いが溢れ出す。「最後まで優しい人だったね」という朝顔の言葉は、里子に向けられたものなのだろうか。折り返しを過ぎ、母の生きた証を探すという真のテーマに物語は進む。(渡辺彰浩)


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