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休み明けの月曜日、苗場からヘリで出勤…ファッション誌企画の設定はリアルに可能?

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2019年08月20日 10:11  弁護士ドットコム

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女性ファッション誌「GINZA」が公式サイトで連載している「GINZA女子の1ヶ月着まわし」企画。7月29日に登場した「ヘリで出社の月曜日」がネットで話題となっています。


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この企画は、「桜子」という架空の女性のライフスタイルとともに、そのファッションを紹介するというもの。注目を集めた7月29日分は、「お休みを満喫した週明けの月曜日。帰宅を一日ずらしたため、苗場から会社までヘリコプターで出勤です」と書かれていました。



桜子さんは、7月25日から28日にかけて新潟・苗場で開催されていた「FUJI ROCK FESTIVAL」 (フジロック)を訪れていたそうです。ネットでは「(ヘリ出勤が)パワーワードすぎてファッションが頭に入ってこない」「来年の参考にする」という声が聞かれました。



しかし、実際にヘリを利用して通勤することはできるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞いてみました。



●ヘリ通勤が繰り返されれば、処分対象になる可能性も

桜子さんは都内の会社に社長秘書として勤める会社員です。仮に就業規則で会社があらかじめ決定した通勤手段(例えば、「徒歩または公共交通機関に限る」など)があり、その中にヘリ通勤についての記載がなかった場合、処分の対象になる可能性はあるのでしょうか?



「そもそも、通勤手段を就業規則で制限することができるかどうかがまず問題になりますが、通勤手段については、合理的な理由があれば制限可能となります。



例えば、会社の駐車スペースが狭いような場合にマイカー通勤を制限し、徒歩や公共交通機関に限定するということは比較的多くみられるもので、具体的な事情にもよりますが、合理的な理由に基づく制限と考えられています。



そこで、桜子さんの会社での就業規則における通勤手段の制限が合理的で法的に問題がないと仮に考えた場合、この規則は、徒歩又は公共交通機関以外の通勤方法を禁止する趣旨と考えられますので、ヘリによる通勤は就業規則違反として懲戒処分の対象になる可能性があります。



具体的には、ヘリによる通勤が今回の1回に限られず、何度も繰り返されて常態化していたような場合、会社側から注意を受けたことがあるにもかかわらずヘリによる通勤をしていた場合には、処分対象となるでしょう」



●ヘリで通勤中、もしも事故が発生したら…?

もしも、桜子さんのように苗場から東京までヘリで出勤中、どこかで事故が発生した場合、労災になるのでしょうか?



「通勤中の事故や災害に見舞われて怪我をしたり、病気になった場合でも労災の対象となることはご存知の方が多いと思います。



しかし、労災の対象となるのは、『合理的な通勤方法』によって通勤している最中に事故や災害に見舞われた場合に限られます。



この『合理的な通勤方法』は、就業規則に違反している場合でも、通勤方法自体が合理的であれば含まれ、労災の対象となります。例えば、マイカー通勤を禁じられている場合でも、マイカー通勤中に事故や災害に見舞われた場合には、労災の対象となります。



しかし、桜子さんのようなヘリ通勤については、原則的には合理的な方法とは言えませんし、事情を考えても、遊びに行って帰るのを遅らせたためにヘリコプターで通勤したというもので例外的に合理的な通勤方法に当たるとすることもできません。



したがって、労災の対象にはならないでしょう」



実は、桜子さんは銀座生まれの銀座育ちのお嬢様。これ以前にも、徒歩7分のところにある会社に遅刻しそうになり、「我が家の専属ドライバーのじいや」に頼んで2分で出社するなど、普段から型破りな通勤スタイルが多いようです。そんな桜子さんならヘリ出社も納得ではありますが、実際に価格を調べると、数十万円はかかるようです。真似するのもほどほどにした方が良さそうですね。




【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。2018年11月から弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。
事務所名:北千住パブリック法律事務所
事務所URL:http://www.kp-law.jp/


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