ウイリアムズF1副代表「レース数は少ない方が需要が高い」とカレンダー拡大に反対。PU基数への懸念の声も

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2019年08月20日 16:51  AUTOSPORT web

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2019年F1第12戦ハンガリーGP
ウイリアムズF1のチーム副代表を務めるクレア・ウイリアムズは、年間のレース数増加を目指すF1の動きについて、誤りだと考えている。

 1999年までは、1シーズンあたりのグランプリ数が16戦以内で実施されてきたF1だが、2000年には17戦に増え、2004年シーズンにはさらに18戦にまで拡大された。

 2005年シーズンに1度だけ19戦に増えた後は年間18戦以内で推移し、2010年に再び19レースで実施された。2年後の2012年シーズンに初めて20レースにまで拡大し、2016年には初の年間21レース開催となった。クレアはこれが上限だと考えている。

 だが、F1の商業権保有者であるリバティ・メディアは、これまでもカレンダーへのレース追加について率直に議論を進めてきた。2020年に関しては、オランダとベトナムを追加してドイツを外すことで、年間22戦とする案が検討されている。

 クレアにとって、これは受け入れがたい案に映るようだ。「年間のレース数に上限を設ける場合、私は21戦が最大だと考えています」と、彼女は先週語った。

 レース数の上限設定について、これまでの議論は、チームスタッフの作業負荷や世界中を頻繁に移動するコストといった観点から行われることが多かった。だがクレアは、単にF1全体として見た場合でも、レース数が増え過ぎるとその魅力が薄れると示唆する。

「個人的には、レース数はもっと少ない方が良いと思っています。基本的な経済法則として、供給が少なければ需要は高まりますから」

「カレンダー上にレースを詰め込み過ぎれば、人々は消化しきれなくなります。スポーツの市場においては、F1とその他の種目やメディアとの間で激しい顧客の争奪戦が行われているのです」

 クレアは、長い間家族と離れて仕事を続けるピットクルーやエンジニアたちが抱えるストレスや心労も、チームの代表者としては大きな懸念材料だと話す。

「カレンダー上でレース数が増えた場合、パフォーマンスの観点から見てチームが受けるプレッシャーが増し、その下でワークライフバランスを保ちながらスタッフが力を発揮することも難しくなります」

■レース数増加に伴う『パワーユニット基数制限』への懸念

 またクレアは、これは予算に比較的制約がある自分たちのような小規模チームにとって特に難しい問題なのだとして、以下のように付け加えた。

「カレンダー上の21レース(を超える数)をどのように運営していくかは、小規模チームにとって非常に難しい問題なのです」

「スタッフの交代要員を配置すれば費用の増加につながります。例えば、レースエンジニアを2名ではなく4名配置することが必要なのかどうか考えなければなりません」

「転戦に伴って機材を世界中に運ぶための費用も発生します。追加で実施されるレースはいくらで販売されるのか、それによっていくらのお金が貯められるのかを考えるべきです」

「私は、カレンダーにレースを増やすことには反対です」

 シーズンの期間が延びることについて、他のチーム代表者たちはおおむね落ち着いた反応を示している。だがハースF1チームの代表を務めるギュンター・シュタイナーは、別の潜在的な問題として年間のパワーユニット供給数を挙げている。

「レース数が増えることに大きな利点はないだろうが、少なくともマイナス面も存在しない。ただし年間3基というパワーユニットの数については維持されることが確約されるべきだ」とシュタイナーは述べた。

「もしも4基目が導入されるとなれば、我々は財政的にやっていけない。彼らに、各チームが3基でシーズンを戦い切れるという確信があるならば、私は(レース数が増えても)構わない」

「財政面におけるマイナスが生じないかぎり、我々としては努力するつもりだ」

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