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AZ菅原由勢にとってオランダは理想的な環境。「第2の故郷です」

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2019年08月21日 16:52  webスポルティーバ

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 この夏、オランダの強豪AZアルクマールに移籍した菅原由勢(ゆきなり)の、この1カ月間の出場記録を見てほしい。ひと目で、菅原がすばらしい経験を積んでいることがわかるだろう。

7月25日(木) 対ヘッケン(EL/H) 右ウイング(31分間)
8月4日(日) 対フォルトゥナ・シッタート(1部/H) 右サイドバック(90分間/先発・1ゴール)
8月8日(木) 対マリウポリ(EL/A) 右サイドバック(10分間)
8月11日(日) 対RKCワールワイク(1部/A) 右サイドバック(28分間)
8月12日(月) 対テルスター(2部/H) 右サイドバック(90分間/先発)
8月18日(日) 対フローニンゲン(1部/H) 右ウイング(13分間)
8月19日(月) 対エクセルシオール(2部/H) 右ウイング(60分間/先発)

※EL=ヨーロッパリーグ(予備戦)、1部=オランダ1部リーグ、2部=オランダ2部リーグ

 菅原はAZのトップチームの一員としてオランダ1部リーグとELを並行して戦い、さらにはAZリザーブチームも掛け持ちして2部リーグにも出場している。ELでは北欧スウェーデン(ヘッケン)と東欧ウクライナ(マリウポリ)のチームと当たり、今度は8月22日にお隣ベルギーのアントワープとグループリーグ出場をかけてプレーオフを戦う。

 菅原はこうした負荷の高い国際試合を木曜日にこなしたあと、日曜日にはオランダ1部リーグでプレーし、出場時間が短ければ翌日の2部リーグに参戦している。伸び盛りの19歳にとって、これほど理想的な環境はない。

 菅原は開幕戦のフォルトゥナ・シッタート戦でスタメンに抜擢されてゴールも決めるなど、4−0の勝利に貢献した。全国紙『アルヘメーン・ダッハブラット』や専門誌『フットボール・インターナショナル』が週間ベストイレブンに選出するほどの活躍だったが、AZでのポジション争いは激しく、第2節からはノルウェー代表のヨナス・スベンソンが定位置に返り咲いている。

 だが、菅原にとってありがたいのは、アルネ・スロット監督がコンスタントに出場機会を与えてくれていることだ。

 RKCワークワイク戦は、「相手が2トップで菅原と対峙する選手がいなく、どんどんオーバーラップできた時間帯」と、「相手のシステム変更で、敵のサイドアタッカーに厳しくマークしないといけない時間帯」という、ふたつのパートがあった。そんななか、菅原は28分という短い出場時間ながら臨機応変にプレースタイルを変えていた。

 RKC戦が終わった帰りのバスで、菅原は翌日のテルスター戦の出場を打診されたという。「やります」。そう菅原は即答し、テルスターとのダービーマッチを戦った。

「いくら2部リーグでも、目の前にいるのはフィジカルが強くてスピードのある黒人選手ですし、やっぱりすごいなと思いました。こういうところから這い上がってくるんだなと思います。そういう選手とやれるのは感謝したいです。自分のレベルを上げるためにも、いい経験をしている。試合に出られるなら出させてください、という感じです」

 オランダのメディアのなかには、菅原のことをセンターバック、右サイドバック、右ウイングをこなす多機能プレーヤーと見る向きがある。本人にそのことを訊いてみたところ、「ゴールキーパー以外なら、どこでもできます。左サイドもできます」とキッパリと言う。

「左サイドバックでも、左サイドハーフでも、監督が求めるところならどこでもできます。それは自分の長所だと思っています。ユースからいろいろなポジションでプレーしてきた経験がありますし、頭のなかでポジションごとの整理はできている。『チームが求めているものは何なのか?』と考えながらやっていますので、(複数ポジションで)できる自信はあります」

 ユース時代(名古屋グランパスU−18)の経験を語ってくれた菅原は、この夏、日本クラブユース選手権で優勝した後輩たちのことを喜んでいた。

「名古屋のユースでは去年から『強さ・うまさだけじゃダメ』と言っていて、後輩たちがそれを体現してくれて優勝したので、僕も負けられない。僕がひとつ年上でオランダに来ているので、後輩たちにいい背中を見せられるようにがんばりたいです」

 そのためには、ピッチ外、つまり生活面を整えることも重要だ。AZの本拠地はアルクマールだが、オランダ2部リーグが開催される場所はザーンダムというアムステルダムから北に20キロほどの町にある。菅原はホームステイ先から自転車で2部リーグの会場に通い、1部リーグのホームゲームはチームメイトのクルマに同乗させてもらっている。

「ひとり暮らしという選択肢もありましたが、やっぱり常に英語をしゃべる環境が必要だなと思っていたので、自ら(ホームステイという)そっちの環境に身を置くようにしました。クルマに乗せてもらっているのはオーウェン(ワインダル)選手です。話ができますし、英語力も伸びるので、一石二鳥です。とりあえず、早くクルマの免許がほしいです(笑)」

 それにしても、菅原は本当にいいチームに入ったものだと思う。

「そのことは僕が一番感じていると思います。まず、人が温かい。最初から歓迎してくれました。さらに、サッカーが非常にやりやすい。僕の長所を出しやすいサッカーをしています。攻守が一体化していて、攻撃のところではある程度、自由もあります。優勝を狙えるチームだなと思います」

 フローニンゲン戦後、菅原は板倉滉から「今度、オランダでプレーする日本人で食事に行こう」と誘われたと言う。

「集まっていろいろな話ができれば刺激にもなると思います。おいしいものを食べながら、いい話をしたいです」

 菅原、板倉、堂安律(フローニンゲン)、中山雄太、ファン・ウェルメスケルケン際(ともにズウォレ)、中村敬斗(トゥエンテ)。実に6人もの日本人選手がオランダリーグに集まった。なぜ、彼らはオランダリーグに来たのだろう。

「世界に行くためには、もってこいの場所。オランダ人の選手も、『ここはステップアップのためのリーグ』と言っているくらいです。本当に個の強い選手しかいない。ここで磨き続けて輝けば、イングランドリーグ、スペインリーグに行ける。そこへ行くための過程だと思っています」

 菅原は「オランダは第2の故郷です」と言った。人と町とオランダのサッカーにしっかりと馴染み、いずれはそこから卒業していくのだろう。

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