「フローリング最強」「最上階が安全」は幻想? 今、知るべき2つの“新常識”【アラサー女、理想の賃貸物件を探す】

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2019年08月24日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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 「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8〜9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10〜12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性ひとり暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?

■物件三銃士から3つの助言
1)プロは知ってる「築年数」古さの限界
2)「畳のある物件」は意外と高評価!
3)部屋選びの常識を覆す「最上階」に潜む危険

<物件の場所>

・都心から電車で30分、最寄り駅から徒歩5分
・最寄り駅前に公民館・スーパー、徒歩10分の場所に小学校あり
・交通量が多い大通りに面しているが、住宅地のため夜は街灯の明かりのみ

<詳細情報>

敷金1カ月分/礼金なし、鉄筋コンクリート、7階建/7階(35戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラなし、ペット不可、2人入居可、オートロックなし、テレビモニター付きインターフォンあり、宅配ボックスなし、ゴミ出し曜日指定、都市ガス、階段・エレベーターあり

 「やっぱり部屋は広々使えた方がいいな!」と思って探していたら、こんな物件を見つけました。都心へ出るまで電車で30分、築年数は45年と古いけど、周辺の環境が良くて家賃も安い。自治会で「防犯ボランティア活動」が行われていると聞いて、安全面から見てもアリな感じです。新築にこだわりはないですが、やっぱり“築年数”って気にするべきでしょうか? それと、この物件には畳の部屋があるんです! 単身用では「フローリングが常識」だと思ってましたが、こんな部屋も悪くないかも。とはいえ、賃貸だと畳を傷つけた時に面倒なことになりそう……。やっぱり床は“フローリング一択”と考えるべきですか?

「住居のプロ」福岡由美氏の評価 ★☆☆☆☆

 このマンションのような“築古物件”で一つの目安とするのは、「1981年より前に建てられた建物か? 後の建物か?」ということです。実は、建築基準法の改正によって「新耐震基準」が設けられ、建物に求められる耐震性能の基準がより厳しくなったのが、81年6月のこと。それ以前の物件は「旧耐震基準」の建物であり、「万一大きな地震が発生したときには、損壊・倒壊などの危険性が高くなる可能性がある」と考えられます。そうしたリスクを考慮した上で、賃料や間取りに納得感があれば住んでも良いのではないかと思います(ただし、積極的にオススメはしません)。

 築年数が古くなると家賃が安くなるのは、こうした点に理由があります。建物が古ければ、防災面での課題は当然ながら出てきますし、中には配管の劣化によって水漏れしたり、ネズミなどの害獣被害が発生するケースも少なくありません。「家賃の安さ」がセールスポイントになっている物件は、何かしらこうした課題がウラに隠れていることがありますから、不安があるようであれば仲介営業マンの情報だけに頼らず、何度か現地へ通って大家さんや住民の方と話をするなど、自分自身で事前リサーチをしてみると良いでしょう。

 ちなみに、マンションの場合は約12〜15年のサイクルで大規模修繕が必要とされていて、室内設備についてもクロスの張り替えや、水まわり設備の更新などを行うのが理想的。そういう定期的なメンテナンスがきっちりと行われている物件であれば、築年数がたっていても十分快適に暮らせるはずです。

 また、近年はフローリング志向が高まっていて、畳のある新築賃貸マンションはほとんど見かけなくなりました。しかし、冬場の断熱性を考えると、実はフローリングよりも畳のほうが断然暖かく過ごせます。また、小さなお子さんをゴロンとお昼寝させるときも、畳の部屋があると便利。今回の物件は築年数の減点で星1つの評価としましたが、「これから出産や子育てを考えている」といったカップルなどには、畳のある部屋もオススメです。

■福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖

 駅から徒歩5分と近く、車の通りが多い大通り沿いにある物件なので、駅までの道のりは安心感があります。ただし、車からのひったくりなど、道路沿いだからこその犯罪も決して少なくありません。スマホで通話をしながら歩いたり、道路側に荷物を持ったりするなどの行為は控えましょう。

 築45年の古い物件という点から考えると、最新の防犯設備が備わっていることは期待できませんが、「管理人巡回」「テレビモニター付きインターフォン」と、セキュリティ面の最低条件はクリアしていると言えるでしょう。ただし、「防犯カメラなし」「オートロックなし」となると、住人以外でも建物内に自由に入れてしまうため、不安な要素です。

 また、気になるのが“7階建ての最上階”という点。建物に屋上があって、そこも自由に行き来できるとしたら、屋上からすぐ下の階のベランダへは、比較的簡単に侵入できてしまいます。最上階だと侵入されにくいという油断を持つ人も多く、暑い時期に窓を開けっぱなしにしていて、窃盗や性犯罪の被害に遭ったという事例もあります。「一人暮らし女性は1階の部屋を避けるべき」というのは“部屋選びの常識”になっていますが、最上階にも危険があることを知っておきましょう。

 2DKという間取りは、一人暮らしで住むには広めの物件です。ほかの住人は家族暮らしが主ということも考えられます。一人暮らしと家族暮らしでは、生活時間帯やライフスタイルが異なるために、思わぬトラブルが起こることも。遅い時間には大きな音を立てないようにするなど、家族暮らしへの配慮が必要になるでしょう。

 また、近隣に小学校や公民館があり、防犯ボランティア活動が行われているとのことなので、住民にファミリー層が多く、防犯意識の高い地域と思われます。ご近所付き合いの多い地域は犯罪も起こりにくく、安心感はありますが、一方で「一人暮らしでも活動に参加しなきゃいけないの?」という不安があるかもしれません。地域活動の多くは、自治会などを通じて広報されます。賃貸の一人暮らしで自治会への加入を求められることは少ないですが、自治会費や活動内容などの折り合いがつくのであれば、加入しておくと地域の情報が得やすくなります。なお、自治会の加入はあくまで任意です。断ることもできますが、だからといってその地域に住む以上、ルールはしっかりと守って暮らしましょう。

■河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。

 新築物件というのは、人の「気」が入っていない状態。ということは、これから“良い気”を入れていけるということにもなるので、家の中をこまめに掃除したり、ホームパーティーなどを開催したりして、人の気をどんどん入れていくと、運気が良くなります。

 逆に言えば、築年数の長い物件は、すでに人の気が多く入っている状態です。ただし、この気の状態が良いものか、悪いものかによって、家の運気も変わってきます。前に住んでいた方が成功者であったり、次のステージへ上がっていくための転居だった場合には、家の運気が良い状態と言えます。逆に、家賃が払えなくなりやむを得ず転居した場合や、実はごみ屋敷だった……となると、その家自体の運気が悪くなってしまいます。とはいえ、先住者がどういった理由で転居したかを確認するのは難しいと思いますので、そういった意味では、新築の方が自分で運気を上げていくことができるので、安心ですね。

 また、この物件には畳の部屋がありますが、これは“パワーの高い部屋”と言えます。一人暮らしの物件にはあまり見られないこともあり、知らない方が多いかもしれませんが、畳は呼吸するので気が循環しやすく、運気も上がりやすくなるのです。特にこの物件は“東南”に和室がありますので、寝室として使うと恋愛運や結婚運、コミュニケーション運がアップします。洋室はリビングやダイニングなど、「動きの多いスペース」として使うと良く、和室では睡眠など、「落ち着いて過ごす部屋」にすると良いでしょう。

 風水的に和室は、タンスなど大きな物を置かないようにしたい場所です。この物件の和室には押し入れがあるので、ここにすべて荷物が収まるように調整する必要があります。和室にベッドを置くのはもってのほかで、最も運気を落とします。畳は呼吸をしていますので、家具でふさいではならないというのが理由です。布団も敷きっぱなしにしないようにしましょう。

■生田目浩美。(なまため・ひろみ)
1998年より風水師に師事し、風水・九星・祐気採り(吉方位判断)・吉日の選定・手相・姓名判断・家相学などを学ぶ。独立後、恋愛・仕事など、女子たちが持つ多くの悩みに寄り添い、楽しく前向きに生きるコツを伝授する。

物件三銃士の総合評価 7点/15点

次回は……広々10帖&新築物件! 文句ナシかと思いきや、全員「勧めない」最悪な条件が“1階”に!?

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