「戸棚の中がグチャグチャ」「クローゼットがすぐ散らかる」「デッドスペースを活用したい」「トイレに収納がない」など、 “片付かない”ちょっとした悩みはありませんか? 収納ライターの伊藤まきが、イライラする“収納の悩み”を“簡単で安く”解決するコツを提案します!
■今週の相談者>>>K・Nさん(39歳)静岡県在住
「食品庫が使いにくい! 家族の好きな食品が散らかる」
[お悩みの全体写真]
夫婦2人と子ども2人、分譲マンション(2SLDK)に住んでいます。問題は、キッチンシンク脇のミニパントリーです。家族みんなが好きな食品を適当に置くので、まとまりがつきません。調味料が埋もれてしまい、うっかり忘れることも……。二度買いや賞味期限切れが多く、うまく管理できるように変えたいです。
改善したい点は、家族みんなが快適に出し入れできること。食材のムダをなくすことです。毎日使う場所なので、予算をかけても大丈夫です。
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【伊藤まきの回答】
解決案は、可動棚の「棚増し」です。棚の間隔を使いやすく変えて、「ファイルボックス」「Wクリップ」「100均のウォールポケット」を用意すれば、家族みんながひと目でわかる収納へと改善できます。
日本の食品ロスは年間643万トン。一般家庭からは、291トンだそう。換算すると、国民一人あたり51kgも廃棄(※)していることになります。食品を「見える化」することにより、ムダを減らすことにも繋がります。
※平成28年 農水省のホームページより
空間を「棚増し」で区切るほど、収納力アップ!
例えば、1段目の「棚増し」は写真のようなイメージです。可動棚は、収めたいモノのサイズに合わせることができます。また、横幅32cmの棚ということなので10cm間隔で3分割にすると収納力もアップ。キッチン周りに必要な小物、調味料の収納は10cm幅が便利です。
10cm幅のファイルボックスなら、無印良品のポリプロピレンファイルボックス・A4用(約幅10×奥行32×高さ24cm)690円(税込/ライター調べ)と、ポリプロピレンファイルボックス・1/2サイズ(約幅10×奥行32×高さ12cm)390円(税込/ライター調べ)がぴったりです。ニトリなら同じデザインのものが370円(税別/ライター調べ)で揃えることができます。半透明の色だと、家族みんなが中身を視覚で理解できます。参考写真のように「ラベル」を貼れば、「モノの住所」も決定。
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収納ケースより安くて自由な「棚増し」をDIY
[参考]ホームセンターのSPF材を使った例
この問題は、以前も「棚板を増した例」で紹介しています。棚の中を使いやすく「区切る」なら、引き出し式の収納ケースより「棚増し」のほうが安くて、自由な調整が効きます。
Kさん宅の作り付けの棚は、基本の「30mmピッチ」ですね(ダボ穴とダボ穴の間隔が30mmのこと)。棚板の厚さは、15mmが一般的です。4枚の白い棚板は、化粧板という種類です。オーダー寸法によるネット購入もできます。ホームセンターのSPF材なら予算を抑えられます。板を増やした分、同じタボ(棚受け)の用意も忘れずに!
[2段目]迷子になりがちな「袋モノ」の保管法
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袋モノ(乾物類)のストックには、無印良品のポリプロピレンファイルボックス・1/2サイズ(がオススメです。例えば、2段目の空間をさらに棚増しして2段に分ければ、合計6つのグループを入れることができます。
ちなみに、ビン類やカップラーメンなど大型食品は、収納ボックスがなくても大丈夫です。背の高いモノを後ろに、タテ1列に並べれば在庫管理ができます。収納ボックスは、何を置くかを決めてから購入するようにしましょう。
袋モノの「調味料」は、「Wクリップ」を使うと快適!
[参考]Wクリップを使えば埋もれない!
ファイルボックスに袋モノの調味料を収納するときは、上から見てワンアクションで出し入れできるように「Wクリップ」を使います。写真のように、「はがせるタックシール」や「マスキングテープ」を使ってクリップの背にラベルを貼ります。袋モノにありがちな、下に沈んで迷子になる、粉が散らかって汚れる心配がなくなります。
[参考]実験した「調味料の詰替」について
食品ストックの多い家ほど、粉モノが袋から散らかっているケースが目立ちます。そして、そんな家ほどゴキブリの糞があります。飛び散りでゴキブリを呼んでしまわないよう、防止するには「調味料の詰替」がオススメ。ただし、その家の定番調味料に限ります。
例えば、毎日使う調味料(オイル、醤油など)や、週に2〜3度使う乾物類(ゴマ、唐辛子など)、粉類(片栗粉、出汁など)は詰め替えが便利です。1L以上のボトル調味料も、手のひらサイズに詰替えると調理の時短になります。逆にオススメできないのが、イレギュラー品、開封後の賞味期限が短い、遮光袋のもの、粘度が高い調味料です。詰め替えることで空気の侵入が増え、カビが生えやすくなったりします。
小さな食品は「100均のウォールポケット」で棚裏に!
小さな袋モノや中途半端な量の食品(ふりかけ、ハーブ類、ティーバック、スープの素など)も埋もれがちです。食品庫の片付けをしていると、これらの食品が賞味期限切れになっています。食品ロスを防ぐためにも、扉裏を活用して「目で見える収納」を心がけましょう!
[まとめ]
Kさん、解決案はいかがでしたか? 3段目と4段目を含めると、4枚の「棚増し」が実現できそうです。空間を区切ることで、キッチンの作業効率と食品管理がアップデートできます。ぜひ「棚増し」から改善してみてください。これで、家族みんなが迷わず出し入れできると思います。
――「お片付けSOS相談」は次回、9月2日(月)に更新!
<プロフィール>
伊藤まき(ito maki)
収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。
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