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「容姿が悪く、交際経験が一度もない」47歳女性に鴻上尚史が本音で応える

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2019年08月27日 16:00  AERA dot.

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写真作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
 鴻上尚史の人生相談。「容姿が悪く」振られ続けて交際経験がないという47歳女性。「男性と愛し愛されてみたい」が「あきらめたほうがいいのか」と揺れる心を打ち明けた相談者に鴻上尚史が応えた、掛け値なしの本音の言葉とは……。

【相談39】人生で一度でいいから、男性と愛し愛されてみたい(47歳 女性 サバ缶)

 47歳、独身の女性会社員です。人生で一度も男性とおつきあいしたことがありません。人並みに恋愛の願望はあり、告白したことも何度もありますが、すべて断られました。「最初から結婚目的で活動すれば良いのでは」と思い、結婚相談所に登録したこともありますが、すべて、相手から断られました。容姿は悪いです。背が高く、和風顔で、とある男性のお笑い芸人に似ています。若い頃はよくからかわれました。

 そんな私も、仕事や趣味は充実しており、男友達は多く、食事に行くこともあります。その中の何人かに告白したこともありますが、友達としてしか見られないとのことでふられました。会話、おしゃれ、思いやりなど、世の中で言われる一通りの努力をしましたが、全く報われません。一度、仕事で知り合った既婚男性から「会いたい」と熱心に誘われ、「こうなったら、不倫でも良いから交際の経験が欲しい」と思い、会ったことがあります。酔った勢いでハグをされ、彼のことが好きになってしまいました。が、「俺はつきあう気は無いから」と言われ続け、何回か食事に行き、何回か仕事をして担当が私から別の人間になると、連絡しても返事がこなくなりました。私が好きなわけではなく、フリーランスの彼は仕事が欲しかったのだと思います。不倫でもいい、と最大の妥協をしたのに、体も求められず、気持ちを弄(もてあそ)ばれただけでした。

 もう47歳、白髪も増え、老眼も始まる年齢ですが、恋愛に関しては高校生レベルです。人生で一度でいいから、男性と愛し愛されてみたいと思う一方、無理なことはあきらめる努力をした方が良いのだろうか、とも思い、心が揺れます。こんな私に、アドバイスをいただけますと幸いです。

【鴻上さんの答え】
 サバ缶さん。サバ缶さんの文章、僕の心に沁み入りました。けれど、サバ缶さんの相談に答えるか、ずっと悩んでいました。それは、僕の回答がサバ缶さんを傷つけてしまうかもしれないと思ったからです。今も、心配しています。でも、相談してくれたサバ缶さんの勇気に応えるために、書きます。

 サバ缶さん。希望はある、と僕は思っています。

 それは、サバ缶さんと同じような思いを持つ男性がいるからです。それも、たくさん、いると思います。

 誰かと恋愛をしたいと思いながら、一人、居酒屋の片隅にいたり、自宅でテレビを見ながら孤独に晩酌していたりする男性は多いです。激しい孤独や淋しさにのたうちながら、自分の感情をもてあましている男性は多いのです。

 サバ缶さんは大人ですから、はっきり言いますね。

 サバ缶さんと同じ年、47歳ぐらいの男性だと、恋愛対象の女性は、まだ20代後半とか30代を夢見る人が多いです。

 なおかつ、以前、この『ほがらか人生相談』で書きましたが、「可愛い女性がタイプ」だと答える男が多いです(交際が現実的かどうかに関係なく、です。この話は後述します)。

 そう希望している男性と恋に落ちるのは、「男性のお笑い芸人」に顔が似ていると自分のことを言うサバ缶さんでは、かなり難しいと思います。

 いきなり、すごいことを言いますが、何人かの有名な女性の結婚詐欺師のことをサバ缶さんは覚えていますか? お金をだまし取ったり、保険金をかけて殺害したりして、死刑判決を受けた女性もいました。

 彼女たちの容姿がマスコミで紹介された時、多くの人は驚きました。少しも美人ではなく、あきらかにおばさんで、小太りだったり、地味だったりと、次々に男性をだましていった結果とまったく結びつかなかったからです。

 ものすごく口がうまかったからとか、献身的に尽くしたからだとか、いろいろ言われましたが、一番の理由は、「男がものすごく淋しかったから」だと僕は思っています。

「お金があっても孤独に悲鳴を上げている」とか、「淋しさが老化を加速している」とか、「なぜかずっともてなかった」とか、そういう男性を相手にしたから、次々に虜にできたのだと、人間の心理をついたからだと、僕は思っているのです。

 サバ缶さん。傷つけたらごめんなさい。サバ缶さんの文章があまりにも僕の胸に突き刺さったので、僕は掛け値なしの本音を書いています。

 もし、サバ缶さんが恋に落ちたいと思う相手が、バリバリ仕事をこなしている自信満々の40代とか、いわゆる男性的魅力に溢れているとか、とてももてている男性だとしたら、それはかなり難しいと僕は思います。

 でも、サバ缶さんと同じように、恋愛に縁がなく、孤独に苦しみ、恋愛に憧れ、傍に誰かいてほしいと願っている男性なら、サバ缶さんと恋愛が始まる可能性があると思うのです。

 女性に全然もてないような相手となら、恋愛なんかしたくない、と思うかもしれません。

 でも、僕はどんな相手であっても、恋愛しないより、恋愛した方が素敵だと思っています。

 現実に交際できるかどうかを考えないで、いくつになっても、「可愛い女性がタイプ」としか言わない男性のことを書きました。

 そういう男達は、人の恋愛に対しては評論します。そして、自分は理想だけを語ります。それは、例えば、野球で言えば「大リーグだけが野球だ」とか「日本のプロ野球は最高」と観客席で語る人と同じです。自分では決して野球をしないで、ただ、観客席で野球を見て、辛辣な批評だけするのです。「あんなことをして恥ずかしくないのか」とか「信じられないね」とか言います。

 でも、もし、もっと野球を楽しみたい、見るだけじゃなくて、やってみたいと思った時に、分岐点に立ちます。

 ひとつは、「大リーグ並みの技術がない自分は恥ずかしくて、野球なんかやってられない」とやめてしまうタイプです。

 そして、もうひとつは、「大リーグやプロ野球のような技術はない。でも、河川敷でやる草野球は楽しい」と、自分なりの楽しさを見つけられるタイプです。

 観客席に居続けるだけでは、決して、見えてこない野球の楽しさです。大リーグの観客席にいる人は、草野球を見てバカにするかもしれません。でも、そんなこと、関係ないのです。

 野球にたったひとつの正解がないように、恋愛にもたったひとつの正解があるわけではないと思っています。

 他人がなんと言おうと、当人たちが満足してれば、それは素敵な野球だし、恋愛なのです。

 もちろん、どんな相手だろうと、恋愛のためには、サバ缶さん自身がおしゃれに気を配り、メイクや髪形をちゃんと意識することはとても大切です。健康的なスタイルの維持も欠かせません。

「会話、おしゃれ、思いやりなど、世の中で言われる一通りの努力」をしたとサバ缶さんは書きますが、女性としてはもちろん、人間的魅力を維持するためにも、努力し続ける必要があります。

 その上で、恋愛相手の探し方をひと工夫するのです。

 サバ缶さんと同じように淋しさを感じている男性、恋愛に奥手だと感じる男性、孤独に苦しんでいると見える男性に目を向けてみるのです。

 レストランや居酒屋での出会いや見方も違ってくるでしょうし、ネットでのペア探しの基準や水準も変わるでしょう。

 まず、いろんな人と出会える機会、趣味のサークルやお出かけを増やすことが、とても大切だと思います。

 サバ缶さん。どうですか? これが僕のアドバイスです。淋しさにさまよう男性はたくさんいます。孤独に悲鳴を上げている男性もたくさんいます。恋愛に焦がれて、でも諦めている男性もたくさんいます。そのなかに、気の合う男性を見つけることができるんじゃないかと、僕は思っています。

 そんな一人と、サバ缶さんが出会えることを心から祈ります。

【AERA dot.編集部からのお知らせ】
『鴻上尚史のほがらか人生相談』をご愛読くださり、ありがとうございます。たくさんの皆さまから本連載への反響の声、ご要望をいただき、このたび『鴻上尚史のほがらか人生相談』を書籍化いたします。発売は9月20日予定です。詳細についてはまた後日、AERA dot.記事内でお知らせします。★Amazonで予約受付中!

【おすすめ記事】66歳男性が風呂場で涙… 友人もいない老後を憂う相談者に鴻上尚史が指摘した、人間関係で絶対に言ってはいけない言葉


このニュースに関するつぶやき

  • 男性の場合、30までに一度も交際経験が無いと90過ぎても出来ない場合が有ると思って良いでしょう。俺はそう成ると確信してました。だから努力して変わりました。今、嫁と幸せにやってます
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  • アキラメロ
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