セレブ戦略から脱却、「サマンサタバサ」はどう変わる?

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2019年08月27日 17:32  Fashionsnap.com

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「サマンサタバサ」2019年秋冬コレクションのバッグ Image by: FASHIONSNAP.COM
サマンサタバサジャパンリミテッドが、主要ブランド「サマンサタバサ(Samantha Thavasa)」のブランディングを強化する。創業者の寺田和正前代表取締役会長兼社長が今年4月25日付で同職を退任してから新体制となる2019年秋冬シーズン以降、ものづくりの基盤を見直し、「バッグブランドとしての原点に立ち返る」(渡邊貴美 取締役最高執行役員)という。
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 サマンサタバサジャパンリミテッドは寺田氏が1994年に創業。ミランダ・カー(Miranda Kerr)やサラ・シュナイダー(Sarah Snyder)、ソフィア・リッチー(Sofia Richie)など海外のセレブリティを起用した大々的なプロモーションで話題を集めてきた。
 新体制では「気軽におしゃれを楽しむためのバッグブランド」を目指し、商品だけではなくヴィジュアルやMDを大幅に刷新。メインラインのサマンサタバサは若年層向けの「サマンサベガ(Samantha Vega)」とデザインやプロモーション戦略が類似し、区別が曖昧になっていたことから、ブランディング強化に合わせて明確な差異化を図る。
 サマンサタバサではこれまでのターゲット層である20代〜40代の女性の中でも、働く女性を中心に訴求していく。アイテムの価格帯は2万円台後半〜4万円台を維持しつつ、高品質な素材を採用し、上質なバッグブランドとしてのイメージを打ち出す。セレブを大々的に起用したプロモーションは廃止し、親しみやすさを意識したイメージにシフトする。一方でサマンサベガでは合皮やキャンバス生地などを使い、可愛さとカジュアルさを落とし込んだバッグを展開。ライフスタイルグッズおよびアパレルグッズのカテゴリーを拡充し、総合的に「ジャパニーズガールズポップカルチャー」の世界観を発信していく。

 サマンサタバサの2019年秋冬コレクションは3回に販売時期を分けて展開。8月下旬から順次発売する「NEO MASCULIN」をテーマにしたコレクション第1弾では、自然体でありながら芯の強い女性像をイメージしたヴィジュアルを制作した。同コレクションでは定番ラインの型をアップデートしたバッグやミニサイズのバッグ、クロコの型押しを施したレザーバッグなどをラインナップし、ロゴは本体へのプリントではなくミニサイズのプレートに刻印した。なおブランディングの強化に伴い、イタリアのラグジュアリーブランドでデザインを担当したデザイナーとパタンナーをアドバイザーとしてブランドチームに招き、2020年春夏コレクションから本格的に制作に携わっていくという。
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 9月1日には全国の店舗デザインを刷新。フェミニンで上質な空間は統一しつつ、各店舗ごとのVMDやMDに地域性を反映するという。また、トレンドとスタンダードをミックスしたブランド「サマンサタバサデラックス(Samantha Thavasa Deluxe)」をサマンサタバサに統合し、既存店はサマンサタバサの店舗としてリニューアルする。渡邊氏は新体制となるサマンサタバサについて「これまでのファンの方々も、新しく購入してくださる方々にも、寄り添っていけるブランドにしていけたら」とコメントしている。
COOの渡邊貴美氏



■サマンサタバサ:公式サイト
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