リコーの市販カメラをベースにした「宇宙空間対応の小型全天球カメラ」をJAXAとリコーが共同開発!2019年9月11日に「こうのとり」8号機で打ち上げ予定

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2019年08月29日 11:01  Techable

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近年、世界の宇宙開発競争が激化しており、宇宙での作業ニーズが高まっているという。先日、宇宙用作業代替ロボットの話題を取り上げたが、今後ますます宇宙開発へ熱い視線が注がれていくことだろう。
・JAXAとリコー、360°の全方位を一度に撮影できる小型全天球カメラを共同開発国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と株式会社リコーは、宇宙空間(宇宙船外)で360°の全方位を一度に撮影できる小型全天球カメラを共同開発した。

本カメラは、小型衛星光通信実験装置「SOLISS」の2軸ジンバル部の動作確認用モニタカメラとして採用。ちなみに、この「SOLISS」とは、JAXAとソニーコンピュータサイエンス研究所が、JAXA宇宙探査イノベーションハブ(太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ)の研究提案の枠組みを利用し、将来の衛星間や地上との大容量リアルタイムデータ通信の実現を目指して共同開発した小型衛星光通信実験装置のことだ。

小型カメラは、2019年9月11日に打ち上げ予定の宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機で、国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けられ、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームから、360°の全天球静止画・動画を撮影し、地上に送信する予定だという。
・リコーの市販の小型全天球カメラ「RICOH THETA」がベースJAXAとリコーは、2018年に相互連携に関する覚書を締結し、共同で本カメラの開発に取り組んできた。

ちょっと驚きなのが、このカメラのベースになっているのは、リコーが市販する小型の全天球カメラ「RICOH THETA(シータ)」だということ。「RICOH THETA」は、44 mm(幅)× 130 mm(高さ)× 22.9 mm(奥行き)という、非常にコンパクトなサイズ感。市販のカメラに、宇宙空間の温度、放射線など、宇宙環境に耐えるための措置を施したもので、民生品の360°カメラが宇宙船外で全天球型の撮影をおこなうのは国内初の試み。

カメラのサイズ・重量を抑えられることが大きなメリットだ。今後、JAXAは本技術を宇宙探査機等の船外モニタカメラとして活用することを目指していく。

今後ますます進むであろう宇宙開発。宇宙はロマンをかきたてる憧れの存在から、現実の未来の存在へ変貌しつつあるのかもしれない。宇宙空間の美しい画像が地上へ届く日を楽しみに待ちたい。

株式会社リコー
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