大人が答えを言わない! 質問ベースの指導で子どもの「考える力」を伸ばす|ヤキュイクキャンプ2019 Summer

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2019年08月30日 19:32  ベースボールキング

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子どもたちの「考える力」を伸ばし、今後の人生に役立つ「ライフスキル」を身につける『ヤキュイクキャンプ2019 Summer』(8月5日〜7日)がこの夏初開催。技術や経歴は一切問わず、野球が大好きという小学校4〜6年生が千葉県鴨川市に集まりました。

侍ジャパンのアンダー世代でコーチを務めたこともある高橋雄太さんや、ご子息2人を侍ジャパンU-12に育てた宇野誠一さん等コーチ陣が、ライフスキル研究の第一人者である慶應義塾大学の東海林裕子教授による研修を受け、野球とライフスキルが融合されたカリキュラムを作成。従来の野球合宿とは大きく異なる特別なキャンプに、参加した子どもたちからも「楽しかった!」「また参加したい!」と多くの声が上がりました。

そこでヤキュイクキャンプならではの取り組みを、ライフスキルの項目に沿って計5回のシリーズで紹介していきたいと思います。第1回目のテーマは「考える力」です。

<ヤキュイクキャンプで高められる主なライフスキル>
1.考える力
2.リーダーシップ
3.感謝の心
4.チャレンジ
5.コミュニケーション



野球が上手くなる=考える力が高まる
2020年から大学入試制度が大きく変わることを皆さんご存知でしょうか? 学力を問うこれまでの勉強に加え、思考力や判断力、主体性をもって様々な人と協働する力が試されるようなります。その際に必要なのは「考える力」。ヤキュイクキャンプの大きな目的は、より一層多様化が求められる未来に向け、子どもたちに「野球を通じて考える力を身につけること」です。

野球の試合時間はプロ野球だと約3時間、中学や高校野球だと約2時間〜2時間半と一般的に言われています。では、実際にボールが動いている時間はどのくらいの時間でしょうか? 正解は「約15分」。意外に短いと思う方が多いかと思います。しかし、ボールが動いていないからといって何も考えずにボーと立っている選手はいませんよね。ボールが動いていない時間が長いからこそ「考える力」が一瞬のプレーの成否を左右するのではないのでしょうか?

メジャーリーグで前代未聞の二刀流として活躍する大谷翔平選手も野球が上手くなるためには、考える力が必要と確信した選手です。プロ野球選手になる前から野球の練習と平行して考える力を伸ばした大谷選手が今では日本だけではなく、野球の本場アメリカを熱狂させている事実があるのです。



失敗と成功が次の考えに繋がる
キャンプ中には「Baseball5(ベースボール5)」という野球とも、ソフトボールとも違う競技が行われます。ほとんどの子どもたちはルールも知りませんし、経験も皆無です。1チーム5人でバットやクラブも使わない新しいスポーツ。しかし、コーチから簡単なルールの説明を受けたら、すぐさま試合を行います。



試合になれば自然と勝ちたいという気持ちが湧いてきます。どうすれば得点が入るか、どのようにすれば失点を防げるのか。時には失敗の可能性が高い動きやギャンブル要素の高い作戦もコーチたちは口を出さず、子どもたちに任せます。なぜなら、失敗や成功を基に子どもたちの手でデータ(経験)を積み、それが次にアクションを起こす際の考えに繋がるからです。

初めは手探りでプレーする子どもたちですが、徐々にコツを掴み、カバーリングやチームメイトとの意思疎通の大切さなど、野球に通じている点が多いと気づいていきます。その気づぎはけっしてコーチから教わるのではありません。子どもたちの頭で考え、経験を積んだからこそ得られる知識なのです。



振り返りシートで明日をより良くするために考える
キャンプの1日の最後に必ず記入するのが「振り返りシート」です。「1日に点数をつける」「今日1日できたこと」「もっと良い点数を取るためにどうすればいいか」の3点を記入します。もちろん野球以外の生活面について書いても構いません。「ヒットを打てた」「声を出せた」「友達ができた」など自由です。1日の終わりに振り返ることで子ども自身が何を考えていたか整理する作業になります。

大谷翔平選手もプロ野球選手になる前からこのようなシートにグラウンドだけではなく、グラウンド以外でもどう考え、どう行動するべきか明確に書き続け、将来なりたい自分に一歩一歩近づいていきました。

今日できなかったことがすぐに明日できるわけではありません。しかし、1日を振り返り、明日のためにどうしようか考える…そういったことを習慣づけることが日々の成長に繋がるのではないでしょうか。

家ではお父さんやお母さんが進む道を示してくれるかもしれません。また、普段所属する少年野球チームであれば、監督やコーチが上手くいくように指示をしてくれるかもしれません。しかし、それは時として子どもが自ら考えて行動することを妨げてしまっているケースもあります。

子どもたち自身で挑戦し、経験を積み、答えを見出す。遠回りかもしれませんが、考える力を育むためにはこのような行程が重要です。ヤキュイクキャンプでは普段経験できない練習や座学を通し、野球が上手くなるためには考える力が大切と子どもたちに理解できるようなプログラムが組まれていました。



次回はキャンプで育まれた「リーターシップ」をテーマに、レポートします。

(取材・写真:細川良介)

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  • うちのバカ嫁も、子供に教えるときに答えをすぐ言ってる。結局子供は結論だけ求めてあまり努力しなくなってきている。
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