異例の声明を発表したファストフードチェーン「デイリークイーン」(画像は『Index-Journal 2019年8月23日付「Officials: DQ burgers aren’t made out of people」』のスクリーンショット) かつてファストフード店のハンバーガーにミミズが混在しているという都市伝説が流布したが、このほどアメリカで大手ファストフードチェーンが提供するハンバーガーのパテに「人間の肉が使われている」という噂が流れ、関係当局が異例の声明を発表した。『New York Post』『Index-Journal』などが伝えている。
サウスカロライナ州グリーンウッドにあるファストフードチェーンの「デイリークイーン」に今月21日の午前9時半頃、FBIと国土安全保障省の特別捜査官らが訪れた。そのためインターネット上で「デイリークイーンのハンバーガーのパテに人間の肉が使われているため、捜査官が訪れた」との噂が広がった。
しかしそのような事実は全くなく、彼らはある事件の捜査のために同店を訪れていたのだ。そして同日、違法送金事業を行っていたミハイルクマール・ジェイヤンティバイ・パテル(Mihirkumar Jayantibhai Patel)を含む男2人を逮捕している。パテルらはデイリークイーンの鍵がかけられていない倉庫にあった金庫に20万ドル(約2,100万円)を隠していた。
さらにパテルらは、出入国管理詐欺や人身売買にも関与していたとみられている。そのようなちょっとした情報から噂が歪曲し「人間の肉入りパテ」という都市伝説にまで発展してしまったようだ。
噂が大きく広がったことを受けてデイリークイーンは今月23日、公式Twitterで「デイリークイーンの100%ビーフを我々は非常に誇りに思っています。また添加物やつなぎは一切使っておらず、高品質なハンバーガーを提供しています」と声明を出した。
さらに捜査にあたったグリーンウッド郡の捜査官ソニー・コックス氏と同州国土安全保障省の捜査官も同日、『Index-Journal』を通じて「デイリークイーンの牛ひき肉パテに人間の肉は入っていません」とコメントし、次のように述べている。
「デイリークイーンではそのような噂による疑わしきものは全くありません。私自身も正直言ってこんな噂を耳にしたのは初めてですし、全く信憑性に欠けていると言えます。」
風評被害にあったグリーンウッドのデイリークイーンは、もちろん今も営業を続けている。ネット上では自由な発言が許されるかもしれないが、情報の真偽に対してはきちんと見極める必要がありそうだ。
画像は『Index-Journal 2019年8月23日付「Officials: DQ burgers aren’t made out of people」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)