妻くらたまと結婚してから住み始めた今の自宅は、もう10年近く暮らしています。もともとは大家さんと息子さん夫婦が住む3階建ての一戸建てだったんですが、息子さん夫婦が海外転勤となったため、2〜3階を借りてるわけです。1階には大家さんご夫婦が住んでいたのですが、最近、高齢の旦那さんが亡くなったため、 娘さん夫婦と高校生くらいの女の子が一緒に住むようになりました。
先日契約を更新した際、仲介の不動産屋さんから「大家さんのご家族が戻ってくるので、引っ越しを検討してもらえますか?」と打診されました。ただ、引っ越しすれば敷金・礼金などの費用もかかるし、同じような間取りと家賃の物件があるのかわからないし、希望物件が見つからなければ引っ越したくないんだよね。なによりも娘ココの問題があります。今小学4年生なので、小学校を卒業するまでは同じ学校に通わせたい!
そのことを不動産屋さんに伝えると、「わかりました。大家さんにもそう伝えます。ただ条件が合えば引っ越しも可能ということですね?」と念押しされたので、「そうです」と伝えた。すると、しばらくしてまた不動産屋さんが「大家さんが引っ越しを考えてくれるというのであれば、引っ越し費用の一部を負担してもいいと言ってます!」と電話してきたので、「では、そちらで物件を探してくださいよ。いい物件があれば見に行くので」と伝えました。
まあ、大家さんご家族としては、引っ越してほしいんだろうなぁ。でも突然言われてもすぐにできることじゃない。あと2年の間に探すしかないか。見つからなかったら、また更新させてもらいたいけど……。
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そんなことを考えていたら、また最近、不動産屋さんから電話がありました。「大家さんのご家族から“テレビの音がうるさくて眠れない”とクレームが入ってまして。ちょっと音を小さくしてくれませんか」というじゃないですか。
「え? 10年近く住んでますけど、今まで一度もそんなことを言われなかったし、うちも小学生の娘がいるので、極端に音量を大きくしてるはずはないんですが」
「確かに今まで、騒音のクレームはなかったですね。ただ、ちょっと気をつけてもらえると……」
「まあ、わかりました」
というわけで、テレビの音をなるべく小さくしてみたんです。ところが1週間後にまた不動産屋さんから電話が!
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「“まだテレビの音がうるさい”とクレームが入りまして……」
「ええ? また? なんで? 下に大家さんのご家族が住み始めてから、音量を上げたことはないのに! それどころか、前回のクレーム受けて、音を小さくしてるんですよ」
「それでも響くみたいです……」
「わかりました、どうにかしてみます!」
オレとしても、大家のおばあさんとはよく話すし、大事にはしたくないわけです。でも2回もクレームが入るんだから、よっぽどうちのテレビの音がうるさいんだろうな。しかしこれ以上ボリュームを下げると、音が聞こえない。どうしたものか……。改めてテレビ周りを調べてみました。そうしたら、テレビとつないでいるスピーカーを直接床に置いてることが発覚! だから下に響くのか! 早速100円ショップでレンガ風発泡スチロールを購入し、その上にスピーカーを置いてみました。これだったら響かないだろう!
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その2〜3日後の夜10時過ぎに、突然自宅のインターホンが鳴りました。「何事?」と思いながら出てみる。「あのー……下の者なのですが、テレビの音が響くので、ボリューム下げてもらっていいですか?」と、高校生くらいの女の子が立っている。多分、大家さんのお孫さんだろう。「え? まだ響きますか?」「そうなんです」「わかりました……」。すぐさま音量を下げたんですが、もうこうなるとテレビが全然聞こえない! こりゃ一体どうしたらいいものか。
翌朝、仕事に行こうとすると、大家のおばあさんが出てきました。「昨日はうちの孫がすみません。どうやら音にかなり神経質みたいで。もし、防音できる物を購入していただけるなら、費用はこちらで出しますので言ってください。ご迷惑かけます」とご丁寧な提案がありました。もう仕方がない、スピーカーを取り外して、テレビからの音声だけにしよう! これだったら大丈夫だろう! そして案の定、この“奥の手”により、クレームはなくなりました。よかったよかった。
ご近所トラブルって、こういう感じで始まっていくんだろうな。でもそこは話し合えば解決すると思うんですよね。ところが、 話し合いでも解決できそうにないご近所トラブルもあるということを実感する出来事がありました。その話は次回で!