状態が悪くてもゲームを作るロッテ・古谷拓郎

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2019年09月03日 07:32  ベースボールキング

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ロッテの古谷拓郎[撮影日=2019年2月8日]
◆ 自己最長の6回、97球を投げた!

 「長いイニングを投げたいので、終盤まで球威を落とさずコンスタントに同じ球速で最後まで投げ切りたいと今は、思っています」。

 ロッテのドラフト6位ルーキー・古谷拓郎は、高卒新人ながらイースタン・リーグ3位タイの6勝をマークする。

 6勝目を挙げた8月29日の日本ハムとの二軍戦、自己最長の6回、97球を投げ、2失点に抑えた。

 数字だけ見れば先発の役割を果たしたといえるが古谷は、「自分のイメージと違ったので苦しかった。無駄な四球とかで自分でピンチを作ってしまった。最低限失点しないようにという感じで、2点で収まったのはよかった」と振り返る。

 小野晋吾二軍投手コーチも古谷の投球について「最初はあんまり良い状態に見えなかった。自分と戦っている姿が見えた。対バッターに向かっていくように、2回が終わった時点で話をして、そこから姿が変わってきた」と話すなど状態があまり良くない中でも、試合の中でしっかりと修正した。

 守備陣にも助けられた。「いい当たりもたくさんありましたが、外野の伊志嶺さん、菅野さん、山口がファインプレーをたくさんしてくれて、助けてもらいました」。初回、野村佑希が放ったセンター後方の飛球をセンター・伊志嶺翔大、4回に白村明弘の打球をレフト・山口航輝、5回に浅間大基の打球をライト・菅野剛士が好守備を見せ、先発の古谷をもり立てた。

 毎回走者を背負いながらも、6回2失点と試合を作った古谷に小野コーチは「ある意味すごい。あそこまでゲームを作れる能力を持っている」と日本ハムとの二軍戦の投球を評価した。

◆ 小野コーチ「やらなければいけないことがたくさんある」

 近年のマリーンズの高卒新人は、1年目は主に体づくりがメインで、ファームでの登板も数試合しか投げていない。チームトップの7勝を挙げる高卒3年目の種市篤暉は1年目、ファームで1試合、1イニングの登板だった。

 そんな中で、古谷はすでに実戦登板を重ねるなど、順調にステップを踏んでいるように見える。小野コーチは「正直ここまで投げられるとは思っていなかった部分もありますし、想像以上にやれている部分はある」と評価しながらも、「ただまだやらなければいけないことがたくさんある」と体力づくりを含めた課題点はまだまだあると感じているようだ。

 課題点があるなかファームで6勝をマークする古谷。先発ローテーションで投げる体力、技術がついたときに、どんな投球を見せるか今から楽しみだ。

▼古谷のファーム成績と先発成績
今季成績:10試 6勝2敗 35回 防4.11
先発成績:6試 4勝1敗 28回 防3.21

※成績は2019年9月1日時点

取材・文=岩下雄太

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