なぜハサミがモチーフに? 『アス』ジョーダン・ピール監督のインタビュー映像公開

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2019年09月05日 20:01  リアルサウンド

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『アス』(c)2018 UNIVERSAL STUDIOS (c)Universal Pictures

 9月6日に公開される映画『アス』より、ジョーダン・ピール監督のインタビュー映像が公開された。


参考:『ゲット・アウト』『Us』が米社会にもたらした衝撃 ジョーダン・ピールの恐怖と笑いの原点とは


 本作は、『ゲット・アウト』で第90回アカデミー賞脚本賞を受賞したピールが監督・脚本・製作を手がけた最新作。『セッション』『ゲット・アウト』『ブラック・クランズマン』のジェイソン・ブラムが製作を務め、『それでも夜は明ける』のルピタ・ニョンゴが主演を務めた。


 アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速、友人たちと一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われたことで過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。やがて、家族の身に恐ろしいことが起こるという妄想を強めていくアデレード。その夜、家の前に自分たちとそっくりな“わたしたち”がやって来る。


『アス』ジョーダン・ピール監督インタビュー
公開されたインタビュー映像では、ピール監督が本作のアイデアの源やテーマから劇中に登場するモチーフの意味やキャスト陣まで、様々な事柄について語る。ドッペルゲンガーから着想を得た理由について、「もしドッペルゲンガーに出会ってしまったらどちらか一方は消えなければならない。死を直感する現象なんだ」「最大の敵は自分だ、という発想を得た時に本作のアイデアが固まった」と語る。


 主人公アデレードが幼少期のトラウマを蘇らせることとなる本作の舞台・サンタクルーズについて、「実に楽しい雰囲気が漂っている」と印象を語ったかと思えば「私はそういうとても牧歌的な場所のイメージを覆すのが好きなんだ」と、“Sっ気”を見せるピール監督。しかしその後「ホラーには観客が息抜きできる要素を入れたい」と付け加えた。


 『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したニョンゴは、本作で平凡な主婦アデレードとその分身レッドの1人2役を演じている。ピール監督は、彼女について「唯一無二の俳優だ。役に対して真摯に向き合い、徹底的な役作りをする」と語る。またキャラクターについて「アデレードは物語の主人公にして大黒柱。観客の目を引きつけるし全編を通して感情移入できる人物だ。しかしレッドはまったく違う。彼女が部屋に入ると空気が凍りつく。見た瞬間に彼女が全てを掌握していると分かるんだ」と話している。


 本作のビジュアルにも度々映り込む“わたしたち”の武器・ハサミ。スリラー映画定番アイテムの一つだが、ピール監督はそんなハサミについて、「最高の敬意を払いたくて作品の中心に据えることにした」と明かしている。


 「自分にとってスリラー映画は自分の中の恐怖と向き合う手段」であり、だからこそ大好きだと語るピール監督。コメディアンとしての顔も持つピールは、スリラーが大好きな理由は、「コメディを好きな理由とも共通している」と話す。それは「両者ともクレイジーな展開が許容される一方で、現実と密接に結びついているほど面白い」点。社会に対して様々な考えを持つピール監督にとって、スリラー映画ほど自分の作りたいものを表現できる環境はないのだろう。(リアルサウンド編集部)


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