物件の「日当たり」は気にする必要ない!? もっと重要視すべきポイントは?【アラサー女、理想の賃貸物件を探す】

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2019年09月07日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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 「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8〜9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10〜12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性ひとり暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?

■物件三銃士から3つの助言
1)「日当たり」よりも「風通し」を重要視せよ
2)「洗濯物の室外干し」が危険な理由
3)運気が上がるベストな「部屋の形」とは

<物件の場所>

・都心部から電車で15分、最寄り駅(特急も停車)から徒歩10分
・大通りから2本離れた小道にあり
・周辺は同じ高さの住居やビルに囲まれており、建物の間隔が狭い

<詳細情報>

敷金なし/礼金1カ月分、鉄筋コンクリート、5階建/4階(9戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラあり、ペット不可、オートロックあり、テレビモニター付きインターフォンあり、宅配ボックスあり、ゴミ出し24時間OK、都市ガス、階段・エレベーターあり、浴室乾燥機あり

 物件を探すとき、どうしても気になるのが「日当たり」。部屋が北を向いていると、あまり日が入ってこないのはわかるのですが、じゃあどこを向いていればいいのかというと、素人には判断がつきません。それに、たとえ日当たりの良い方角を向いていたとしても、周辺に高い建物があったら、光が遮られてしまって意味がないなんてことも……? いったい何に注意して「日当たり」を考えればいいのか教えてください! また、この物件は窓が小さく、バルコニー側の窓が“すりガラス”になっています。防犯の面では安心かもしれませんが、大きい窓の方が換気もしやすいし、部屋が広々と感じられそう。「窓は大きいに越したことはない」ような気もしますが、一人暮らしに“ベストな窓”って、どんなものなのでしょうか。

「住居のプロ」福岡由美氏の評価 ★★★★☆

 駅徒歩10分、特急停車駅で都心へ15分、防犯・設備・管理もしっかりしている角住戸なら、とてもバランスの良い物件と言えます。唯一の課題は、「日当たり面で妥協できるかどうか?」というところでしょうか。

 日本人の多くは「日当たりの良い部屋」が好きで、特に“東南角住戸”が最も好まれる傾向にあります。しかし、アメリカ西海岸などの日射しの強い地域では、「日当たりの良い南向きの部屋は紫外線が強すぎる」という理由から、あえて家族団らんの場となるリビングを“北向き”に配置する住戸も多いようです。筆者自身も、家具の日焼けやお肌のシミ対策を考えて、“北向き”や“西向き”の住戸をあえて選んできました。実は“北向き”“西向き”の住戸というのは、“南向き”“東向き”の住戸と比べると、賃料の設定が安くなっていることが多いので、おトク感もあるのです。

 また、働くシングル女性の生活サイクルを考えてみると、朝から仕事に出かけ、夜は日が沈んでから帰宅するのが一般的でしょうから、せっかく「日当たりの良い部屋」を選んでも、昼間はほぼ自宅に不在の状態。もちろん、たまの休日にポカポカとした日だまりの中でまったり過ごす楽しみはありますが、その時間を“自分の人生で最も大切な時間”として重視している方でなければ、「日当たりの良さ」の恩恵を受ける機会は、「ほとんどない」と言えるでしょう。

 日当たりが悪いことで「洗濯物が乾きにくい」という懸念もあると思いますが、実は近年、防犯・防災と美観維持の理由などから、「洗濯物を外に干さないこと」というルールを設けた物件が、都心を中心に増えています。そもそも、女性の場合は「部屋干し派」や「夜干し派」が多いはずですから、この物件のように、夜でもカラっと乾燥できる「浴室乾燥機」があれば、洗濯物への心配はいらないと思われます。よって、働くシングル女性の住まいを選ぶのであれば、あまり「日当たり」については考えなくても良いのではないでしょうか?

 1点だけ注意するべきは、「日当たり」と「風通し」は別だということ。日当たりの悪い部屋で風通しまで悪いと、カビや湿気が発生しやすくなるため、オススメできません。この物件の場合は南・西の2方向に窓があり、風通しの良さそうな角住戸のため、評価は高めです。

■福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖

 「管理人巡回」「防犯カメラありオートロックあり」「テレビモニター付きインターフォンあり」「宅配ボックスあり」「ゴミ出し24時間OK」と、設備や条件的に住みやすく、セキュリティが高いと思われる物件です。また、立地的に「特急も停車する駅から徒歩10分」な上に、大通りからもそう離れていないようなので、利便性も高いです。ただ、住居やビルに囲まれているということで、それらの物件がオフィスや賃貸物件が中心だと、住民同士の面識は少なく、地域の防犯意識は低い可能性があります。

 また、“すりガラス”についてですが、通常のガラス窓では向かいの建物から“丸見え”になってしまうため、すりガラスを使用して、部屋の中が見えにくいように計らっているのだと思われます。しかし、防犯的に効果が高いかというと疑問です。確かに目隠しにはなりますが、複層ガラスの間にフィルムを挟んだ「防犯ガラス」でなければ、ガラスを割って部屋に侵入できてしまうため、安全面ではあまり効果がないのです。それと、気になるのは「隣のビルとの距離」。バルコニー同士が接していると、窓から簡単に侵入されてしまう可能性があり、女性の一人暮らしでは不安が伴います。

 窓について、もう一つ確認してほしいのが“鍵”です。一般的に、賃貸住宅では「クレセント錠」が使われていますが、これは防犯性能が低く、ガラスを割って鍵を回すことで、簡単に窓を開けられてしまいます。クレセント錠でもロック機能のついているものは開けにくくなりますが、さらに自身で補助錠をつけたり、窓に防犯フィルムを貼ると安心でしょう。解錠までに時間がかかればかかるほど、不審者は侵入を諦めることが多いのです。

 また、この物件であれば、洗濯物の室外干しはオススメしません。ほかのビルと隣接した場所に洗濯物を干せば、女性の一人暮らしであることだけでなく、留守にしている時間が知られてしまう可能性があります。どうしても外干しをするのであれば、人に見られてもいい洗濯物に限り、下着等は部屋干しするのがいいでしょう。

 なお、この物件は防犯上の懸念も決して少なくはないですが、窓が小さく少ない点がとても気になります。入居前にはキレイにクリーニングされていても、通気性の悪い収納の中などは、カビが生えている可能性があるからです。湿気やニオイなど気になる点はないか、物件を見学する際に、収納等すべての扉をしっかり開けて確認しましょう。

■河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。

 風水的に、窓は「大きさ」より「場所」の影響が強いです。例えば、高層ホテルの高層階から見た眺めのような、開放的な景色が堪能できる状態だったり、窓の外が庭園や森林公園で、緑豊かな美しい景色の場合は、窓があると運気が高くなります。一方で、窓を開けてもコンクリート壁があったり、ほかの家の窓があって顔を合わせてしまう状態の場合は、大きな窓であっても、換気をする時以外はカーテンを閉めておいた方が良いでしょう。

 玄関を入って廊下があり、そのまま窓がある間取りの場合、入って来た運気が窓から出て行ってしまうので、間にある扉などを閉めておく必要があります。また、レースのカーテンを1枚、常に閉めておくようにするといいでしょう。ちなみに、トイレや浴室は、しっかりと換気して良い気の入れ替えを行いたい場所ですので、窓があるととても良いです。

 日当たりはその方のライフスタイルによって、ストレスが少ない物件を選ぶと良いでしょう。ただし、基本的に日当たりは良い方が「陽の気」を多く受けるので、良い物件となります。そう考えると、この物件は建物の間隔が狭く、日当たり・風通しが悪いと考えられ、「陰の気」が強くなります。この気が強くなると、行動意欲がなくなったり、マイナス思考になったりしてしまいます。プライバシーを気にしなければならない部分も増えると思いますので、極端に建物の間隔が狭いような物件はオススメできません。

 この物件はほぼ“正方形”で欠けがない形なので、運気も欠けることがなく良いです。ただし、正方形の間取りは“結界”が張られる状態になり、悪い運気も良い運気も入りにくい状態が作られやすいです。長方形の物件、特に東西に長い辺があり、かつ、長辺・短辺のバランスがほどよく保たれている物件がベストと言えるでしょう。

■生田目浩美。(なまため・ひろみ)
1998年より風水師に師事し、風水・九星・祐気採り(吉方位判断)・吉日の選定・手相・姓名判断・家相学などを学ぶ。独立後、恋愛・仕事など、女子たちが持つ多くの悩みに寄り添い、楽しく前向きに生きるコツを伝授する。

物件三銃士の総合評価 8点/15点

次回は……「ユニットバス」の“利点”を教えて! 「駅がたくさん使える」のはイイことばかりじゃない!?

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