『ボイス』増田貴久は、本当にただの裏切り者なのか? シリアルキラー・伊勢谷友介がついに動く

1

2019年09月08日 12:01  リアルサウンド

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

『ボイス 110緊急指令室』(c)日本テレビ

 「やつは楽しんでいます」。どれだけ悲痛な叫び声をあげても、それが栄養分となってしまう狂気のシリアルキラー。それが本郷雫(伊勢谷友介)という恐ろしい男だ。『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)第8話ではついに樋口(唐沢寿明)とひかり(真木よう子)のもとに雫が自ら姿を現わすが、真犯人だとわかったところで捕まえることができないというジレンマを与える。その姿を見て楽しむ雫と、手を出せない刑事たちの様。沖原(木村祐一)に続き透(増田貴久)もまた、この狂気の男の言いなりになってしまったのだろうか。巨大な闇が明るみになった第8話の展開を振り返っていこう。


参考:場面写真はこちらから


 上杉(手塚とおる)が自殺に見せかけて殺されており、真犯人へつながる手がかりを失ってしまった樋口たち。しかし、その場にあったレコーダーを解析していくと、 未希(菊池桃子)が大きな闇に触れつつあったということが判明する。彼女の声に耳を傾けられなかったことに悲嘆する樋口だったが、気持ちを新たに真犯人の捜査へと身を乗り出す。


 しかしその熱意も虚しく、上からの圧力による検察の強制捜査と内通者の存在が行く手を阻む。樋口がECUとして捜査に当たった詳しい状況までもが筒抜けになっていることから、ECU内、さらには諸々の疑いがぴったりとハマってしまう透が内通者なのではないかという疑念が浮かび上がっていく。


 捜査の進展がないまま、ついに動き出したのは雫のほう。ひかりの自宅へと不穏に近づいていき、ドアの覗き穴に狂気的な目が張り付く展開は、さながらホラー映画のような不気味な緊張感を表出させる。自ら危険を冒してでもやってきて、殺せたかもしれないのに殺さない彼の行動は、本当に楽しんでやっているとしか言いようのない奇行だった。


 雫の行動は止まることなく、ついには樋口とひかりのいる港東署へ。雫の声を聞いた瞬間に震え上がるひかりの姿を見て興奮しているのも、ふたりに正体が知れたところで絶対に捕まらない自信があるというのも、なんとも嫌らしいテクニックだ。また、雫を見て顔を強張らせる透の姿からは、ただならぬ恐怖感が感じ取れる。


 透が内通者として情報を流していたのはほぼ確実ではあるが、単なる裏切り者ではなく、やはり雫に怯えてやっているということが見ていてわかるだろう。検察から起訴されそうになる樋口を救ったり、襲われそうになった大樹(鳥越壮馬)を助けたりと、それはこれまでの行動を見ても明らかだ。次回予告にて「怖かったんですよ!」と叫ぶ透がどんな理由で雫に協力することになってしまったのか、彼を巨大な闇のしがらみから解放してあげられるのは、きっと樋口しかいないはずだ。これまでのように、樋口と透の信頼関係が事件を解決へと導く展開に期待せずにはいられない。 (文=原航平)


    ニュース設定