保育園の副園長から「娘の服装」を注意……ママ友LINEでの疎外感が「つらい」現状

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2019年09月08日 21:33  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。


 子どもを保育園に通わせているママにとって、服装や持ち物の悩みは尽きない。近年は、認可や認証など、保育園の種類も細分化されているため、とりあえず一時的に入園し、条件の良い園へと転園を繰り返しているケースや、上の子と下の子が別々の園に通っているケースなどがあるが、それぞれ園によってルールが違うため、ママは混乱してしまうという。

 関東近県にある認可保育園に、3歳になる女児を通わせている舞子さん(仮名)は、子どもの服装が原因でママ友と険悪な雰囲気になってしまったという。

 舞子さんは「うちの子は、2歳までは小規模の認証保育所に通っていました。空きが出た認可保育園に4月から転園できたのですが、そこは認証保育所とは違って、細かなルールが多かったんです。最初にもらう“入園のしおり”みたいなものは、コピーされた数ページの冊子。服装については、枚数など最低限のことしか書いていなかったため、どういう服はNGなのか、わかりませんでした」と、トラブルの発端は園の説明不足にあると語った。

「これまでの園では、チュニックやワンピースも可で、暑い日はノースリーブも大丈夫だったのですが、新しい園は、Tシャツ以外全てNG。散歩など課外活動で汗をかくため、夏は3回ほど着替えもすることもあるとかで、服の数が足りなくなってしまいました。さらに、ボトムも飾りなどがついていないズボンのみで、子どもが好きなスカートとズボンや一体化したスカッツもダメでした。先生から、口頭で注意されただけだったので、しばらくダメな服も着せて登園させていました」

 認可保育園に転園すると、すぐにリーダー格のママから、LINEのグループチャットに招待されたという。もともと、あまりメッセージを送る習慣のなかった舞子さんは、ほとんど読むだけになっているという。

「私は普段、web媒体の編集をしているのですが、土曜も在宅で仕事をしているため忙しく、LINEの通知が頻繁になるのが、正直うっとうしい時もあります……。これまでの小規模保育所では、3歳になるとみんな卒園しなければならないので、あいさつ程度の付き合いだけでした。でも認可保育園では、0歳からずっとクラスのメンバーが固定で持ち上がっているので、結束が固いんですよね」

 LINEの普及によって、ママ友同士も気軽に連絡先を交換できるようになったが、交流自体を避けることができないストレスもあるようだ。

「私はママ友付き合いが面倒なのもあって、保護者会などの行事には参加しない方針でいたんです。だいたい、保護者会の内容はグループチャットで確認できるし、前の園では、全体での保護者会などはなかったので、出席しなくても大丈夫かなと思っていました」

 しかし、今の園では保護者会や意見交換会などの集まりの後に、気の合うママ友同士でランチ会などが行われていたそうだ。

「普段のお迎えではゆっくり話す機会がないので、保護者会の後にママ同士でランチをしたりして情報交換をしているようでした。保護者会で、服装について飾りがあるようなものはダメなど、細かく注意があったため、ランチ会では娘の名前が挙がっていたようです……。お迎えなどで、同じクラスのママと会っても、なんだかよそよそしいなと感じるようになりました」

 保育園の服装は、年齢によっても、園によってもまちまちで、ルールが統一されていない。また同じ園でも、保育士の方針によっては、たとえルールに反した服装であっても、厳しく言われないケースもある。

「保育園は、入園してみないと持ち物や服装などの決まりがわかりづらい部分があり、困っています。先生によっては見て見ぬふりですし、となるとこちらも『これくらい大丈夫でしょ』という思いがあるので、どうしてもNGな服を着せてしまうんです。でも、うちの子が、フリルの付いているカットソーや、ショートパンツを穿いていると、『同じクラスの女児が着たがる』と言って、副園長から『やめてください』と直々に注意されました」

 LINEのグループチャットでは、舞子さんの娘の服装については誰も何も触れないという。彼女は、「それが逆につらいんです」と語った。

 都内で4歳になる男児を育児中の真琴さん(仮名)は、プールの帽子を入れ忘れたため、「息子だけプールに入られなかったのが悔しい」と語った。彼女の息子が通っている保育園は、夏の間、園庭に小さなビニールプールを出して学年ごとにプール遊びをしているという。

「園のプールは、子どものひざ下くらいの水位なので、泳いだりはせず、水浴び程度。今年も猛暑だったため、息子はプールの日をいつも以上に楽しみにしていました。でも、私が水泳帽を入れ忘れてしまった日があり、保育士から『プールには入れないですが、プールサイドでホースを使った水浴びができます』と言われたんです。それなら、まあいいかと思って、帽子を取りに帰る時間がなかったので、息子には『今日は水浴びだけだよ』と伝えました」

 しかし、お迎えに行くと、プールバッグの中身が使われていないことに気付いたという真琴さん。

「息子が通っている園は、先生の入れ替わりが激しくて、朝は補助の先生が対応してくれたんです。その人はルールを理解していなかったようで、実際には、水泳帽がないと水浴びも一切できないようでした。息子は風邪などで入ることができない子と一緒に、部屋で本など読んで過ごしたそうです。あれだけプールを楽しみにしていたのに、別部屋に連れていかれたと知って、思わず、『水浴びはできるって言ったじゃないですか!』と、その場で保育士を問いただしました」

 真琴さんは、2年前からこの園に通っているが、水泳帽に関するルールは初めて聞いたという。

「園側のルールが一転、二転するので、ママ友たちのグループチャットで、『帽子を忘れたら、水浴びもできないっていうルール、聞いたことがありましたか?』と聞いてみたんです。みんなモンペと思われるのが嫌なのか、『そういえばそうだったかも……』とすっきりしない返事ばかりでしたね」

 このように、ルールが明確化されていないため、混乱が生じることは少なくないというが、真琴さんは、グループチャットを見ていると、「保育園を批判するようなことを言う人はあまりいないんだな」と感じたという。幼稚園とは違い、0歳児で入園すると6年間登園する保育園において、「ママたちは、保育園となるべくトラブルを起こしたくないというのが本音かもしれませんね」。

 0歳になる男児と、1歳になる女児を育児中の光代さん(仮名)は、「持ち物が複雑すぎる。準備を夫に任せられないほどです」とため息をつく。

 光代さんが子どもを預けている園では、オムツやスタイ、口拭きタオルなど、全ての持ち物に名前を書かなければならず、前日に準備するのが一苦労だという。

「ママ友が預けている園では、オムツは園が準備したものを使うので、一個一個に名前を書く手間がないそうなんです。お昼寝のシーツも貸してもらえ、荷物も少ない。うちは外遊びの帽子も、昼寝用のシーツも全部持参しなければならず、月曜の朝は、大荷物で自転車がひっくり返りそうなんです。LINEでよく愚痴を聞いてもらってますよ」

 光代さんは、必要なものが入園前にわかれば、今の園を選ばなかったというが、実際は、行きたい園を選んで入園することは、「今の制度上、難しいのでは」と光代さん。園側も人手不足からか、事前に「何が必要か」を保護者にしっかり説明できない面もあるのかもしれない。

 そうなると、ママたちも右往左往してしまうのは致し方ない。情報交換のため、グループチャットをうまく活用できるようになるといいものだが……。
(池守りぜね)

このニュースに関するつぶやき

  • 認可外は子供の入れ替わりも激しく、ママ友付き合いはまるでない。規定もゆるゆる。認可園めんどくさいのね。こっちでも成長や教育的指導を担うぞと言う意気込みは高いので、別の意味で服は指導されるけど。
    • イイネ!2
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