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エボラウイルス病が再び、大流行 東京五輪への影響は?

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2019年09月09日 18:25  AERA dot.

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写真コンゴ民主共和国での予防摂取の様子=仲佐医師提供
コンゴ民主共和国での予防摂取の様子=仲佐医師提供
 中部アフリカに位置するコンゴ民主共和国北キブ州周辺で、エボラウイルス病(エボラ出血熱)が大流行(アウトブレーク)している。昨年8月から1年以上続き、今も勢いは衰える気配を見せない。この状況を受け、世界保健機関(WHO)は7月18日に「緊急事態(PHEIC※)」を宣言した。

 8月26日現在、発症者は2980人、死亡者は1965人。医療従事者155人への感染も明らかになり、死亡率は65・9%にのぼる。隣国ウガンダ共和国での発生も確認された。これは、2013年に始まったギニアなど3カ国での史上最悪の流行(感染者2万1724人、死者8641人。15年1月21日現在)に次ぐ規模になっている。

 エボラウイルスは、1976年にコンゴ民主共和国(当時の国名はザイール)のエボラ川流域などで発見されたウイルスで、現在、5種類が確認されている。感染経路はまだ完全に分かっていないが、ウイルスを持つコウモリやサルなどの動物から人に感染すると言われている。感染者の嘔吐(おうと)物や便、血液などに触れることでも感染するが、空気感染はしない。

 今回、国立国際医療研究センター国際医療協力局から、「コンゴ保健省次官付け顧問・国際協力機構(JICA)専門家」として現地に派遣された仲佐保(なかさ・たもつ)医師は、「コンゴの一部では今も死者を土葬する際、遺族のなかには遺体を洗ってからハグし、キスをする人たちがいる。こうした風習が感染を広げている一因になっている」と話す。

 症状は、38度以上の発熱、頭痛・関節痛、下痢、嘔吐など。意外だが、出血が見られるのは1割程度。「エボラ出血熱」では誤解を招くことから「エボラウイルス病」に改称された。死因は嘔吐と下痢による脱水、免疫不全、出血。“感染すると死ぬ”というイメージが強いが、実際は「早期に見つけて、(脱水を防ぐ)点滴などをしっかりやれば助かる」(仲佐医師)という。

 そして、今回の流行への対策で注目を集めているのが、ワクチンと治療薬だ。

 仲佐医師によると、WHOが提供し、試験的に投与しているという。有効性は98%。ちなみにインフルエンザワクチンの有効率は報告があるもので60%程度(2015−16年シーズンで6歳未満を対象にした調査)。単純には比較できないが、そう考えるとかなり高い。

 一方、エボラウイルス病の治療薬は、キブ州周辺に10カ所あるエボラ治療センターでのみ使用されており、死亡率は66・7%から34%へと減少したことが分かっている。

 ワクチンや治療薬による新たな試みは始まったものの、いまだ感染者、死亡者数は増え続け、終息の見込みはたっていない。なぜなのか。仲佐医師は言う。

「理由はいろいろありますが、大きく二つあると考えています。一つは、この治療を行うセンターが限られているため、患者全員に薬を投与することができない。もう一つは、地域の一般病院で死亡してから感染が分かるケースも多く、家族や接触者を特定できないため、ワクチンが十分に摂取できない、ということです」

 キブ州は紛争地域であり、治安が悪いことも挙げられる。実際、外務省から「退去勧告(レベル4)」が出ている地域であり、派遣された仲佐医師らでも現地に入ることは止められている。最先端の医療が整っても、それを十分に発揮できる体制や環境がなければ、感染は止められないということなのだろう。

 仲佐医師らは、現地の医療スタッフに対し、感染予防や、キンシャサを訪れる人への検疫強化(体温を測る、症状があるかどうか聞き取るなど)のトレーニングを行っている。

 感染の広がりは抑えられるのだろうか―。

「今回の流行で最もおそれているのは、首都キンシャサでの流行です。人の流通が多ければコントロールがつかなくなります」(仲佐医師)

 怖いのは日本への影響だ。来年には東京オリンピック・パラリンピックも控えている。その点について仲佐医師は「WHOの症例は、あくまで現地に限定されている」とする。だが、ルワンダと隣接する中規模都市のゴマでも感染者が見つかっている。

「ゴマで拡大し、首都のキンシャサでの流行、もしくは隣国のウガンダやルワンダにおける流行が始まらない限り、影響はないといってよいと思います」(同)

※Public Health Emergency of International Concernの略で、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」のこと。

(本誌・山内リカ)

※週刊朝日オンライン限定記事

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  • 日本人は免疫ぐ弱いから爆発的に流行るかもしれない。今のうちに国は対策をしとかないとね
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