八方塞がりだと感じるアラフォー女性たち

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2019年09月10日 12:00  citrus

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■「女は結婚すればいい」という時代ではない

 

「人生、失敗したなあと思うことばかりです」

 

苦笑いしながら言うのは、マヨさん(43歳)だ。西日本で4人きょうだいの末っ子として生まれ育った彼女は高校を卒業し、東京の専門学校へ。だが周囲になじめず中退。スナック勤めをしていたが、体調を崩して夜の仕事はむずかしくなり、今は契約社員として働いている。

 

「生活するのに必死ですよ。実家は兄夫婦があとをとっているので帰るわけにもいかない。この先、どうやって暮らしていけばいいのか……」

 

一時期は婚活に精を出していたこともある。一発逆転でお金持ちと結婚できると思っていたのだ。だが、そうはうまくいかない。サラリーマンとつきあって結婚寸前までいったこともあったが、彼の浮気が発覚、どうしても許せずに破局の道を選んだ。

 

「最近になって、誰でもいいから結婚しちゃえばよかったと思うけど、あのときは浮気する彼なんて許せないと思っていた。もちろん、結婚すれば人生すべてうまくいくわけではないけど、完全に人生のレールから外れてしまった気分です」

 

 

■人生、捨てたものではないということも

 

「私もうまくいかないことばかりで自分に腹を立てていましたけど、それでも自分が動けばなんとかなる。最近、そう思っています」

 

アケミさん(40歳)は明るい笑顔だ。正社員として仕事をしていたが、30代前半で転職した会社で人間関係につまずいた。そこからは派遣や契約で働く日々。

 

「5年ほど前から実演販売の仕事をしていたんですよ。どうやったら人が集まってくれるか、試食して買ってくれるかをこつこつ研究していた。そうしたら2年くらい前から、人の動きやどういう言葉で人が気持ちを動かすかが少しずつ見えてきた」

 

彼女は1年前にある会社にスカウトされた。接客業のプロとして。

 

「考えたら私は接客が好きだったんですよね。結婚しそこなってひとりで生きてきて、自分が孤独だったから接客が好きになったのかもしれない。人生、捨てたものじゃないなと思います」

 

そして久々に恋愛も始まった。結婚ということになるかどうかはわからないが、あまりこだわってはいないらしい。

 

「人の気持ちを和ませるような接客を、これからも考えていきたいんです。この年にやって、ようやくやりたいことに巡り会えた気がするから」

 

アラフォーで人生に絶望するのはまだ早い。いつからでもやり直しはできる、とアケミさんは柔らかい笑みを浮かべた。

 

※この情報は2018年8月26日時点のものです

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