「3路線使用可能・駅徒歩10分」好条件に“決定的な欠点”アリ!?【アラサー女、理想の賃貸物件を探す】

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2019年09月14日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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 「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8〜9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10〜12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性ひとり暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?

■物件三銃士から3つの助言
・「ユニットバス」は利点もあるが、“決定的な欠点”も多い
・物件情報には載らない「バスの路線図」を確認せよ
・「多路線使える」は基本的に“メリット”と見てOK

<物件の場所>

・都心部から電車で10〜20分。周辺に3路線駅があり、一番近い駅まで徒歩10分、遠い駅で20分かかる(通勤で使う路線は徒歩10分)
・大通りから1本小道に入った住宅街だが、街灯もあり夜でも明るい

<詳細情報>

敷金/礼金それぞれ1カ月分、鉄筋コンクリート、4階建/2階(17戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラなし、ペット不可、オートロックあり、インターフォンあり(テレビモニターなし)、宅配ボックスなし、ゴミ出し24時間OK、都市ガス、階段あり、エレベーターなし

 この前、一人暮らしの女性と話をしていたら、「ユニットバスは掃除がラクでいいよ!」と言っていて、ちょっと驚きました。これまで見ていただいた物件は、どれも「バス・トイレ別」で、何となくそれが“常識”だと思っていたからです。その話を聞いてから、ユニットバスの物件も含めて探してみたんですが、都心に近くて家賃も安く、かなりいい条件の部屋が結構あってまた驚き……。でも、イマイチ「ユニットバス」の利点がわからなくて、この部屋に決めるのは勇気がいります。やっぱり、無難に「バス・トイレ別」を選んだ方がいいですか? ちなみに、この物件は「3路線利用可能」を売りにしているようで、一番遠い駅だと徒歩20分とのこと。基本的には会社と家の行き来しかしないのですが、「路線は使えれば使えるだけいい物件」なのでしょうか?

「住居のプロ」福岡由美氏の評価 ★★★☆☆

 この物件の場合、駅近ではないものの「3路線使える」という利便性は、働く女性の住まいとして大きなメリットです。近年は突然の局所豪雨などで、鉄道の運行がストップしてしまうケースも増えていますから、そうした不測の事態のときに「鉄道トラブルを回避できる路線を複数持っている」という点は、“強み”と考えて良いでしょう。

 やはり、交通手段が充実したエリアというのは、賃貸物件としてもニーズが高くなる傾向にあります。鉄道に限らず、バス路線も含めて「どのような交通手段が使える物件か?」については、必ず自分でチェックするようにしましょう。物件情報には載っていなくても、意外と便利な都心直結のバス路線が通っているエリアもあるので、バス路線図の確認もマストです。

 一方で、個人的には「ユニットバス」がこの物件の減点ポイント。ユニットバス物件は、バス・トイレ別の物件と比較すると(同じ広さ・築年数であっても)5,000円〜10,000円ほど賃料が下がると言われていますから、「賃料を抑えられる」という点は、確かにメリットです。そして、「掃除がラク」という利点もあるでしょう。ただし、この点をメリットとして捉えることができる人は、ふだんお風呂に入らない「シャワー派」の人のように思います。

 ユニットバスの場合、バスタブにお湯を張った状態で髪を洗ったり、体を洗うことはしませんよね。となると、「1日の汚れをシャワーでスッキリ落としてからお風呂に入る」ためには、シャワーを浴び終わってからお湯をためる必要がありますが、なかなかこれをやる人はいないでしょう。また、ユニットバスには「追い炊き」や「給湯のオートストップ」機能が付いていないことが多いですから、お湯張りの最中に疲れて寝落ちでもしてしまったら、下階への水漏れ事故など大変なことになりかねず……実はこれ、筆者の実体験。お湯張り中の寝落ちには、くれぐれもご注意を!

 また、「掃除がラク」と言いながらも、ユニットバスは湿気がこもりやすいので、カビや黒ずみが発生しやすくなるという事情もあります。「シャワー派」「こまめに掃除できる派」の方であれば、ユニットバス物件でも賃料メリットを感じながら快適に生活できると思いますが、そうでない方はやはり、「バス・トイレ別」を選ぶのが鉄則でしょう。

■福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖

 一人暮らし向けの物件によくある間取りの1Kで、玄関を開けたときに室内が奥まで見通せない間取りは、悪くありません。また、ユニットバスであることを気にしているようですが、防犯的な視点から見ると、これも特に問題はありません。

 ただし、一般的に「バス・トイレ別」は、最も重視したい条件に上げられるほど、人気が高い物件です。ユニットバスはその狭さゆえ、お風呂やトイレでリラックスできなかったり、洗い場がないことに不便を感じたり、さらには湿気がこもりやすく、カビが発生しやすいといったデメリットがあります。来客があったときにお風呂とトイレを同時に使えないというのも、住んでみたらわかる、地味に不便なポイントだと言えそうです。

 一方で、その地域の相場よりも家賃が安かったり、水回りが一箇所にまとまっていて掃除がしやすいというメリットもあり、あえて選ぶ人もいます。好みの問題にもなるので、「バス・トイレ別」が自分にとってどのくらい高い優先順位なのか、一度洗い出してみるといいでしょう。

 なお、防犯的に最も気になるのは、インターフォンにテレビモニターが付いていない点です。女性の一人暮らしの場合、いきなりドアを開けて来客を確認しなければならないのは、不安や心配があるでしょう。また、防犯カメラもついていないので、万が一犯罪が起こったときに、犯人の姿を確認できません。この物件を選ぶのであれば、賃貸住宅でも設置できるテレビモニター付きインターフォンの購入を検討してみてもいいでしょう。

 立地としては、3路線使えて最も近いところが徒歩10分とのことで、利便性がとても高いです。大通り近くで人通りも少なくないと推察されるので、安心感も高いでしょう。しかし、乗り入れ路線が多いと便利ではありますが、家賃や物価が高い傾向にあります。また、繁華街だと雑多な人が集まるため、治安が悪い可能性もあります。この物件の場合、都心部から電車で10〜20分と離れているので、メリットの方が高いと考えられますが、都心に近く、かつ多路線使える物件の場合は、その地域の治安を確認しておく必要があるでしょう。

■河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。

 お風呂は開運をするのにとても大事な場所で、「幸せの神様が宿る場所」と言われています。特に一人暮らし用の物件には、「ユニットバス」が設置されやすいようですが、風水的に見たとき、「良い」とは言えません。

 暑い日は汗でベタベタした体をサッパリ洗い流し、寒い日は芯から体を温めてくれるのがお風呂。「あ〜、気持ちいい!」といった“陽の気”が高い言葉を思わず発する場合もありますよね。こうしたことから、お風呂は“幸せの神様”が集まりやすい場所となるのです。また、お風呂場は邪気を祓って良い気で満たす場所でもあり、とても重要なのです。一方、トイレは不浄なものを流すため、“陰の気”が強くなります。こういった場所は、できる限り湿気を排除する必要があります。

 これを踏まえ、ユニットバスはどうでしょう。用を足してからお風呂に入った場合、トイレのニオイがそのままになり、気持ち良くお風呂に入るのは難しそうです。また、お風呂の水が飛ばないよう、シャワーカーテンを設置されると思いますが、これはカビや雑菌、湿気の温床になりかねません。“陰の気”が強く、湿気を取らなければいけないトイレと、湿気が発生しやすいお風呂が一緒になっているということで、風水的に良くない理由がわかるのではないでしょうか。

 また、1駅だけしか使えない物件よりも、多数の路線が使える物件の方が、人の流れは増えるものの、これが「良い」か「悪い」かについては、物件の立地によって大きく左右されます。開けた土地の場合、そこに“人”の“気”が集まって「人気」となり、エネルギー的には強い場所となります。しかし、物件がカーブした道の外側であるとか、道の突き当たりに立つ物件だと、“気”だけが集まってしまうため、物件自体が朽ちやすくなります。物件に影響が出れば、もちろん住んでいる人にも影響が及ぶでしょう。

 とはいえ日本の場合は住宅が密集しているので、完璧な立地を見つけることは、現実的に難しいです。そう考えると、人の流れは、あまり多くない方が無難な物件となります。ただし、生活する上で3路線使えるということは、活動範囲が広がるため、気が運ばれていく、つまり「運気」が活発になります。その観点からいうと、3路線使えることは決して悪いことではありません。

■生田目浩美。(なまため・ひろみ)
1998年より風水師に師事し、風水・九星・祐気採り(吉方位判断)・吉日の選定・手相・姓名判断・家相学などを学ぶ。独立後、恋愛・仕事など、女子たちが持つ多くの悩みに寄り添い、楽しく前向きに生きるコツを伝授する。

物件三銃士の総合評価 8点/15点

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