『RISE WS2019』決勝目前、那須川天心&白鳥大珠インタビュー 2選手が明かす”勝つべき理由”

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2019年09月15日 09:21  リアルサウンド

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撮影=石川真魚

 立ち技打撃格闘技「RISE」の世界最強決定戦『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2019 Final Round』が、9月16日に幕張メッセ・イベントホールで開催される。


(参考:【写真】那須川天心&白鳥大珠のインタビューの模様


 メインイベントは初代RISE世界フェザー級王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者・那須川天心 VS ISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗という因縁の対決。さらに、セミファイナルでは第5代RISEライト級王者・白鳥大珠 VS 元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・梅野源治といった注目のカードが切られる。


 8月30日、都内で会見が開かれ、那須川と志朗、白鳥と梅野らが登壇した。那須川と志朗は同じ階級に属し、いつか試合が実現するのではないかと言われていた関係性。スパーリングの話も全て流れ、今回ようやく実現した試合だ。「RISEに参戦した一番の目標は、那須川天心と戦うために参戦したと言っても過言ではない。勝って、格闘技界を変えたい」とKOでのジャイアントキリングを意気込む志朗に、那須川は今回の試合が“格闘技界最大の興行”であることを告げ「負け=死だと思ってるので、そういう覚悟は誰よりもある」と志朗からの挑戦に応じた。


 “ムエタイ界の至宝”と呼ばれる梅野は「キックボクシングルールでも力を見せられるように」と白鳥を威嚇。それに白鳥は「日々どんどん進化している」と自身のコンディションをアピールし、RISE全体の更なる盛り上がりにも言及した。


 今回の世界最強決定戦は、AbemaTVで当日生中継される。それを記念してリアルサウンドテックでは、那須川、白鳥にそれぞれインタビューの機会を得た。RISEとはどんな舞台なのか、対戦相手に想定している試合展開、AbemaTVで中継されることへの期待、そして今後の展望まで格闘技界の歴史に刻まれるであろう2人の貴重なインタビューとなった。


■那須川天心インタビュー


ーーキックボクシング、ムエタイはもちろん、プロボクシング業界/総合格闘技業界からも注目を集め、格闘技シーンの中心にいる那須川選手ですが、プロデビューを飾られたRISEには深い思い入れがあると思います。あらためて、那須川選手にとってRISEとはどんな舞台でしょうか。


那須川天心:自分がデビューした舞台であり、ホームですよね。今、RISEにはいろんな団体からの選手が出ていて、やっぱり強い選手もいますし、誰が観ても盛り上がる試合ができると思います。自分がRISEを盛り上げて、育てるというか、RISEと一緒に上がっていきたいなというのはありますね。


ーー対戦相手の志朗選手は、那須川選手も「日本人で一番強い」と認める選手ですが、あらためてその印象を聞かせてください。


那須川:彼は日本ではまだそこま知られていないかもしれませんが、タイでずっとやってきた選手で、相当な知名度と実力がある。逆輸入のような、新しいパターンですよね。日本の選手の中でも本当に強い選手です。


ーー想定している試合展開はありますか?


那須川:何個かあります。圧倒して勝つパターンも考えてますし、苦戦して判定になるパターンも。そこはいつもの試合と変わらないです。


ーーセミファイナルのあと、「無意識になった時にどれくらいのパワーが出せるかを今後の試合で証明したい。進化に注目してほしい」とおっしゃっていましたが、今回の試合では、どんな点に注目してほしいですか。


那須川:自分の人生をこの試合にかけてきているので、気持ちの部分を見てほしいですよね。スピードアップの練習をしていて、相当な神経を削っていますし、疲れがたまるのも早いです。RISE初めての世界大会で決勝なので、強豪を相手に全てにおいてモチベーションは高いですね。


ーー今大会はAbemaTVで中継されます。亀田興毅さんとの一戦も大きな話題になりましたが、あらためて、那須川選手のキャリアにとって、どんな経験になったでしょうか。


那須川:今まで交わることが一切なかったボクシングとキックボクシングが、いい交わり方ができたと思っています。歴史のあるボクシングと、今盛り上がっているキックボクシング。2つが合わさることでいい反応もあれば、悪い反応もあるわけです。でも、悪い印象を持った人は、1割いるかいないかだと思うんですよね。僕からすると、良かった点しかない。あの試合をやったことによって、キックボクシングもボクシングの人気もさらに伸びましたよね。


ーーAbemaTVの企画も含め、インターネット放送で格闘技の魅力を知るファンも広がっていると思います。シーンの底上げにも貢献する取り組みだと思いますが、今後も面白そうな企画があればチャレンジしたいと思いますか?


那須川:もちろん。自分は人生がチャレンジだと思っているので、チャレンジしていかないといいことないですよね。最近の若い人は、チャレンジすることを恐れている人が多いと思うんですよ。そういった風潮は、なくしていきたいですよね。どんな形でもいいので、自分のことを見てなにか始めてみようとか思ってくれればそれは嬉しいですし、誰かの人生の分岐点になる人ってすごいと思うんですよ。必ず誰しもに憧れの人がいる。そういう存在になれれば格闘技の可能性も広がるかなと思います。


ーー今年後半から2020年に向けての目標を聞かせください。


那須川:まずはこの大会をしっかり優勝して、次は世界ですか。今回も世界大会という名目ですけど、もっともっと強い選手は数え切れないくらいいると思うんですよ。自分のファンもまだ少ない世界に出て、挑戦するのがかっこいいんじゃないですか。そういうのを求めていきたいですね。2020年はオリンピックがありますし、スポーツが盛り上がると思うんですよ。キックボクシングはオリンピックじゃないですけど、負けてないという存在感を出していきたいですね。


ーーあらためて、試合に向けた意気込みをお願いします。


那須川:志朗選手は強いですし、昔からやりたいと思っていたので、モチベーションは非常に高いですね。お互いの思いのぶつかりあい、意地の張り合いをしっかり観てくれたら嬉しいですし、最終的には自分が倒していい勝ち方で終えるので。


■白鳥大珠インタビュー


ーー若くして空手からプロボクシング、そしてキックボクシング、またモデルとしてのご活躍も含め、多くの舞台に立たれてきたなかで、白鳥選手にとって「RISE」とはどんな舞台でしょうか。


白鳥大珠:キックボクシングを始めたのが中学2年生の頃で、アマチュアデビュー戦が「KAMINARIMON」というRISEアマチュア大会のトーナメントでした。その決勝でプロの興行のオープニングファイトで戦って、そこで実際にRISEデビューをしたのが去年の6月です。そういったことを含めてもキックは僕の原点なのかなと思っています。今、キックは盛り上がってますけど、まだまだ伝統は出来上がっていないので、誰が作っていくのかっていうと、俺が作っていかなきゃいけない。これからもっと上にいけると思ってるので、それをやるのは那須川天心だけじゃないって感じです。


ーー白鳥選手は様々な格闘技を経験されていますが、それぞれの違いはどのような点に感じますか?


白鳥:同じ後楽園ホールの大会でもRISEの雰囲気とボクシングの雰囲気は本当に同じ場所なのかっていうくらい客層も違うんです。ボクシングはキックよりも歴史も長くてスポーツ性、競技性を感じるんですけど、それにプラスしてキックはエンターテインメント性だったり、華やかさがある印象です。今、キックは若い人たちにも人気で、女性も興味持ってくれる人が増えているので、これからメジャーになっていくべき競技だと感じています。


ーー対戦相手となる梅野源治選手は、ムエタイ界で「至宝」と呼ばれる実績のある選手です。その印象を教えてください。


白鳥:僕がデビューしたての頃から日本のトップ戦線で戦っていて、タイでもチャンピオンになった偉大な選手だったと思うんですけど、僕からしたら“だった”なんですね。いつまでも自分が日本を引っ張っている存在と思っていたら大間違いで、時代はどんどん変わってきている。そのことを実証するためにも、9月16日、必ず倒さなきゃいけないなと。


ーー想定している試合展開はありますか?


白鳥:イメージはありますね。ある程度は向こうがしてくることも想定はできてる。今回は首相撲や肘打ちはないですが、向こうは蹴りがずば抜けている印象なので、見切りだったり、距離感。向こうはリズムに乗るとバンバン蹴ってくると思うので、どう出て行って相手のリズムを崩すか、というのが試合の面白いところだと思いますね。楽しんでもらえたらいいです。


ーー格闘技観戦と言えば、以前は会場とお茶の間が主でしたが、今回のようにAbemaTVでの放送を始め、現在ではインターネット放送で誰もが気軽に観戦できるケースも増えてきました。モデルとしての白鳥選手のファンが初めて試合を観る、ということもあると思いますので、初心者向けに注目のポイントを教えてください。


白鳥:あまり詳しくない人って、格闘技をいいものとは思ってない人が多いと思うんですけど、いわゆるイケメンと言われる選手もたくさんいるし、バチバチにやりあっていても、試合後は気持ち良く終われる。今回の試合を機会に、そういったイメージをなくしてほしいですね。RISEはお客さんを飽きさせない工夫を、選手も運営側もやってきています。あとはRISEはKOが多いイベントなので、面白くて一番分かりやすいと思うので。AbemaTVで試合を観てもらって、生でも観てもらえるかは自分たちのすることですね。


ーー今年後半から2020年に向けての目標を聞かせください。


白鳥:まずは9月16日、必ずトーナメントを優勝します。あとは、格闘技と言えば大晦日が一番注目されるイベントになるので、そこに向けて注目される試合を組んでほしいなと。今年最初に取ったRISEのベルトの防衛戦もやることになると思うので、そこもしっかりとクリアしつつ、来年は海外に挑戦して行きたいです。今はそこまで見据えているので。


ーーあらためて、試合に向けた意気込みをお願いします。


白鳥:日本で開催している上で、日本人対決は一番盛り上がると思います。試合まで盛り上げて、試合でさらに盛り上げて、最後は自分が圧倒して勝つ。そのイメージは出来ているので、当日は梅野選手をマットに沈めたいと思います。


(渡辺彰浩)


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