服のセンスでフラレることも、婚活男女 “デートファッション” の落とし穴

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2019年09月15日 21:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

写真はイメージです

 お見合いの場合、男性はスーツにネクタイ、女性は清楚(せいそ)でシンプルなワンピースやツーピースが鉄板です。お見合いにはみなさん型通りの服を着て行くので、あまり失敗はありません。しかし、お付き合いに入ってからのデートファッションとなると、その方の普段の服のセンスがそのまま出てしまいます。 

 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合いの現場に関わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は、「大丈夫? あなたのデートファッション」です。

流行りの“抜け感”と“だらしなさ”は紙一重

 先日、俊成さん(35歳、仮名)が、お見合い後、お付き合いに入った登志恵さん(33歳、仮名)のファッションについて、こんなことを言っていました。

「お見合いのときは、シンプルな花柄のワンピースを着ていたので、服装のことは気にならなかったんですが、デートをするようになってから、どうも髪型や服装に違和感を覚えるようになって……」

 髪型もお見合いのときは、後ろでひとつにまとめられていました。それが、デートのときは、おろしたままのスタイルでやってくるのだといいます。

「毛先を遊ばせるようにデザインカットされているんだと思うんでが、僕にはそれが手入れをしていないボサボサ髪に見えでしまう。髪質もあるのかな。モワッと広がっている印象で、だらしない感じ。耳にかけてもすぐに髪が前に落ちてくるし、食事を一緒にしていると、すごく気になるんです」

 さらに、ファッションがとても個性的なのだとか。

「葉っぱとかプリントされている服が多いんです。彼女は、それがすごく好きみたいで」

 葉っぱ、茎、ツルなどがプリントされている服は、ボタニカルファッションと呼ばれ、流行(はや)っていますよね。女性たちは大好きです。

「で、彼女の場合、すごくくすんだ色の服が多いので、年齢よりもずっと老けて見えるんですよ。さらにワンピースの下にジーンズとかはいてくる。流行りの着こなしなのかもしれないけれど、僕にはそれが似合っているとは思えないんです」

 流行の移り変わりは目まぐるしい。ファッション誌でも、季節ごとに流行りのファッションと、その着こなし術を紹介しています。8頭身でスタイル抜群のモデルさんが着れば、どんな服でもかっこいい。しかし、それをそのまま自分に当てはめるのは難しいですね。そこは、自分に似合うように着こなしを少し変えるテクニックが必要です。

「抜け感とだらしなさって、紙一重だと思うんですよ。登志恵さんの場合、ファッションも髪型も“抜け感”よりも“だらしなさ”が先に立って見えてしまう。何か一緒に歩くのが恥ずかしいんですよ」

 また女子受けファッションと男子受けファッションは、大きく違います。女友達と出かけるときには、大いに流行を追ったファッションを楽しめばいいんです。でも、男性と出かけるときには、シンプル、可憐、清潔感、可愛らしさ、明るい色の服を選んだほうが無難です。

 また髪型も、毛先を遊ばせるスタイルよりも、ひとつにまとめるか、ツヤツヤのストレートヘアにしたほうが、間違いありませんよ。

中年体形なのに、白いジーンズにピチピチのTシャツ

 美紀子さん(32歳、仮名)は、巌さん(36歳、仮名)とお見合い後、3回目のデートを終えました。そして、このままお付き合いを続けるか、ここで交際を終了にするかを悩んでいました。

「すごく誠実でまじめな人なんです。こういう方と結婚したら幸せなんだと思います。でも、面白みがない。私のことを褒めるにしても、恋愛マニュアルに出てくるような言葉しか言わないし。あと、気になるのがファッション。身につけている服や小物は、単体で見るとおしゃれなんですが、年齢と体形に合っていなくて、チグハグなんですよ」

 言われてみれば巌さんのお見合い写真は、ほかの男性たちとは違っていました。男性の場合、スーツにネクタイを締め、写真館などで撮影する方たちがほとんどです。ところが、巌さんは白いパンツにデザインシャツ、ジャケットといいういでたちで、おしゃれなカフェでくつろいでいるような風景のお写真でした。

「デートもなぜが毎回スリムな白いコットンパンツで来るんですよ。『自分はファッションセンスがないので、パーソナルコーティネーターをお願いして、服を選んでもらいました』とおっしゃってました。Tシャツとジャケットもプロの方のセレクトだそうです」

 いわゆる男性ファッション誌でモデルさんが着ているような服装で毎回デートに来るのだそうです。

「でもモデルさんは、身体も引き締まっていますよね。巌さんは、36にしてお腹が出ている中年体形だから、Tシャツがピッチピチではち切れそうなんです。お腹が邪魔してジャケットのボタンも閉まらないはず。そんなに頑張らずに、普通の格好をしたらいいのになと思ってしまいます」

 それを聞いて、私は美紀子さんに言いました。

「身長を伸ばすことはできないけれど、体重は食事を管理することでやせられるし、筋トレすれば体形も変わるわよ。ファッションコーディネーターをお願いして自分のファッションを変えようと思う前向きな気持ちの男性は、そもそも素直なんじゃない? きっと美紀子さんが、『こっちの服のほうが似合うわよ』と言って選んであげたら、それを素直に着てくれる人だと思う。結婚するには、いい相手なんじゃないかしら」

 これには美紀子さんも、納得したようでした。

「確かにそうですね。100パーセント理想に叶(かな)う人はいないし、人の意見が素直に聞ける、自分が変わろうと努力ができる、そういう姿勢は大事ですよね。もう少しお付き合いを続けてみます」

 その後、このおふたりは結婚を前提にした真剣交際に入りました。

服のどこかにいつもシミがついている

 美波さん(33歳、仮名)は5つ上の憲治郎さん(仮名)と、お見合いをした後、交際に入りました。しかし、3回目のデートを終えて、交際終了を申し入れてきました。

「実はお見合いのときから、ネクタイについていたシミが気になっていました。真ん中に丸く茶色くついていたので、最初はそういう模様なのかと思ったんですが、目を凝らしてよくよく見たらシミでした」

 ただ服にシミをつけてしまうのは、誰でもあること。

「私だってパスタや汁ものを食べているとき、気をつけていてもよくシミをつけてしまう。だから、その日はたまたまシミをつけてしまったけれど、気がついていないのかなと思いました」

 ところが、デートをするたびに、着てくる服に必ずといっていいくらいシミがついているというのです。

「最初のネクタイのシミが気になっていたから、私もついついチェックしてしまって(笑)。シミって、すぐに落とさないと残ってしまいますよね。彼はシミがついていても平気なのか、シミが古くなっているから洗濯しても落ちないのか、そこはわかりませんが」

 そして、3回目のデートで水族館に行ったときのこと。そのときの服装とシミのつき具合が“もうこの人との結婚はない”と思わせるほどの衝撃だったというのです。

「最初は、『お台場海浜公園に行こう』と言っていたのですが、朝から雨が降っていたので、急きょ、品川の水族館に場所を変更しました。水族館前で待っていると、遠くからランニングを終えた市民ランナーみたいな人がやってくるんです。“まさか!”と思いました」

 “まさか”は、的中! 近づいてくるに従って、それが憲治郎さんだとわかり、美波さんは絶句しました。

「テレテレとした素材の白いTシャツに短パン、ハイソックスみたいに長い靴下をはいていました。靴はナイキのスニカーでしたが、紫の蛍光色でやたら足元だけが派手でした。そして、Tシャツにはお決まりのシミが。しかも、Tシャツのあちこちにシミがあって、白だからそれが余計に目立つんです」

 その日、水族館で魚やイルカたちを見ても、“きれいだな”“癒されるな”という気持ちにはなれず、“一刻も早く側を離れたい”“帰りたい”と思ったとか。

 そして、このデートを最後に“交際終了”を決意しました。

婚活ファッションは、清潔感が何より大事

 人それぞれに好きなファッションがあると思います。ファッションは、その人の個性ですし、基本的には自分が好きな服を着ればいいと思うのです。

 ただファッションで個性を出すほどに、それを受け入れてくれる層が少なくなっていくのも事実です。

 そして、ファッションにはTPOも大事ですから、ホテルのラウンジでお茶をするのに、ダメージジーンズや短パンを履いて行くのは、場にそぐわない格好といえるでしょう。

 また、ハイキングや公園を散歩して自然を満喫したデートをしようというときに、おしゃれなハイヒールをはいて行ったら歩きづらいですし、砂利やぬかるんだ土でせっかくのヒールが台無しにしてしまいます。

 婚活においてのファッションの鉄則は、ますは清潔感。そして、自分の身体のサイズに合った服を選ぶこと。

 流行を追ったり、個性を強調したりするよりも、シンプルで誰からも好感が持たれるファッションを心がけるほうが、失敗がありませんよ。

鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/  

このニュースに関するつぶやき

  • 服のセンスで嫌になる場合、【自分は服のセンスを気に入っただけで相手を気に入ったわけではない】ということ。意思や個性のある人間じゃなくて「特定の型」を気に入っただけ。
    • イイネ!20
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