前回は、我が家と大家さんの“ご近所トラブル未遂”について書きましたが、今回は警察沙汰になった衝撃体験をお伝えします。
うちは一戸建ての2・3階部分を借りているんですが、隣の一軒家にはじいさんが一人で住んでます。3年ほど前、夜11時ごろに突然チャイムが。「こんな夜になにごとだろう」と思ってインターホンに出ると、1階に住む大家さんが「ちょっと外に出られます?」と言うじゃないですか。行ってみると、隣のじいさんと大家さんが話し合ってる。聞くと、じいさんが「風呂から戻ったら、部屋中にプラスチック片がバラ撒かれてる。あなたが撒いたんじゃないのか?」と意味不明なことを言い出した!
「え? プラスチック片? なんですかそれ?」と聞き返しても、「うちはすべての窓のカギも閉めて、雨戸も閉めてる。どうやって部屋に侵入したんだ!」と、完全にオレが犯人だと思い込んでる! 相手はヤバい人みたいで、大家さんもビビってる! ここでオレが逆ギレしたら何をしでかすか……。 冷静に「いやいや、そんなにしっかりと防犯してたら、誰もお宅に入れないですよ。絶対に勘違いですって」と言い聞かせました。じいさんは納得してなかったようですが、なんとか帰ってもらえた。大家さんとは「かなり妄想が強いみたいだから、 お互いに気をつけましょう」と言って、その場は終了しました。
そんなことがあって、先日のまたまた夜11時ごろ。オレは近くの自動販売機に飲み物を買いに行こうと家を出ました。そしたら突然、隣のじいさんが金属バットを振り回しながら出てきた。「こんな夜に素振りでもやるのか?」と思いながら自動販売機に着くと、いきなり「バリバリ! ガシャガシャーン!!」と自宅の方から破壊音が。急いで家に戻ると、先ほどのじいさんがバットを持ったままダッシュで家の中に入って行くじゃないですか!
自宅に着くと、うちにとってはじいさん宅とは反対側の、ばあさんが一人で住んでいる家の窓ガラスがすべて粉々に割れてる! 同時に大家さんや近所の人たちも外に出てきた。オレは決定的な瞬間こそ見ていないが、「これは確実にじいさんが金属バットで割ったな」と確信して、みなさんに見たことを説明しました。心配になって、みんなでばあさんの家のチャイムを鳴らしたが、出てこない。そうこうしていたら、偶然にも自転車で巡回中の警察官が通りかかったんです。
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「あ、おまわりさん! もう通報がいきました?」
「いや、たまたまです」
「そしたら、ちょっとこっち来てくださいよ。これ見てくださいよ! 」
「うわ! どうしました、これ? ひどいな!」
「隣のじいさんが、金属バットで割ったんですよ。オレは、金属バットを持って出ていくじいさんを目撃しました」
おまわりさんはじいさんの家に行き、チャイムを鳴らしました。が、何度鳴らしても出てこない。居留守を使ってる! おまわりさんが無線で応援を頼み、すぐにパトカー3台と刑事3〜4人、警官が5人ほど到着し、みなさん、オレに「何があったんですか?」と聞いてくる。別の刑事さんは、大家さんや近所の人たちに、じいさんとばあさんの間にトラブルがあったのかを聞いてます。そしたら、最近はじいさんがばあさんへ、水をパンパンに入れた袋の中に回覧板を入れて渡してることが発覚しました。
刑事さんたちがじいさんの家のチャイムを鳴らして、「出てこーい! 警察だぞ!」と怒鳴っても無反応。被害者のばあさんも出てこないので、警察の方で別居している家族に連絡するも、誰も電話に出ないそう。1時間ほどたって騒ぎに気付いたのか、ばあさんが2階の窓から顔を出した! おまわりさんたちが「よかった! とにかく下に降りてきてください!」というと、「何事でしょうか…… 私は何もしてません」と完全に寝ぼけてます。
ばあさんは割られたガラスを見て、「うわー、これでもう3回目ですよ」と衝撃発言! おまわりさんが「3回も割られたんですか?」と聞き返すと、「そうですよ。犯人が誰かわからないんです」という。オレが隣のじいさんのことを伝えると、「やっぱりそうなんですか……」と思い当たるフシがありそうな感じ。刑事さんがオレに「警察署で事情聴取にご協力願いたいのですが」と言うので、「当然行きますよ」と警察署までパトカーで行きました。
署に着いたのが深夜12時過ぎで、取調室で刑事さんに目撃状況を詳しく説明していると、あっという間に夜中3時! 「そろそろ眠いんですが……」「もうちょっとです! 一度上司に内容確認してきます」。そして戻ってきて「すみません! 2箇所だけ修正です」と言ってそこからまた1時間……ようやく終わったのが朝方4時ですよ! マジで長い! 帰り際、「協力費」として5,000円をもらいました。「これでおばあさんが器物破損で被害届出してくれたら、おじいさんを逮捕できます」とのこと。
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翌朝8時、 自宅のチャイムが鳴って出ると、昨日の刑事さんが立ってました。オレはマジで眠いんですけど……。「この写真の中に、隣のおじいさんはいますか?」 と、20人くらいの高齢男性の写真を見せられ、「この人です!」と指すと、「正解です。ありがとうございました」。そしてじいさんを家から引きずり出して、逮捕していました。
被害者のばあさんからは、「あなたのおかげで犯人がわかって、本当に感謝です」とお菓子の詰め合わせをいただく。しかし、じいさんは1カ月ほどで自宅に戻ってくるみたいで、復讐されないかマジで不安です。小学4年生の娘ココは、ようやく一人で留守番ができてきたんだけど、完全に無理になりました。隣のおばあさんは「次は殺されるかも……」と言ってるし。
じいさんが3回も窓を割った動機ですが、なんと! ばあさんも身に覚えがないそう。完全にじいさんの被害妄想らしい。大家さんも含め、隣近所のみなさんと協力して、じいさんを監視することになりました。何をしでかすかわからない隣人が、治安がいいといわれてる目黒区にいることは衝撃ですよ!