ホーム > mixiニュース > スポーツ > スポーツ総合 > 競走馬のセリはコミケを超える過酷さだった

競走馬のセリはコミケを超える過酷さだった

1

2019年09月17日 16:22  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

写真写真
―[馬主あらいちゅ〜の占いで馬買ってみた]―

<馬主あらいちゅ〜の占いで馬買ってみた第2回>

 馬主で占い師のあらいちゅー(@araicuu)です!

 前回の記事で「競走馬のセリ市に占いで挑んだ話」を書かせていただきましたが、今回はセリ市そのものについて、もう少し突っ込んでご紹介しましょう。

 馬主になるまで、セリは「大金持ちが優雅に札束で殴り合うサロン」のようなイメージでしたが、実際は全然違いました。すんごいしんどいです。例えて言うなら、セリは競馬界における夏のコミックマーケットなのです!!!

◆セリにも安いのと高いのがある

「ディープの仔が○億円で落札されました!」「ナニナニ王子が○億円使いました!」とニュースに出てくる華やかなセリ。あれは7月に行われるセレクトセールと呼ばれるもので、1歳馬の出品頭数は200頭程度と、規模的には小さなイベントです(そのかわり馬は最高品質の寄りすぐりで、平均落札価格も約4500万円)。

 セリの本番はなんといっても、8月に行われるサマーセール。落札平均価格は約530万円までグッと下がるものの、4日間で約1200頭が上場される、日本最大の競走馬市場です。
ちなみに今年の夏のコミックマーケットも4日間開催で、のべ76万人を動員する日本最大の同人誌即売会となっていました。不吉なくらいに似ています…。

 私は2018年のサマーセールでサウスヴィグラスの牝馬を200万円で購入しましたが、後述するようにクソ暑いなかを駆けずり回り、1頭落札するだけでヘトヘト。とてつもなくしんどい一日でした。

◆セリの前日〜当日朝まで

 サマーセールは北海道の新ひだか町で4日間にわたって開催され、どの日も早朝から夕方まで延々続きます。体力勝負なところも含めて、夏のコミケとかなり似ていますね。多くの馬主さんは千歳〜静内〜浦河あたりに前泊して、体調を整えて朝からセリに挑みます。これもコミケの地方参加組とまんま同じです。

 私は新千歳空港内のホテルに陣取って、セリ市のある静内までレンタカーで毎日通うことにしました。往復200km近くあるので冷静に考えれば頭がおかしいのですが、セリの期間中は日高地方の宿がパンパンに埋まっているので仕方がありません。

 セリ市会場に到着すると、まず受付で購買者登録というものを行います。これで「私は誰それというもので、どこそこの馬主会に所属する馬主で、保証人は誰それです」というのを登録するわけです。

 購買者登録が終わると、でっかい番号札を上場馬のカタログに貼り付けてもらいます。落札時にこの番号札を係員さんに呈示することで、どこの誰が落札したのか、すぐ場内に知れ渡るというシステムになっています。

 誰がどれを落札したかなんてどうでもええんちゃう、と思ったのですが、周りの馬主さんの話を聞いていると「○○さんはあの種馬の仔を評価しているのか」「△×県馬主会の落札だから補助金で価格がつり上がっているだけだろう」「JRAが買っているから来年のブリーズアップセールに出てくるな」みたいな読み合いがされており、貴重な情報源になっているようです。お金持ちの優雅なサロンどころか、魚市場とカイジを合わせたような世界観です。

 購買者登録手続きが済むと、測尺表というのをもらいます。セリ場の入り口でひっそりと配れられているのですが、これを入手するのがメチャクチャ大事です。

 馬の体高や体重、管囲といった重要なデータが書かれており、生産者の希望する最低落札価格も載っています。これを見て、一日の予算配分や狙い馬を決めていくわけです。

 最低落札価格を左右する一番の要因は種付料なのですが、馬体のサイズやデキがいまいちな場合、人気の種牡馬の仔でも安く狙うことができます。私の場合は予算500万円以内、馬体はどうせ見てもわからんということで、知ってる種牡馬を中心にダンカーク、フリオーソ、サウスヴィグラスあたりでお手頃価格になりそうな馬をピックアップし、本業の占いを絡めて検討しました。

◆レポジトリを見る

 この作業だけでもう倒れそうになるくらい大変なのですが、これから更に『レポジトリ』と呼ばれる競走馬の医療資料をチェックしなくてはいけません。

 『レポジトリ』で見られるのは脚の骨のレントゲン写真や喉の内視鏡動画です。脚の骨に異常があると故障が起こりやすくなりますし、喉に異常があるとうまく呼吸ができないため、競走馬としてのパフォーマンスが落ちます。

 ……とまあ偉そうに書いていますが、骨のレントゲンは素人ではまったくわかりませんので、詳しい人や会場にいる獣医さんに見てもらいます。私は先輩の馬主さんにお願いして見てもらいました。

 喉はビデオを何十本も見まくっていれば、どうしようもないかどうか程度はわかるようになります。馬の鼻から内視鏡を通して、そこから喉に水をピュッとかけて、どういう反応をするかという映像を、とにかく延々と見ます。好きでなければやれないと思います。絵を練習する絵師さんってこういう心境なのでは…。

◆無料の昼飯をたらふく食べるはずが…

 段取りが悪いと、このあたりでもう昼飯の時間になっています。セリ会場の近くには飲食店の類がまったくないため、場内には北海道の名産品を集めた屋台がたくさん出ています。

 この屋台、馬主は飲食無料! うまそうなメニューばかりで味も実際いいのですが……いかんせん時間がないので、優雅な昼食というわけにはいきません。

 外がクソ暑いというのもあって、カレーやパン、あとは無料のお茶をもらってきて、ロビーで馬主仲間と相談しながら超高速で食うことが多いと思います。コミケのサークルスペースで弁当を食ってる風景を想像してもらえれば間違いないでしょう。次回はいよいよセリの様子です!

※文中掲載の写真は昨年のサマーセール、一昨年のオータムセールのものです。

◆★今週のシトリンちゃんコーナー★

 この記事のセリ市で買ってきたサウスヴィグラスの牝馬・シトリンちゃんですが、現在は北海道の育成牧場・ナンバーナインさんでデビューに向けてトレーニング中です。9月下旬に川崎競馬場に輸送し、まずは10月の能力試験通過を目指します。11月の開催でデビューできるといいなあ、といったところです。

 馬体重は487kg、体高は159cm、胸囲は182cm、管囲は19cm。Twitterに写真をアップしたところ、名著「馬体は語る」の治郎丸敬之さんから「惚れ惚れするようなサウスヴィグラス産駒ですね!」とコメントをいただいて、走る前からメチャクチャ感動しています。乞うご期待!

―[馬主あらいちゅ〜の占いで馬買ってみた]―

【あらいちゅ〜】
氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:@araichuu

このニュースに関するつぶやき

  • 馬のセリって上品な雰囲気なのかと思っていました。
    • イイネ!14
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

あなたにおすすめ

ニュース設定