「全プリキュア大投票」の結果を数字面から徹底分析! シリーズ16年の歴史と愛され続ける理由

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2019年09月18日 10:01  リアルサウンド

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「全プリキュア大投票」年代別投票数の割合

■プリキュア大投票、結果発表


 大人気アニメ『プリキュア』シリーズの中から自分の好きな作品、キャラクター、歌に投票して順位を決めるNHK「全プリキュア大投票」の結果が9月14日、NHK BSプレミアム『発表!全プリキュア大投票』生放送内にて発表されました。


 「全プリキュア大投票」は、子供向けアニメーション『プリキュア』シリーズから作品42作品、プリキュア60人、サブキャラクターは約900、歌は約150曲という莫大な数から投票することができ、2019年7月12日〜8月31日まで専用ホームページにて投票を受け付けていました。


 約1カ月半にわたる投票期間を経て、総投票数約61万票から決定した各部門の1位は、作品部門は『ふたりはプリキュア』、プリキュア部門は「キュアブラック」、キャラクター部門は「モフルン」、歌部門は「DANZEN!ふたりはプリキュア」となりました。


 総投票数の男女比は27:73と圧倒的に女性票が多く、過去に行われた「全ガンダム大投票」の男女比78:22、「全マクロス大投票」の69:31と比較しても、全プリキュア大投票は顕著に女性の投票が多い傾向が伺えました(もちろんプリキュアは女の子がメインターゲットなので当たり前なのですけどね)。


 また、年代別投票数を見ても10代の投票が38.1%と最も多く、20歳代までを合わせて77%を占め、全プリキュア大投票は「10代20代の若い女性の投票数が多く占める」という結果となりました。9歳以下はお母さんと一緒に投票したようですね。


 投票結果を部門別に少し見ていきましょう(※全プリキュア大投票のホームページにて作品別の男女比、年代構成が確認できます)。


■作品部門


 作品部門で1位に輝いたのは『ふたりはプリキュア』(2004年)。


 女性票82.6%と圧倒的な女性支持を得て初代プリキュアが第1位となりました。15年も前の作品が1位に輝くというこの事実こそ、『ふたりはプリキュア』という作品が唯一無二の存在であることの証明だと思われます。生番組中ではキュアブラック役の本名陽子さんとキュアホワイト役のゆかなさんによる生アフレコも行われ、今でもピッタリと息のあった演技に番組共演者も驚愕していました。誰もが納得する貫禄の1位です。


 次いで2位は『ハートキャッチプリキュア!』(2010年)。当時からNHK紅白歌合戦にも出場するレベルで子供にも大人にも大人気の作品でした。そのコミカルなキャラクターとシリアスなストーリー展開が多くのファンを引き付けました。こちらは男性票が32%と比較的高めの結果となり、女性だけではなく多くの男性ファンも獲得していたことが伺い知れました。


 3位の『Yes!プリキュア5GoGo!』(2008年)は、女性投票率が91.6%、10代の投票数が77.1%と「若い女性」の圧倒的な支持を得ました。『Yes!プリキュア5』の続編であるこの作品も当時の女の子人気はもの凄く、幼稚園では誰がどのプリキュアになるかが大きな問題となっていたようです。


 次いで4位は「男の子がプリキュアになる」ことも大きな話題となった『HUGっと!プリキュア』(2018年)、5位は番組内でも「オタク層の支持が高い」と言及された『スマイルプリキュア!』(2012年)という結果となっています。


■プリキュア部門


 プリキュア部門でもやはり初代『ふたりはプリキュア』の2人がワンツーフィニッシュ。プリキュアといえばこの2人をイメージする人も多いのではないでしょうか。


 驚きの結果だったのが3位の「キュアマリン」。『ハートキャッチプリキュア!』の青キュアである彼女は、そのかつてない「特異的なキャラクター」が多くの支持を集めました。


 番組内でも「敵と戦うためではなく部屋を掃除するために変身する」驚愕のシーンも紹介されるなど、型にとらわれないスタイルが今でも多くのファンを掴んでいるのです。


 4位は「キュアドリーム」。『Yes!プリキュア5(GoGo!)』のピンクプリキュアです。『Yes!プリキュア5』からは、7位に「キュアレモネード」、10位に「ミルキィローズ」、20位に「キュアアクア」と計4名がランクインし、その作品枠の強さもみせました。


 5位「キュアピース」は『スマイルプリキュア!』のイエロープリキュア。当時は子供だけではなく「大きなお友達層」からの人気がとてつもなく高かったキャラです。番組内では亡くなったお父さんとの印象的なシーンが放送され、多くの人の涙を誘いました。


 上位25位中、川村敏江さんがキャラクターデザインを手掛けたプリキュアが10名もランクインしていることにも注目です。川村キャラには子供を引き付ける大きな魅力があるのでしょうか。


■キャラクター部門


 キャラクター部門はプリキュアを除く約900のキャラから投票することができました。イレギュラーのプリキュア(キュアエコー、キュアモフルン、ダークプリキュアなど)もこちらへの投票となり、50位までが発表となりました。


 1位は「モフルン(キュアモフルン)」。


 『魔法つかいプリキュア!』(2016年)のクマのぬいぐるみのキャラクターです。その愛らしい造形と天真爛漫なキャラクターはまさに同作を代表するキャラクターです。実は今回の投票4部門で1位が『ふたりはプリキュア』関連ではないのはこの「モフルン」だけなのです。そういった意味でも凄い存在なのです。


 2位は「ココ(小々田コージ)」。『Yes!プリキュア5』の妖精兼イケメンキャラです。番組内ではドリームとの淡い恋愛シーンも紹介されました。『YES!プリキュア5』勢からは「ナッツ」が7位、愛される敵キャラ「ブンビー」が9位にランクインするなど、ここでもその強さが伺い知れました。


 3位は「FUJIWARA原西」。『スマイルプリキュア!』第17話のゲストで1度登場しただけにも関わらず、そのインパクトの強さがファンの心に残り続けています。原西さんは番組ゲストとして呼ばれキュアゴリラの変身シーンを披露するだけではなく、プリキュアの的確な解説をするなど、その豊富な知識と愛を存分に披露していた姿が印象的でした。


 4位「ダークドリーム」は映画限定のキャラクターながらもその悲劇性もあり、今でも根強いファンが多いキャラです。5位「レジーナ」は『ドキドキ!プリキュア』の敵幹部です。その愛らしい造形と「敵サイドとプリキュア側とで揺れる心」が印象的なキャラクターです。こちらも「大きなお友達」の人気が高いキャラクターです。


 あと、8位の「キュアエコー」はオールスター映画限定の正規プリキュアです。キュアエコーが8位に入るあたりにプリキュアファンの底知れない熱量が伺えます。


■歌部門


 歌部門は約150曲中、50位までの発表となりました。


 1位は貫禄の「DANZEN!ふたりはプリキュア」。


 初代『ふたりはプリキュア』のオープニングソングです。番組内では五條真由美さんによる生ライブも行われ、大いに盛り上がりました。皆が納得の1位ですよね。「DANZEN!」は、5位に「Ver.Max Heart」、11位に「唯一無二の光たち」と3曲がランクインし、その強さを見せました。まさに『プリキュア』を象徴する歌です。


 2位は「プリキュア5、フル・スロットルGoGo!」。


 『Yes!プリキュア5GoGo!』のオープニングソングです。「夢」「未来」「あきらめない」といった歌詞が散りばめられたプリキュアらしさ溢れるアップテンポの名曲です。OP映像とのマッチングが凄いのです。3位以降は各シリーズのOP、ED曲がランクイン。7位に現行作『スター☆トゥインクルプリキュア』のED「パペピプ☆ロマンチック」が入ったことは、プリキュアの子供人気の証拠だと思われます。


 歌部門はトップ10中、『ふたりはプリキュア』関連から2曲、『Yes!プリキュア5』関連から2曲、『ハートキャッチプリキュア!』から3曲が選ばれ、この3作品で7曲を占め、その人気の程とファンの思い入れの強さが伺い知れました。


■順位を決めることに意味はない


 全体的な結果としては初代『ふたりはプリキュア』の投票数が多く、次いで『Yes!プリキュア5』、『ハートキャッチプリキュア!』が各部門で数多くランクインし、そのファンの熱量の程が伺えました。


 ただ、公式サイドからもたびたび言及されていますが、この全プリキュア大投票は順位を決めることに意味はなく、それよりも「自分の中の熱い思いを形にすること」が大切なの、です。


 WEB投票のみという性質上、インターネットと親和性の高い年代の投票が多くなり、スマホを持ち始める高校生以上の投票が多くなる傾向にあったものと思われ、必然的に現行作『スター☆トゥインクルプリキュア』など近年の作品よりも5〜10年前以前の作品に票が集まっているように分析できます。


 実際、番組内で発表された「9歳以下の子供たちの投票率」では『スター☆トゥインクルプリキュア』を筆頭に近作のプリキュアが支持されていて、きちんとプリキュアはメインターゲットの子供たちに届けられていることもわかりました。


 全国で、たくさんの人が「自分の好きなプリキュア」を思い出し語っている。


 もちろんプリキュアに上下はないので、このランキング自体に大きな意味はないのですが、NHKという公共放送の場においてたくさんのプリキュアファンの「熱い想い」が語られたことは大きな意味があったのだと思います。


 かつてプリキュアを見て育った子供たちは、今、成長して大人になり一生懸命、現代社会を生きています。


 そんな大人たちに、そしてこれから社会へと旅立つ学生に、小さいころ大好きだったプリキュアを思い出してもらったことに「全プリキュア大投票」の大きな意味があったのではないかと思います。


 「10代20代女性からの投票が多数を占めた」という結果はプリキュアシリーズが今でもずっと女の子の心に残り続けていることの証だと思うのです。(文=kasumi)


このニュースに関するつぶやき

  • プリキュアに貴賤は無し。愛する気持ちに変わり無し�ϡ���
    • イイネ!2
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