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東京2020に向けて企業を悩ます“差別化”CM戦略

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2019年09月19日 16:00  AERA dot.

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写真Google「みんなで、いい東京2020にしよう」編(提供/Google)
Google「みんなで、いい東京2020にしよう」編(提供/Google)
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで残すところ300日余りとなった。東京開催が決まった2013年当時は「2020年」が遠い未来のように感じていたが、あと3カ月もすれば2019年が幕を閉じ、いよいよ2020年の到来だ。テレビCMでも開催1年前を切った頃からオリンピック・パラリンピックスポンサー企業によるCM出稿がますます盛んになってきた。

*  *  *
 2019年8月度のCM好感度調査において、期間中にオンエアされた全3924作品を出稿量順に並べると5位に『Google』の「みんなで、いい東京2020にしよう」篇が入った。CMは「オリンピックのときやっておけばよかったこと。」をテーマに、リオデジャネイロやロンドン、北京といった過去の開催国の人々が「観光客にもっと何かしてあげられればよかった」「英語の翻訳を間違えていたけど気づかなかった」などと意見や感想を語る姿を映すというもの。大会にまつわる情報や訪日観光客をもてなす方法を同社の検索サービスで調べて東京2020大会を成功させようというメッセージを伝えた。CM好感度調査のモニターからは「どの国の人達ももてなしたい気持ちがあり、いいモノを作ろうとしていてさまざまな気持ち、意見が伝わってきた」「自分にもできることを探そうと背中を押される」などの感想が寄せられた。

 NTTドコモは来春の商用サービス開始を目指す第5世代移動通信システム『5G』を活用し、新たなスポーツ観戦のスタイルを訴求するCMを2018年より放送している。オリンピック開会式の1年前にあたる7月24日から、佐藤健と錦織圭が5Gの技術により実現したという“マルチアングル視聴”を体験する新CMをオンエア。アスリートの驚異的なパフォーマンスを自由な視点で見ることで、その場で観戦しているかのような映像を楽しむことができる。モニターの感想も「5Gの速度でライヴでなくてもより臨場感あふれる体験ができそう」「錦織くんがオリンピックで活躍するのを見るのが楽しみになった」などと、5Gが商用化されて初めて迎える五輪として、新しい感動体験に対する期待の高まりを感じさせる。そのほかサムスン電子や三井不動産、JR東日本、ANA、アサヒビールといった公式スポンサーの東京2020大会関連CMが上位に多く並んだ。

■好感度1位は深田恭子のラムちゃん

 なお、CM好感度順のランキングを見ると、『東京ガスの電気』のCMが1位となった。深田恭子が人気アニメ『うる星やつら』の“ラムちゃん”、寺田心が“テンちゃん”に扮し、電気代を東京ガスに切り替えないと「損だっちゃ」などとアピールするものだ。以下KDDI『au』の「三太郎」シリーズや花王『アタックZERO』の「#洗濯愛してる会」、『SoftBank』、日清食品『カップヌードル』など、上位常連ブランドのCMが顔をそろえている。多くの生活者はチケット販売の当落や猛暑・交通混雑といった課題に関するニュースに触れ、続々と完成する競技施設を目にしたりして五輪開催を徐々に実感している一方で「そうはいってもまだ1年もある」といった感覚なのか、CM好感度の勢力図に大きな変化は見られない。

 過去大会やFIFAワールドカップ時の調査を振り返ってみても、お祭りムードが本格化するのは直前もしくは開会後のようだ。まだ見ぬできごとに期待を寄せるよりも、超人的なプレーや懸命にベストを尽くすアスリートの姿、彼らに惜しみない声援を送る人々の熱量を実際に目にする方が人の心を圧倒的に突き動かすのは当然だろう。

 時期的な理由に加え、CMの訴求内容も影響しているのではないだろうか。今回は前述の通り5G導入後初の大会ということに加え、なんといっても“自国開催”という大きな前提がある。組織委員会は「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」という“3つの基本コンセプト”を掲げ、「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする」としている。世界最大のスポーツの祭典を楽しむだけではなく、ホスト国としてさまざまなミッションを背負っているわけだ。当然スポンサーによるCMの訴求内容もミッション遂行に向けた宣言や、五輪の社会的な意義を再認識させるもの、社会的課題の共有と意識づけなど、エンターテインメント性の少ないものがほとんどだ。

■過去には松岡修造や北島康介

 こうしたコミュニケーション活動は必要だし、ひとつひとつのメッセージには決意や誇りが満ちあふれており胸を打つ。ただ、生活者が“自分ごと化”して共感するにはテーマがいささか壮大な向きもあり、具体的なアクションを想像しにくいのではないだろうか。テレビCMはじっくりと“専念視聴”するものではなく、“ながら視聴”されることが大半だ。テレビ番組の合間にリラックスした状態で不意に接触するため、難解な言葉や“左脳的”なメッセージはなかなか受け入れられにくい。さらには「東京2020大会」という同テーマで複数のスポンサー企業がCMを制作するため、視聴者からすると差異を認識しづらいという点も企業を悩ませているように思う。

 時代背景も開催国もさまざまだが、これまでのオリンピック・パラリンピック関連で高い支持を得たCMには、2012年のロンドン大会時にオンエアされたアサヒビール『ジャパンゴールド』や日本コカ・コーラ『アクエリアス』などがある。ジャパンゴールドは大会に合わせて期間限定で販売された“応援専用新ジャンル”で、CMには松岡修造を起用した。羽織袴に金色のたすきとはちまきを身につけた松岡が、応援団を率いて「ジャパーンゴールド!」という掛け声とともにロンドン市内を行進するもの。松岡の熱い応援につられて「オリンピックを見る気になった」「ともに応援したい!!」などと参加意識の高まりを感じさせる感想が多く寄せられた。アクエリアスは北島康介がハンデをつけて子どもたちと平泳ぎのスピードを競う内容で「観るより、やるほうが超楽しい。」のコピーでスポーツの持つ根源的な楽しさや喜びを映した。

 当時とは状況も日本の役割も異なるためCMの表現内容の違いを比較し論じるのはナンセンスだが、広告に限らず「正しい」よりも「楽しい」が人を動かすのはひとつの真実だろう。

●CM総合研究所/1984年設立。「好感は行動の前提」をテーマに、生活者の「好き」のメカニズム解明に挑戦し続けている。平成元年から毎月実施しているCM好感度調査をもとに、テレビCMを通じて消費者マインドの動きを観測・分析しているほか、広告主である企業へダイレクトにコンサルティングを行い、広告効果の最大化および経済活性化の一助となることを目指す。

【おすすめ記事】横浜市も初耳? 東京五輪の野球会場に東京ドームが使われない不思議な理由


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  • とりあえず、「韓国は旭日旗にファビョーンして東京オリンピックボイコットするってよ」と大々的に宣伝して本当に出れない様に追い込んで欲しい(゚∀゚)あんだけイチャモンつけて出てきたら世界の笑い者にもなるw https://mixi.at/aePFrax
    • イイネ!24
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