18センチの爪と4キロの毛の塊 飼育放棄された犬が第2の人生を歩み出す(米)

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2019年09月19日 21:32  Techinsight Japan

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トリミングされ生まれ変わった犬(画像は『Nebraska Humane Society 2019年9月13日付Facebook「Check out how our NHS staff gave a second chance to a neglected dog.」』のスクリーンショット)
長い間飼い主に放置され、4キロもの毛の塊をまとい歩くことができなくなった1匹のシーズー犬が保護され、第2の人生を歩み出した。保護したレスキュー団体はこの犬を‟エリー・メイ(Ellie Mae)”と名付け、見事に変身を遂げた様子をFacebookに投稿したところ、多くの反響を呼んでいる。

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米ネブラスカ州オマハのアニマルシェルター「Nebraska Humane Society(NHS)」に数週間前、収納箱に入れられた11歳のメスのシーズー犬‟エリー・メイ”がやってきた。飼い主の女性の死後、家の掃除に訪れた人によって発見されたのだが、誰も女性が犬を飼っていたことを知らなかったという。

エリー・メイは長い間飼育放棄されていたようで、爪の長さは約18センチ(7インチ)もあり、固まって伸びた毛が異臭を放って身体中に絡まりつき、歩くことができず身体を動かすのも辛そうだった。


NHSの医療スタッフはエリー・メイを麻酔で眠らせ、呼吸器をつけた状態のままトリミングを行った。処置を行ったアンバー・ホーン獣医は「これまでで最悪のケース」とショックを隠し切れない様子で、エリー・メイの状態についてこのように語った。

「エリー・メイの約5キロ(11ポンド)の体重に対し、トリミングされた毛の重さは約4キロ(9ポンド)にもなりました。これほどの毛に覆われていると足の血流が止まり、切断をしなくてはいけないケースもあります。幸いなことにエリー・メイは、足1本が感染症に罹っているだけで血流に異常はありませんでした。」

「18センチもある爪は砂や糞、毛が絡まっている状態で、ガチガチに固まっていた毛はトリミングするのに3人がかりで1時間を要しました。また長い間使わなかった筋肉は衰え、関節炎も患っているようでした。感染症のための抗生物質を与えましたが、今後はヘルニアの手術や歯の治療も必要になるでしょう。」


「トリミングから約5時間後、エリー・メイは自分の足で歩き始めました。最初こそよろめいていましたが、日に日に足が強くなってきたようです。保護されてから2週間が過ぎた頃には、シェルターにもすっかり慣れ、散歩も楽しめるようになりました。きっと自分の足で動き回ることができて、嬉しくて仕方ないのでしょう。エリー・メイはとても楽しそうにしています。またお気に入りのブランケットに包まって眠るのが大好きなようですよ。」

なおFacebookの投稿を見た人たちからは、「是非うちで引き取りたい」「こんなに長い爪は見たことがない。痛かったよね」「最悪の結果になる前に発見されて良かった」「こんなになるまで誰も気付かなかったなんて。飼い主も孤独だったのでは」「ハッピーエンディングで良かった」「これは虐待だよ」「NHS、ありがとう」といったコメントが寄せられている。

順調な回復をみせていたエリー・メイだが、今月13日に伝染性の呼吸器疾患であるケンネルコフを患い体調を崩してしまったそうだ。NHSの広報担当者は「疲れやストレスがたまっていたのかもしれません。引き取りたいという申し出が多数あるようですが、今はゆっくりと休ませて、必要な治療を終えてから新しい飼い主を探したいと思っています」と述べている。

ちなみに2017年には、米フロリダ州にあるペット美容室が路上で彷徨っていた犬を引き取り、深夜に無料でトリミングし話題となった。保護された犬の毛は汚れで絡まり、ノミ感染を起こして歩くこともできず、排泄も不可能な状態だった。また絡まった毛が重くなり血流を止めて痣を作り、犬からは「死んだような臭い」が漂っていたそうだ。

画像は『Nebraska Humane Society 2019年9月13日付「Check out how our NHS staff gave a second chance to a neglected dog.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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