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「日本経済は即死だ」フジマキが警鐘鳴らす米中為替戦争の余波

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2019年09月20日 07:00  AERA dot.

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写真藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中
藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中
“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、米中の総力戦が起きたときの日本への影響を推測する。

【写真】中国への強硬姿勢をアピールするトランプ米大統領 

*  *  *
『獅子の系譜』(津本陽)を読んでいたら、北条氏政、氏直父子は秀吉から宣戦布告を受けた後(天正17年・1589年)に、「領内の男子15歳から70歳までをすべて雑兵として動員することにした」とある。え、え、え? 織田信長も人生50年とうたっているくらいだから、当時の70歳って今の人に例えれば100歳を超えているんじゃないの? 確かに、すさまじい総力戦だ。

★   ★
 昨年7月にトランプ米大統領が中国製品に追加関税をかけたことで米中貿易戦争が勃発した。私は直後に次のように書いた。

<貿易不均衡が起きたときは通常、関税引き上げによる「貿易戦争」でなく、為替調整による「通貨戦争」で解決を図ることが多い。同様の効果が得られるからだ。(中略)しかし、米国は為替調整によって、対中国の貿易不均衡を解消しようとしてもできない。中国が実質的な「ペッグ制」をとっているからだ。ペッグ制とは、人民元を人為的にドルの強弱と連動させるしくみ。米国がドルを弱くしようとすれば、人民元も弱くなり、相対的な為替レートは変わらない。米国は為替調整ができないため、その代わりに貿易戦争に向かったと思われる>

 そして2月には、米中貿易戦争は通貨安による中国経済の勢いを止めたいというトランプ大統領の決意の表れだと、次のように指摘した。

<経済発展の原動力だったペッグ制廃止をも、米国は要求するのではないか>

 予想どおり、今や米中は貿易戦争から為替戦争へと進んできた。この段階に至っても、日本では緊張感が感じられない。

 しかし、この戦争は日本経済低迷の原因を教えてくれるとともに、日本の「Xデー」の引き金を引く可能性さえある。その意味ではもっと危機感を持ちたい。

 日本の名目GDPは40年間で2.5倍強にしか拡大していない。経済成長率が先進国で断トツのビリだったのだ。一方、中国は220倍と大躍進。それを可能にしたのが、米国が大いに気にしている人民元安だ。

 1980年には1ドル=1.5人民元だったものが今は7人民元。5分の1になった。対円では1人民元が160円もしたものが今は15円と11分の1に。

 これでは中国が世界の工場になり、日本の競争力が下落したのも当たり前だ。中国は日本の失敗を見て、米国がいくら通貨切り上げを迫ってもお茶を濁す程度にしか切り上げてこなかった。

 今回は戦争になった以上、元安をはばからないだろう。為替の重要性に気付いた中国と、認識できなかった日本で大きな差ができたのだ。手遅れとはいえ、将来のためにこの事実を心に刻んでおかなくてはならない。

 中国の最強の対抗策は保有米国債の売却だ。これをやれば中国も保有国債価格が下落し自分で自分の首を絞めるが、予期せぬ事態も起きるのが戦争。総力戦となれば最後には中国が踏み切る可能性もゼロではない。自分が重症になろうとも、米国が重体に陥ると思えば仕掛けるリスクはある。

 その場合、日本経済は“即死”だ。世界最悪の財政状況と不健全な日銀財務は全世界的な金利上昇に耐えられない。私がこのコラムで、「乱気流に備えてシートベルトをお締めください」と訴えてきたことが、いよいよ現実になろうとしている。

※週刊朝日  2019年9月27日号

このニュースに関するつぶやき

  • 落ちが何で日本経済即死になるのかサッパリ分からないな。米中が重体なら逆にチャンスと思えるが。極限状態でこそ能力が問われるのだ、無能は去れ。
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