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ZOZO、最高年収1億円の「天才・逸材」採用していた AI時代に向け「やばい人材を集めている」

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2019年09月20日 07:12  ITmedia NEWS

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写真金山さん
金山さん

 2019年を「AI化元年」と位置付け、AI事業に注力する姿勢を見せるZOZOグループ。ZOZOテクノロジーズ代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)の金山裕樹さんは「ファッション領域の課題解決こそAIの力が必要」と主張します。



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 同グループは最高年収1億円で研究員やエンジニアなどの「天才・逸材」を募集して話題になりました。実際に、天才・逸材枠で採用した人もいるそうです。また、元Amazon.comのチーフ・サイエンティストであるアンドレアス・ワイガンド氏が同社のデータサイエンスアドバイザーに就任。グループとして、データ活用やAI領域への投資を続けています。



 こうした背景を踏まえ、今後のZOZOグループが取り組むAI戦略や、金山さんが考えるAI時代の在り方などを聞きました。聞き手は、ITmedia NEWSでAI開発の現状を伝える連載「マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!」を持つマスクド・アナライズさん。



※:このインタビューは8月に実施されたものです。



●最高年収1億円の「天才・逸材」を採用していた



マスクド:「SoftBank World 2019」(7月18日に開催)に登壇した孫正義社長が「日本はAI後進国になってしまった」「AIを中途半端にかじった評論家、学者が『AIに何ができる』と低く評価するのは、時代錯誤も甚だしい」と発言して話題になりました。日本がAIをうまく使えるようになるにはどうすれば良いのでしょうか?



金山:ZOZOテクノロジーズの経営会議で、「今後デプロイされる全ての機能にマシンラーニング(機械学習)を使うべきだ」と提案したことがあります。5秒で却下されましたが(笑)。AIが手段になるのはおかしいと思われるかもしれませんが、今は過渡期なので手段としてでも強引に使わないといけないと思っています。AI、マシンラーニング、ディープラーニング、ロボティクスオートメーションの時代が来るのは間違いないので、それらを使えるようになりましょうと。「分からないからやらない」という選択肢は本当に意味が分かりません。それくらいのマインドセットと行動力が必要だと思います。



マスクド:やる前にダメ出ししたらいけませんよね。



金山:もう、どんどんやっちゃいましょうよ。少し前にも、似たような現象がありました。僕らが「IQON」(金山氏は運営元のVASILY創業者)というファッションアプリを開発していた頃、みんな口をそろえて「何でモバイルなの? PCでいいじゃん」って言ってたんですよ。



マスクド:「ガラケーがあるでしょ。スマホで服を買うわけない」と言われたり?



金山:そうです(笑)。でも2009年ぐらいに、僕らは「絶対にネイティブアプリの時代が来る」と確信していました。ビッグトレンドとして、AI化は間違いない未来なので、早めにトレンドに乗っておいたほうが良い。早めに参加したほうが学習コストも低いですし、リターンも大きいので。具体的に動いている話として、プロダクトを推進するAIチームを作ります。9月1日には、元Amazon.comチーフ・サイエンティストのアンドレアス・ワイガンドが弊社のデータサイエンスアドバイザーに就任しました。日本に呼んだり、(ビデオ会議で)ミーティングに参加してもらったりして、彼の知見を組織にインプットさせようと考えています。



マスクド:それはすごいですね。



金山:彼は天才です。はっきり言って、やばい。そういう人との仕事は面白いので最高です。あともう一つ、最高年収1億円で「天才・逸材」(ZOZO研究所における研究員やエンジニアなど)を募集していましたが、これを通じてさまざまなスキルを持つ人が入社してくれました。Forbesにもインタビューが載っています。



 AIに関しては、さまざまな人材を集めています。AIを使えて既にあるソリューションと組み合わせて価値にできる人、組織の中でバリバリと開発できる人、あとは組織外の協力者であるアンドレアス。まだ対外的には発表していませんがいろいろな大学ともコラボレーションしています。もう全張りといってもいいくらい、手を打とうとしています。



マスクド:すごい人材が加入して化学反応が起こると、面白い組織に変革しそうですね。



金山:ただ、まだまだ大規模にやれていないんです。他の大手EC企業と比べるとファッションテックではわれわれが勝っていると思いますが、テック全般で見たら、ZOZOはまだ地方大会3回戦ぐらいかなと。なので、もっと強化していきます。



●「能力の違いは誤差」 やる気と情熱を持ってほしい



マスクド:衣食住というように、ファッションは生活に欠かせないものです。まだ人数も知恵も足りない状況だと思いますが、ZOZOがAIに取り組む上で、これから先どのような人材が必要だと思われていますか?



金山: AIという縛りの中で、小さな勝利をたくさん積み上げて、勝ち癖を身につけることが大事だと思っています。われわれは成功体験を積み重ね、それを捨てることを繰り返して前に進んでいく。そのサイクルをいかに早く、同時多発的にやれるかです。それを踏まえると、とにかくやる気のある人でしょうか。



マスクド:先ほど、とりあえずAIをやってしまえばいいというお話がありましたが、まずやってみる勢いを持つ人という意味ですね。



金山:「これをやらされている」じゃダメで、「本当にやりたい!」という熱量が必要です。能力の差は誤差の範囲だと思っています。マインドセットが重要なので、経営陣はメンバーが「やりたい」と思えるようコーチングをしないといけません。運や環境もありますが、心の問題はすごく大事で・・・・・・変ですかね?



マスクド:いや、すごく大切なことだと思います。



金山:燃え上がるような情熱があるか、それをやりたいと思えるかどうかです。われわれはワークスタイルとして「楽しく働く」を掲げています。楽しいことはどんどんやっていく。うまくこなせるようになると顧客にも喜ばれます。すると売上が上がり、コストが下がり、再投資できるお金が生まれていく。でも、世間的には「やる気の無さ」が蔓延していると思いませんか?



マスクド:良くも悪くも、現状に満足している人が多いかもしれません。



金山:仕事や人生そのものに燃えている人がどれだけいるでしょう。「これをやらなきゃ死ねない」という、前のめりな人が。起きている時間の半分以上を使っているのに、命をかけて仕事をしている人が少ないのは悲しいなと。



マスクド:そうした気概がなくても、日本で生きていけますからね。確かに危機感があったほうが良いのかもしれません。



●高度AIの実現で、人間はAIの犬になる?



マスクド:金山さんは「AIが人間を超える時代が来る」と考えているんですよね。もう少し詳しく教えてください。



金山:すでに特化型AIは人間を超越していますよね。この先、あらゆる仕事に特化したAIがどんどん登場してくるでしょう。そうなると人間の仕事がなくなると危惧されていますが、実際には人間がAIに仕えることが仕事になるのではないかと思っています。社内でも言っているんですが、AIにとっての人間は、人間にとっての犬みたいな存在になるんです。犬は新しい発明をしませんし、人間の仕事も分かりません。AIは人間より頭が良くなるので、それくらいの差が出てくるんです。



マスクド:人間が、AIにとっての犬になるということですか?



金山:今は違いますよ。総合的な知能は人間が勝っていて、人間がこの世界の創造主です。でも、いつかはAIに負けてしまう。人間よりも高度なAIが誕生したら、この先の知的生産活動は人間の手から離れてしまうでしょう。何をしてもAIに負けてしまうので、新しい仕組みや思想を生み出すのは、人間の役割ではなくなるんです。そういう未来がくるなら、今この時間を楽しまなくてどうするのって思うんですよね。それが働くモチベーションになっています。



マスクド:世界中の人間が、服に関してはAIに全てを任せられるようになればいいですね。



金山:それを実現するのが僕の役割ですが、相当チャレンジングな仕事です。社会の皆さんからいただいている期待はすごく感じていますが、実際はビビりまくっています(笑)。やりたいですけど、厳しさもある。ソフトバンクの孫さんは日本を「AI後進国」と表現しましたけど、そもそも日本はソフトウェア後進国なので、その流れでAI後進国なだけです。2回負けているので、2回勝つことでようやく世界とイーブンになるんですよ。



マスクド:AIに脅威を感じたりデジタルに適応できない人が、反対を掲げてラッダイト運動(産業革命期に起きた機械打ち壊し運動)を起こしそうですが。



金山:「AIに全てを委ねない」という生き方もあるでしょう。生き方そのものの話にもつながりそうです。



マスクド:例えば、普段スマホを使っているけれども「プライバシーはよく分からない」と、重要なことを人ごとに捉える人は大勢いるでしょう。今はAIも「よく分からないもの」と思われていますが、ITリテラシーの再教育が行われて「あなたはどうするの?」と判断を迫られる時代はいつ来てもおかしくありませんね。



●編集後記



 ノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュは「人間は現在の自分を拒絶する、唯一の生きものである」と言ったといわれています。今の自分のままではダメだと否定できるのは自分だけであり、自分を変えられるのもまた自分だけです。



 金山さんの発言は「変わらないとやばい」という焦り、まさにカミュが指摘した「現在の自分の拒絶」から来るのだと感じました。もっともっと先の未来を見据えているからこそ、現在の自分が変わることに何の戸惑いもないのでしょう。



 ZOZOといえば創業者の前澤友作氏や、SNSで話題になる田端信太郎氏など、いろいろな意味でやばい人たちがいると思っていましたが、AIに対してもやばい人たちを仲間にしながら真剣に取り組んでいることが分かりました。



 ZOZOはヤフーの傘下になり、AI事業も強化されるはずです。ファッション領域におけるAI活用の今後に注目したいと思います。


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  • 2018年3月期決算、ソフトバンクGの売上高は約9兆1587億円、純利益は1兆390億円だが、法人税を1円も払っていない。孫正義は合法的な租税回避を計画し、国税の手を逃れた。
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