『なつぞら』奥原三兄妹が絆を取り戻す 藤木直人が戦争に置き忘れたもの

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2019年09月20日 12:12  リアルサウンド

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『なつぞら』写真提供=NHK

 北海道で剛男(藤木直人)は千遥(清原果耶)のてん末を電話で聞く。富士子(松嶋菜々子)、砂良(北乃きい)は柴田牧場でアイスクリーム屋を始めようと夕見子(福地桃子)に相談している。


参考:広瀬すずが振り返る、『なつぞら』に捧げた1年間 「ギリギリなところで余裕を持って」


 連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)第149話では、千遥の離婚が成立し奥原兄妹が家族の絆を取り戻した。


 千遥の離婚を見届けるために剛男は東京へ向かうと宣言。富士子に「あんたがが行ってどうなるの」と一蹴されるも、「どうもならんかもしれんけど、それには責任があると思うのさ」と食い下がる。信哉(工藤阿須加)が、「千遥ちゃんがまた家族になったら、僕の戦争もやっと終わる気がするよ」と語るように、剛男も戦争に置き忘れたものがある。どちらかが戦死した時は、家族に宛てた手紙を届けると、交わしたなつの父(内村光良)との約束。その手紙が奥原兄妹たちにようやく共有されたことを剛男はまだ知らない。


 なつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は千遥の話し合いの場へ。千遥の育ての親・光山なほ子(原日出子)、千遥の夫・杉山清二(渡辺大)、と義母・雅子(浅茅陽子)がテーブルにつく。戦災孤児という身分を隠して結婚した千遥が明かした幼少期の真実も、雅子は知っていた。そんな千遥を誰よりも支え、応援したのは、義理の父であり、料理屋「杉の子」の親方だった。


 「この店の味はあなたの味なの。あなたはうちの人が見込んだ料理人なのよ」と雅子は明かす。千遥も苦境にありながらも、なつと同じように支えてくれる素晴らしい人たちに恵まれ、1人で懸命に生き抜いてきたのだ。清原果耶が体現するなにか抱えたものの一端を感じさせるワンシーンだった。


 清二の落ち度ということもあり、離婚は認められ、千遥は杉の子の料理人を続けることに。話し合いが終わり兄妹水入らずとなり、千遥は「お兄ちゃん、お姉ちゃんほんとにありがとう」と感謝を述べる。もう千遥は、咲太郎となつに敬語を使うこともない。「父と千遥の親方は同じ料亭で働いていたのでは」といきなり斜め上の話を始める咲太郎の姿もあって、兄妹として早くも普段の姿に馴染みつつある。


 そして、北海道から東京にやってきた剛男は千夏(粟野咲莉)と邂逅する。一目で千夏とわかったのも無理もない。かつて上野の地下道から北海道に連れてきたなつに瓜二つなのだから。


(文=安田周平)


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