神尾楓珠が語る、学生時代の挫折とアルバイトから得たもの「真逆の感情が強く湧き上がってきた」

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2019年09月21日 13:31  リアルサウンド

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神尾楓珠

 IndeedによるTwitterドラマ『アスタリスクの花』が、現在公開されている。本作は、Indeedが若年層にアルバイトの楽しさを伝えるとともに、将来の仕事探しを応援したいと考えて企画したショートドラマ。高校生たちが、将来や恋愛について悩みながらも、アルバイトや仕事を通して前に進んでいく姿を描く。


 リアルサウンドテックでは、竹内愛紗と共にダブル主演を務めた神尾楓珠にインタビュー。自身の学生時代やアルバイトを通して学んだこと、俳優という職業を選択した理由、Twitterドラマとテレビドラマの違いなど、じっくりと語ってもらった。


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■「(役者の道を選んだのは)周りで誰もやっていなかったから」
ーー今回、サッカー部の大翔(ヒロト)先輩という役柄ですが、神尾さんも学生時代サッカー部に所属されていたんですよね。役柄と自身の学生時代が重なる部分はあるのでしょうか?


神尾楓珠(以下、神尾):そうですね。結構ありました。特にサッカーに関しては重なる部分が多かったです。僕も学生時代、10年以上サッカーをやっていて、高校では強豪校に入ったのですが、大翔と同じく周りとの差に挫折して。ポジションはエースナンバーの10番が務める、トップ下(MF)だったのですが、僕は10番をもらうことができなくて、サッカーから離れました。あのとき、10番をもらってたら、辞めずに続けてましたね(笑)。


ーーその後、学生時代には、新聞配達のアルバイトもしていたということですが、アルバイトを通して学んだことはありましたか?


神尾:ちょうどアルバイトを始めたタイミングで、今のお仕事が忙しくなったので、あまり長い期間は働けなかったのですが、厳しさや大変さは学べました。たとえば、どんなに雨が降ってたり、風が強かったりしても、絶対に毎日同じ時間に新聞を届け終えなければいけないんですよ。それが“プロ”ってことなんだなと感じました。


ーー本作は高校生たちがそれぞれ、新しいアルバイトや経験を通して成長し、自身の将来を決めていく姿が描かれていますが、神尾さんはなぜ俳優という職業を選択したのですか?


神尾:周りで誰もやっていなかったから、というのが一番大きい理由です。それまでは、人と違うことをするのが嫌で、「普通でいい」と思っていたのですが、サッカーを諦めたときに、ふと「このままじゃ、何にもなれずに人生が終わっちゃうな」って焦りを感じて。「人と違うことがやってみたい」って、真逆の感情が強く湧き上がってきたんですよね。


ーー今回、役作りする上で何か意識したことはありますか?


神尾:サッカーのシーンがあって、久しぶりにボールを蹴ることになったので、事前にストレッチしたりして、身体の準備はしていました。


ーー確かに、久しぶりにボールを触るとフィット感が違いますよね。


神尾:そうなんですよ! もう、全然違って。「え、こんな足に吸い付かないっけ?」みたいな感じで、ビックリするんですよね。だから、撮影の合間とかでも、ずっとボールを蹴ってました。


ーー本ドラマは“青春”がテーマになっていますが、サッカー以外で、神尾さんが学生時代、最も印象に残っていることを教えてください。


神尾:僕、学校行事系が結構好きで、張り切っちゃうタイプなんですよ。


ーーそうなんですね! 意外です。


神尾:そう、意外なんですよ(笑)。その中でも特に、文化祭が思い出深くて。体育祭も、すごく楽しかったんですけど、個人種目じゃないですか。もちろん、チームワークも重要だし、団結力も深まるけど、個々の力が大きいというか。だから、クラスみんなで頑張るってなると、やっぱり文化祭だなって。そういう意味で、一番印象に残ってますね。


■「(共演者には)僕にはない発想がたくさんあった」
ーー文化祭では、神尾さんのクラスは何をしたのですか?


神尾:それが、本当に地味な出し物だったんですよ(笑)。みんなダラダラしちゃって、気づいたら時間がなくなってて。ボール投げみたいなゲームをやりました。頑張って盛り上げたんですけど、すっごくつまらなかったです(笑)。


ーー(笑)。


神尾:それとは別に、高校2年生のときに、同級生の仲良い男子15人くらいで、有志の演劇をやりました。内容はドラマ『勇者ヨシヒコ』(テレビ東京系)のパロディーだったんですが、本を書くのが好きな友達がちゃんと脚本も書いて。


ーー『勇者ヨシヒコ』というチョイスに、世代を感じます。ちなみに、神尾さんは何の役だったのですか?


神尾:僕は、芸人の佐久間(一行)さんが演じられていた井戸の怪人の役です。


ーーまさかの主要キャストではなかったのですね(笑)。Twitterドラマの本作では、神尾さんは竹内愛紗さんとダブル主演を務めていますが、テレビドラマとの違いは感じましたか?


神尾:最も感じたのは、撮影面で、一般的なドラマよりも、カットの進みが速くスピーディだったことです。撮影期間も全部で2日間だったので、あっという間でした。


ーー神尾さんは、YouTube世代ですよね。


神尾:そうですね、YouTubeはよく見ます。


ーー本作はYouTubeのように、各話が2〜5分のショートムービーで制作されていますが、神尾さんが感じる、この短さのドラマだからこその魅力は?


神尾:ショートドラマなので、サクッと軽く観られるのがいいなと。また展開が早いので、次のエピソードへの期待感を煽ったまま、最後までいけるっていうのも強みかなと思います。


ーー竹内さんをはじめ、同世代の方が多かった現場ですが、共演者から刺激を受けたことはありますか?


神尾:今回は出演者が役者だけでなく、ラップアーティストのさなりや、モデルの莉子ちゃんと黒木(麗奈)さんなど、普段は違うジャンルで活躍されている方が多かったので、いろいろな発見や驚きがありました。話すだけでも、「あ、そういう考え方があるんだ!」って、僕にはない発想がたくさんあって。たとえば、僕は芝居をするときによく考える方なのですが、さなりは何も考えずに演じるんですよ。そういうところが、一つひとつ新鮮でした。


ーー神尾さんは、本作ではどういうことを考えながら、お芝居したのでしょうか?


神尾:大翔は、彼女とサッカーを天秤にかけて、サッカーを選ぶんですけど、結局それもうまくいかなくて、次の何かを探さなきゃって、ずっと苦悩しているんですよね。そのあたりの感情の動きは今回強く意識していて。いま大翔がどういう気持ちなのかを常に考えていました。


ーー最後になりますが、今後挑戦したい役柄やお仕事はありますか?


神尾:まだやったことのない役が多すぎて、現時点で絶対に“コレ”っていうのはないですね。これからも役者として成長していきたいし、いろんな役に挑戦していきたいです!


(取材・文・写真=戸塚安友奈)


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