「運動会の組体操は危ない」とママ友LINEで相談も「モンペ扱い」? 幼稚園ママの戸惑い

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2019年09月22日 22:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。


 まだ夏休み気分が残る9月が過ぎ、10月に突入すると、幼稚園や保育園で運動会が開催される。園庭を持たない小規模保育園などは、近隣小学校の体育館や校庭などを借りて行うケースも多い。近年では、祖父母を含めた観覧者の増加の影響もあり、「スペースが足りない」との理由から、小規模の運動会も増えているようだ。

 室内競技の目玉として人気なのが、パラバルーン。子どもたちが、直径3〜8メートルほどの円形の布のふちを持ち、タイミングを合わせて膨らましたり、中に隠れたりして、波やメリーゴーランドなど表現するレクリエーションだ。

 首都圏にある保育園に、5歳になる男児を通わせている綾香さん(仮名)は、「親からすると、子どもがくるくると動き回るパラバルーンは、『撮影が難しい』種目。みんな同じような運動着を着ているため、遠くから我が子を識別するのには、靴下や靴の色が重要なんです」という。

「うちの園では、毎年パラバルーンの演技を年長クラスで行うのが慣例。一度しかチャンスがないので、ビデオカメラでの撮影も失敗できなくて……。去年は、椅子を1列に並べたラインダンスだったため、すぐに息子の姿を見つけられたのですが、今年はそうもいきません。ママ友とのグループチャットでは、事前に靴や靴下の柄を確認し合っていて、意外と『靴下はユニクロのものを履かせる予定』という人が多いことがわかり、被り防止のため、別のものを履かせることにしました」

 運動会の季節になると、ママたちの間ではLINEのグループチャットでのやりとりが盛んになると綾香さん。なんでも「運動会の当日も、何時ごろから行けばよいのかなど、打ち合わせしています。うちの園は、在籍児童の保護者と卒園生以外の観覧が禁止のため、来場者が多くて座席が足りなくなるということはないのですが、後ろの方だと撮影しづらいので、できるだけ早めに会場に行くようにしたい。とはいえ、あまりに早く着きすぎても……と。ママ友との情報交換は、結構重要なんですよ」という。いまや、運動会を快適に過ごすために、グループチャットは欠かせないツールとなっているのかもしれない。

 運動会をめぐって、ほかのママ友たちと意見が合わず、不満を抱く人もいるという。

 例えば、「伝統を重んじる」ような園の場合、代々続く保護者発案の「企画」が存在し、暗黙の了解で「全員参加」として話が進められてしまうケースが後を絶たないといい、都下にある大型幼稚園に、5歳になる女児を通わせている真奈美さん(仮名)は、次のようにため息をつく。

「実はうちの園、運動会で年長さんがお揃いのオリジナルのTシャツを着るという伝統があるんです。入園するまでは、このようなルールがあるとは知りませんでした。Tシャツの製作費は、保護者たちの負担で、だいたい2,000円前後。たった1回しか着ないTシャツのために2,000円も払うのって、納得がいかないですよ」

 ほかにも、保護者がうちわなどの応援グッズを作成したり、園の名前や運動会の日付が入ったTシャツを「親子で揃って着る」という慣例が存在する園もあるという。それだけ、保護者たちの結束が強いということなのかもしれないが、実情は真奈美さんのように「辞退したい」と言えないママもいるようだ。

「グループチャットでは、『そのデザインいいね』などと盛り上がっているので、『うちはいらない』と言い出しづらくって。グループチャットがない時代だったら、知らんぷりできたかもしれないですが……。私と同じように、『実は参加したくない』というママ友はいないのかなぁとも感じますね。まぁ、ほかの子はみんなお揃いのTシャツなのに、うちの子だけ別なのもかわいそうという気持ちもあるので、2,000円は払いますけど、納得はいってないです」

 5歳になる男児を育児中の輝美さん(仮名)は、運動会の出し物に組体操があるのが不安だと語った。

「私が、グループチャットに『組体操って危なくないですか。中止ししてもらった方がいいように思うのですが……』とメッセージを送ったら、ほかのママたちからは、遠回しに『先生が付いているから大丈夫だよ』って返信が来たんです」

 輝美さんが息子を預けているのは、1学年25人編成の幼稚園。英会話や、体操、サッカーなど、通常カリキュラム以外の課外活動にも力を入れているのが特徴の園だという。

「入園前に、運動会の見学に行かなかったんですが、まさか組体操が毎年の恒例行事となっているとは。組体操と言っても、ピラミッドは3段で、2段目の子どもは地面に足を付けたまま、手だけ1段目の子の背中に乗せるような、安全性の高い内容ではあります。でも、転倒したりしたら、危ないって思うんです。あと、『裸足で行う』という決まりも気になります。前日に保護者たちが、小石を取り除くそうなのですが、『全て』ではありませんし……」

 輝美さんはまず、先生や園に意見をする前に、ママたちの反応をうかがったという。

「何人か同意してもらえたら、体操の先生に言おうと思ったのですが、どうも私の提案が、あのグループチャット内で『モンペっぽい』と受け止められたようで、数人しかレスをくれませんでした。しかも、同意してくれる人はおらず……私の感覚がおかしいのかなと悩んでしまいます」

 保護者にとって運動会は、子どもの成長を目で見て感じることができる一大イベント。その際、LINEのグループチャットは、保護者間で連携を取るツールとして活躍することもあるが、一方で、「みんな見ているのが前提なので、『知らなかった』が通用しない」「意見を言ってもスルーされるのを目の当たりにしてしまう」といったママにモヤモヤを抱かせてしまう側面もあるようだ。
(池守りぜね)

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  • 当日、雨天になれば文句でないだろ?組体操反対には同意。運動会開催日に雨降れ!!
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