踏みとどまった鷹!工藤監督は森唯斗に「最敬礼」

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2019年09月23日 08:12  ベースボールキング

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ソフトバンク・柳田悠岐
◆ “天敵”山本由伸を攻略

 首位の西武を2ゲーム差で追う2位のソフトバンクが、粘るオリックスを振り切って逆転優勝の望みを残した。

 先に、優勝マジックを「3」としている西武が楽天に敗れたため、絶対に勝っておきたい闘いだったが、オリックスの先発は“隠れ”防御率1位の山本由伸。ソフトバンク戦は、2勝1敗ながら防御率1.59と、大の苦手にしている投手だった。

 しかし初回、先頭の明石健志がライトスタンドに5号ソロを叩き込むと、続く今宮健太もヒットを放ち、3番のグラシアルが送りバントをしっかり決め、この日4番に座った柳田悠岐がライトへタイムリー。苦手な山本から2点を先制した。


◆ 継投に不安も…

 オリックスは、山本が規定投球回に達するには「12回1/3」足りないため、6回1/3まで“引っ張った”ものの、ソフトバンク打線相手に5失点を喫し、チームとしても6失点。7回表終了時には4点差がついていた、

 しかし、7回裏のマウンドに上がった高橋純平の制球が定まらないと見ると、工藤公康監督は迷わずセットアッパーのモイネロを“前倒し”て投入。ところが、これが誤算に。モイネロも制球に苦しみ、宗佑磨、ロメロにタイムリーを許して3失点。1点差にまで迫られた。

 それでも二死満塁のピンチでモヤを三振に仕留めてピンチを切り抜けると、8回には武田翔太を、そして8回二死からマウンドに上がった“守護神”森唯斗を回跨ぎで送り出すなど、7人のピッチャーをつぎ込んで1点のリードを守り切った。3人で打ち取ったのは、5回と6回のみ。他の回はピンチの連続だったが、「もう負けられない」という気持ちが工藤監督の采配を生み、選手がそれに応えたと言えるような内容だった。


◆ 目指すは勝利のみ

 初回に送りバントを決め、決勝2ランを放ったグラシアルは、「チームプレーをしているのだから、あそこで送るのは当然のこと。ホームランは厳しいコースだったけど、完璧に捉えられた。もう負けられないのでチームに貢献出来て良かった」とコメントし、回跨ぎで登板して35セーブ目を挙げた森も「僕の記録なんてどうでもいい。しっかりチームが勝てるように頑張ります」と逆転優勝に向けた強い思いを語っている。

 工藤監督は「明石君の先頭のホームランと、グラシアルが送って繋いでくれてから得点になったのが大きい」と初回に苦手としている山本から先制出来たことをポイントに挙げていた。そして森について「素晴らしい。本当に頼りになる選手。どんな場面でも落ち着いてるし、全部出し切ってくれる。最敬礼したい」と評価し、チームに関しても「集中力が違う」と感じていることを明かし、「僕らは勝つしかないので、明日も勝ちを呼び込んでいきたい(優勝が)決まるまで諦めないので、日々、何がなんでもという気持ちで、明日も望みます」と語ると、報道陣に対して力強く「ありがとうございました!」と挨拶をしてバスに乗り込んだ。

 西武とのゲーム差は「1」に縮まり、残り試合は西武が4試合、ソフトバンクが5試合。優勝マジック「3」の西武に余裕を与えないために、負けられない闘いは最後まで続く。


文=どら増田

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