『FLY! BOYS, FLY! 』が描いた、King & Prince 永瀬廉ら訓練生のフレッシュな奮闘

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2019年09月25日 12:41  リアルサウンド

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『FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました』(c)カンテレ

 4月クールに放送されていたドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系、以下『俺スカ』)でも活躍していたKing & Princeの永瀬廉が、9月24日放送のドラマ『FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました』(カンテレ・フジテレビ系)でテレビドラマ初主演を務めた。本作は航空会社のキャビンクルーを目指して訓練生となった朝川千空(永瀬)が、訓練生の仲間やパイロット訓練生と共に成長していく物語だ。


 本作は、コメディ色の強い演出の中に、“仲間との絆”、“淡い恋心”、“仕事を通しての成長”と胸が熱くなる物語がたくさん詰まっていた。訓練生たちのフレッシュさが重要になる今回のストーリーには、まさに打って付けの若手俳優陣が揃う。永瀬を筆頭に、出演作品が数多く控えている引く手数多の北村匠海、『宇宙戦隊キュウレンジャー』(テレビ朝日系)で主役を務めた岐洲匠、2.5次元舞台で人気を誇る小越勇輝。そして、つばさを演じた黒島結菜は様々なドラマで主演やヒロインを務めており、北村とは映画『十二人の死にたい子どもたち』で共演している。


【写真】King & Princeの永瀬廉


 千空と共に訓練生となる元自衛官の郷田勇一(岐洲)、ゲイの黛正太郎(小越)は、訓練中も千空と同じように様々な局面で壁に当たり、苦悩していた。しかし元モデルの早乙女薫(北村)だけは器用に淡々と訓練をこなしていく。だが実際にキャビンクルーとしての業務が始まると一変、千空のホスピタリティが評価され、薫は霧沢麗子(真飛聖)から欠けている部分があると指摘されてしまう。


 薫は器用になんでもこなせてしまうタイプであるため、積極的に努力をする姿勢が足りなかった。しかし千空とフライトを共にすることで、そのバイタリティに感化され自身を改めていく。一方で、つばさ(黒島)もまた親子関係で悩み試験前にも関わらずナーバスになっていた。つばさの夢であるパイロットは、実は母親の夢。しかしつばさの母は、初フライトの直前に夢を叶えずしてこの世を去ってしまったのだ。母の夢と自分の夢を重ねてしまい、殻を破れずにいるつばさに千空は励ましの言葉をかける。つばさは千空の協力もあって自分の壁を壊し、見事副操縦士の試験にも合格、千空や薫らと共に初フライトを迎えた。


 主演の永瀬は、『俺スカ』での影のあるいじめっ子役とは大きく異なる役柄で、印象を変え堂々と演じきった。ドラマの冒頭ではどことなく頼りないが底抜けに明るい千空は、後半で薫やつばさをリードする頼もしい姿を見せる。永瀬は1つの作品の中でもこうした流れを重視した芝居を見せ、より感情移入できる作品に仕上げた。ラストシーンで千空と指導教官が並んで歩く姿は、登場時よりも堂々と胸を張り、これからのキャビンクルーとしての未来に希望を抱いた千空の姿がキラキラと輝いて見える。普段、ファンに夢のような時間を与えるアイドルをしている永瀬だからこそ、大勢を虜にするようなカリスマ的な素養を持つ千空の役がまさにはまり役だったと言える。こういった役柄は主演に多い性質のため、今後も演技の道で大きく羽ばたく可能性も感じた。


 本作は女性社会であるCAの世界で奮闘する千空らと、男性社会であるパイロットの世界で奮闘するつばさを描くことで、職業に対する固定観念を覆し、より幅広い価値観を与える。大人から子供まで楽しめるようなライトな切り口で描いた作品に多様性が表されることは、可能性への第一歩であり非常に喜ばしいことだろう。黒島の凛々しい制服姿や、永瀬らが堂々とキャビンクルーを演じる姿は、夢やモチベーションを与えることができたかもしれない。


(Nana Numoto)


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