『なつぞら』なつと泰樹の師弟関係が復活! 柴田家のチームプレーに感じる、これまでの積み重ね

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2019年09月27日 12:21  リアルサウンド

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『なつぞら』写真提供=NHK

 『大草原の少女ソラ』が完結し、千遥(清原果耶)たちを連れて十勝にやってきたなつ(広瀬すず)。『なつぞら』(NHK総合)第155話では、剛男(藤木直人)と照男(清原翔)が、新設備パイプラインミルカーを牛舎に導入することを話し合っている。


参考:『なつぞら』第156話では、なつ(広瀬すず)と泰樹(草刈正雄)が靖枝(大原櫻子)を手伝う


 「じいちゃんは俺に任せると言ってくれた。じいちゃんの牧場を十勝一、日本一にするのが役目だ」と語る照男。泰樹(草刈正雄)から受け継いだ柴田牧場の責任者としての風格が出ている。しかしその晩、十勝は嵐に見舞われ落雷により停電してしまう。停電ということはミルカーも使えなくなり、搾乳ができなくなってしまう。牧場を拡大してから、未曾有の危機に照男は焦る。なんとか発電機を借りようとするもうまくいかない。そこで、血相を変えて飛び起きた泰樹が「牛を待たすな。手で搾れ!」と鶴の一声を入れるのだ。


 柴田家は、総出で搾乳を始める。「なつ、ついてこい」と声を掛ける泰樹と、「はい」という一言で阿吽の呼吸を見せるなつ。懐かしの師弟関係復活の瞬間に、ニヤリとしてしまうのは私だけだろうか。小さい頃は牛乳嫌いで牛舎に寄り付くこともなかった夕見子(福地桃子)は、母・富士子(松嶋菜々子)に教わり初搾乳にチャレンジ。「私にも才能あるんでねえの」と笑みをこぼした。


 照男は、地平(小林颯)を連れてアイスクリーム屋を壊し、少しでも牛乳を残せるように水槽を拡張。悠吉さん(小林隆)も駆けつけた。坂場(中川大志)もドジながら自分のできることを探し懸命に手伝う。『なつぞら』という作品は、これまで各キャラクターの掘り下げを徹底的に行ってきた。それらのキャラクターたちが一堂に会し、チームプレーで物事に対処する展開は、屈指のドライブ感を生む。各キャラクターの一挙手一投足にここまで積み上げた全154話の重みが詰まっているのだ。


 そして嵐も去り日も上がりきった頃、ようやく柴田家の戦いが終わる。照男が機転を利かせたおかげで、予想より多くの牛乳を確保できたが、照男自身はこの惨事について強く責任を感じているようだ。泰樹は、「一番大事なことは働くことでも稼ぐことでもない。牛と生きることじゃ」と優しく諭す。かつて照男には牧場は任せられないと、なつに継がせようとしていた泰樹だが、今や継承はしっかりと行われている。


 翌日、なつと泰樹が天陽(吉沢亮)の畑へ向かうと、畑では靖枝(大原櫻子)がを片付けをしている。天陽の絵や畑、その魂はなんとか守られたようだ。いよいよ明日は最終回。十勝の快晴に、なつは何を見るのだろうか。


(文=安田周平)


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