イスラエル在住の60歳女性がわさびをアボカドディップと間違えて大量に食べ、「たこつぼ心筋症」を発症していたことが症例報告専用オンライン・データベース『BMJ Case Reports』で明らかにされた。同疾患の女性の発症率は男性の約7倍で、閉経後の高齢者に多く見られるのが特徴だが、わさびのようなスパイスの摂取による発症は初のケースで注目を集めている。
9月初旬の『BMJ Case Reports』の報告で、結婚披露宴に出席したイスラエルの60歳の女性が、スプーン山盛り1杯のわさびをアボカドだと思って食べた後、たこつぼ心筋症を発症していたことが明らかにされた。イスラエル南部ベエルシェバにあるソロカ・メディカルセンターの医師によると、女性はわさびを食べた後に突然胸の圧迫感に襲われ、胸部と腕の痛みが数時間続いたようだ。
『BMJ Case Reports』は、過去にアナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)によってたこつぼ心筋症の発症が確認されたものの、わさびによるものは初のケースだとしている。発症した場合、心不全や重篤な不整脈を合併する場合も稀にあるが、ほとんどは1か月ほどで回復することが多く、この女性は4日間の入院により心臓は正常な状態に戻っている。
画像は『IFLScience 2019年9月24日付「Woman Mistakes Wasabi For Avocado, Ends Up In Hospital With “Broken Heart Syndrome”」(Shutterstock)』のスクリーンショット (TechinsightJapan編集部 A.C.)